有休義務化で会社はどう変わる?
メリットとデメリットを解説!
有休義務化で会社はどう変わる?  メリットとデメリットを解説!
最終更新日:
2019/5/27
 
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2019年4月から働き方改革の一環として有休義務化がスタートします。会社の規模にかかわらず、今年度から労働者に年に5日の有給休暇を取得させなければなりません。どのようなメリット・デメリットがあり、会社はどのように変わっていくのでしょう?有休義務化による変化を考えていきます。

有休義務化がスタート!働き方改革で会社に求められる変化とは?

有休義務化とは?なぜ有給休暇取得率を向上させなければならないのか?

有休義務化は労働者に年に5日以上の有給休暇を義務として強制的に取得させる制度です。政府が推進する働き方改革の一環として他の制度とともに、2019年度からスタートしています。有給休暇取得率を高める目的で導入され、企業の規模に関係なくすべての企業に一斉適用されます。中小企業でも今春から適用となり、有休義務化に対応しなければなりません。

 

日本の有給休暇取得率は欧米などの諸外国よりかなり低いことは、社会問題としてよく取り上げられます。グローバル化に伴い日本の働き方も世界水準に合わせていくことが求められ、低水準で推移している有給休暇取得率も向上させることが求められています。

有休義務化で会社はどう変わる?

有休義務化により会社・労働者がお互いに持っている有給休暇取得に対するネガティブなイメージをなくし、取得率向上につなげることが期待されています。会社としては社員のモチベーション向上や労働意識の改革ができ、離職者の減少や生産性の向上が望めます。企業価値が高まり対外的イメージも良くなることから、採用や資金調達などの面でも有利に働きます。

そもそも有給休暇とは?基本をおさらい

有給休暇とは何か?どんな性質・意味があるのか?

有給休暇は給料が支払われる休暇で、労働者に与えられている権利です。労働者は有給休暇を取得することで、心身の疲労を回復させたりリフレッシュしたりすることができます。これは、労働意欲を高めて生活の質を向上させることにつながり、社会全体にも役立つとされています。日本の有給休暇取得率は欧米などの諸外国と比べて低く問題となっています。

有給休暇を与えなくてはいけない労働者とは?そのうち義務化の対象となる範囲は?

有給休暇は雇い入れてから6ヶ月間8割以上出勤した労働者に付与することが労働基準法で規定されています。1年に10日の付与からスタートし、勤務年数に応じて最大で20日の有給休暇が与えられます。パートやアルバイトなどの短時間労働者でも一定の条件を満たしている場合には、労働日数に比例した日数で有給休暇を与える必要があります。1週間の労働日数が4日の場合は7日、労働日数3日の場合は5日、労働日数2日の場合は3日、労働日数1日の場合は1日からのスタートになります。

 

有休義務化の対象となるのは、年に10日以上の有給休暇が与えられている労働者です。短時間労働者でなければ、最初の有給休暇付与から有休義務化の対象になります。短時間労働者でも1週間の労働日数が4日の場合は3年6ヶ月、労働日数3日の場合は5年6ヶ月後から年に10日の有給休暇が与えられ、有休義務化の対象になります。

有休義務化で会社に求められる対応とは?

求められる対応その1 労働者一人ひとりの有休取得状況の把握

有休義務化に伴って会社に義務づけられたものの一つに、有給休暇取得管理簿の作成があります。有休義務化により、会社には取得状況を正確に把握することを求めたものです。会社は有給休暇取得管理簿に労働者の有給休暇取得状況を記入して、年に5日の有給休暇取得に役立てることが求められます。

 

有給休暇取得管理簿には定型のフォーマットはなく、自由な形式で作成してかまいません。労働者一人ひとりについて有給休暇の付与日数と取得日数、取得した日付を記入します。いつでも出力できることを条件に、給与システムや勤怠管理システム上で作成することも許されています。3年間の保管義務があります。

求められる対応その2 それぞれの労働者の5日以上の有給休暇消化

有休義務化により会社は労働者に、時季指定や計画的付与によって年に5日の有給休暇を取得させなければならなくなりました。できなかった場合は労働基準法違反となり、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金の罰則となる場合があります。

 

時季指定は会社が時季を指定して、労働者に有給休暇を取らせる方法です。有給休暇をすでに5日以上取得している労働者に対しては行う必要はなく、また有給休暇を自由に取得することを妨げることから時季指定の行使は禁止されています。時季指定を行うには、就業規則への記載が必要です。

 

計画的付与は労働者に対して有給休暇をあらかじめ割り振っておき、計画的に有給休暇を取得させる方法です。会社全体とするほか班やグループごと、あるいは個人単位で実施することができ、業務管理にも活用できます。計画的付与を行うためには就業規則への記載と、労使協定の締結が必要です。また有休義務化の対象とならない労働者の取り扱いとして有給の特別休暇とするか、休業手当の支払いをすることが必要になります。

有休義務化のメリット・デメリット

有休義務化のデメリット

労働者の有給休暇取得は、会社にとっては費用負担が発生するというデメリットになります。休んでいて働いていない労働者に対しても給料を支払わなければならないので、人件費の負担となるからです。

 

また中小企業は少ない労働者で回していることから、労働者が1人休むことでその日の仕事の進み具合が大きく変わってしまう側面があります。結果的に納期に間に合わなかったり、後日に残業で対応しなければならなくなったりする恐れがあります。業績悪化につながったり残業代の支払いが大きくなったりすることが考えられます。

 

有休義務化には達成できなかった場合に罰則が発生するというリスクもあります。年に5日の有給休暇取得ができなかった場合、6ヶ月以下の懲役か30万円以下の罰金の罰則が規定されています。

有休義務化のメリット

有給休暇の取得は労働者の心身の疲労回復やリフレッシュの効果があり、生活の質を高めるでしょう。労働意欲を向上させたり労働能力を高めたりすることにつながり、労働者一人ひとりのパフォーマンスを高めることができます。会社全体ではさらに大きなメリットとなり、生産性が大きく向上することが期待できます。

 

また、義務化を達成し、さらに取得が進めば、取得率が高い会社は労働者にとっては働きやすい会社となります。離職者を減らしたり、求人採用に有利になったりするといった効果も期待できるでしょう。そうなると、対外的にイメージも良くなり、さまざまな場面で有利に働くことが考えられます。加えて、企業価値向上に大きく貢献することが期待でき、金融機関へ融資を申し込んだり、各種助成金を申請したりする場合にも、有利な働きをすることが望めるのではないでしょうか。

まとめ

有休義務化によって会社にはさまざまな変化がもたらされます。有給休暇は会社にはデメリットな面もありますが、それ以上に多くのメリットもあります。会社が有休義務化に早めに対応することで、労働者もスムーズな取得が可能になります。迅速に取り組みを始めましょう。

矢萩あき
複数の企業で給与計算などの業務を担当したことから社会保険や所得税などの仕組みに興味を持ち、結婚後に社会保険労務士資格とファイナンシャルプランナー資格(AFP)を取得。現在はライターとして専門知識を活かした記事をはじめ、幅広い分野でさまざまな文章作成を行う。
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