【終活のすすめ】親を介護施設に入れてひと安心
でも相続対策を怠ると、思わぬ不幸に見舞われるかも

【終活のすすめ】親を介護施設に入れてひと安心  でも相続対策を怠ると、思わぬ不幸に見舞われるかも
公開日:
2021/01/25
 
  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア
  • LINEでシェア

たとえ同じ一人暮らしであっても、自宅にいるのと、介護施設に入居するのとでは、住環境は大きく違います。介護施設では、介護スタッフなどの目が届く安心感がある半面、自由な行動が制限されることで、体調を崩したり認知症になったりすることも、あり得ない話ではないのです。そうなると、相続にも大きな支障をきたすことになるかもしれません。家族がなすべきことは何か、事例を交えて考えてみます。

父親お気に入りの介護施設だった

東京都内に住む80代の一人暮らしの男性が、「終の棲家」は海の見えるところがいい、と自ら決めて、千葉の房総にある介護施設に入居しました。本人は元気に自立しており、それぞれ家庭を築いている長男、長女、次男との関係も良好。月に1度は実家に集まっていっしょに食事をするほどで、子ども同士の仲も悪くはありませんでした。

 

とはいえ、高齢の親の一人暮らしは不安もあります。父親が自ら選んだ介護施設に移ったことで、子どもたちがほっとしたのは事実。ただ、その介護施設に行くには、どの家からも電車で往復2~3時間はかかるのがネックでした。そのため、みんなが集まって会いに行くのは困難になり、それぞれが数ヵ月~半年に1度顔を見に行くのがせいぜい、という状態になりました。

 

そのことも原因になったのかどうか確かなところはわかりませんが、入居して2年後くらいから、父親の様子に変化が見られるようになりました。孫たちの名前を忘れる、昔のことは覚えていても、さっき言ったことを思い出せない……。受診してみると、認知症の初期から中期という診断。急ぎ介護保険の申請、という話になったのです。

 

後でわかったのですが、父親は、入居したての頃こそ近くによく散歩に出かけていたものの、都内のようにたくさんの店があるわけでもなく、次第に部屋で1人で過ごすことが多くなっていました。介護施設内でも、女性陣はよく集まっては世間話などに花を咲かせていたものの、男性はそもそも人数が少なく、社交的な人もあまりいなかったため、特にすることもなく1日を過ごしていたのでした。そうした環境が認知症を進行させた可能性は、否定できないでしょう。

相続をめぐり、兄弟間に亀裂が

病気の進行による生活の不自由さや、介護のコストの問題もさることながら、父親は、そのうちに、自宅(6,000万円)や10室の賃貸アパート(9,000万円)、現預金(2,500万円)、有価証券(3,000万円)といった自らの財産の中身も、把握できなくなってしまいました。そうなってみると、困るのは相続です。その時点で、父親は、遺言書などを残してはいませんでした。

 

突然、相続を意識せざるを得なくなった子どもたちの間で、「取り合い」になったのは、言うまでもなく賃貸不動産です。将来誰がもらうのかで、父親の存命中から諍いが始まり、徐々にエスカレート。いっしょに食事をするどころか、お互い同士を非難し合う間柄になってしまいました。

 

特に、末っ子として子どもの頃から何かと我慢を強いられてきた次男の態度は強硬で、兄姉に譲歩する気配はありません。まだ相続も始まっていないのに、弁護士と相談さえ始めました。この段階で弁護士を立てるというのは、他の相続人に対して宣戦布告をしたのも同じこと。ドロ沼の「争続」になる公算大、と言わざるを得ません。

元気なうちに相続対策を

高齢の親を持つ子どもが、まず心配するのは、「介護をどうするか」ということでしょう。ただ、相続についても、同時並行で考えておかないと、紹介した事例のような不幸な事態を招きかねないのです。

 

このケースでは、もともと兄弟同士が不仲だったわけではないのですから、父親が介護施設に入る前の段階か入ってすぐに、家族で相続について話し合い、その中身を共有しておけば、ドロ沼は回避できたかもしれません。親が、遺言書で自分の意思をきちんと残すことも、争いの防止には有効です。

 

ところで、この事例では、介護施設が子どもたちのところから遠方にあり、気軽に会いに行けないところも問題でした。そもそも、今はコロナ禍により、面会を制限されている状況です。そうしたことを踏まえたうえで、家族の絆をどう保つかに気を配ってくれるような介護施設を選ぶのも、大事なことになるでしょう。

「オンライン面会」を推奨する介護施設もある ~ゆうらいふ横浜~

直接会えない人と「面と向かって」コミュニケーションが取れるのが、リモート(オンライン)による会話です。介護付き有料老人ホーム「ゆうらいふ横浜」(横浜市)では、施設側がiPadやPCを用意し、面談の設定までフォロー。これといった準備も不要で、家族と手軽にオンライン面会をすることができます。

 

 

三井住友海上保険が100%出資する三井住友海上ケアネットが展開する介護施設で、運営はシニア住宅・介護住宅で実績のある東急イーライフに委託されています。横浜市営地下鉄仲町台駅を中心としたバリアフリー住居エリア「プロムナード仲町台」の一画に立地し、周辺には水と緑あふれる公園があるほか、カフェやショップが多く立ち並ぶ環境にあります。

■岸広介支配人に、お話をうかがいました。

入居者は60代後半から、100歳を超える方までいらっしゃって、平均すると90歳ぐらいになります。当施設には、単身者用の重度介護居室と軽度介護居室、それにご夫婦用の軽度介護居室が用意されています。ご夫婦の場合は、単身用の部屋に隣同士でご入居されるようなケースもありますね。

 

 

介護、医療サービスの充実が、当施設に入居いただく大きなメリットだと思っています。
専任のスタッフをフロアごとに配置し、夜間も各フロア2名ずつで見守ります。常勤のPT(理学療法士)がいて、機能訓練の個別プログラム、集団プログラムを実施しているのも、当施設の特徴と言えるでしょう。

 

24時間看護師が常駐しますし、提携するクリニックの医師に、ほぼ毎日施設に訪問してもらい、きめ細かな対応をしていただいているんですよ。これも、ちょっと他の介護施設にはない手厚さです。クリニックは施設に隣接していて、年に2回の健診も担当します。

 

多彩なレクリエーションをご用意させていただいていますが、施設で特に力を入れているのが、自立支援です。「万歩計リハ」といって、例えば万歩計で測った歩行距離を、箱根駅伝のコースなどに換算して、楽しみながらウォーキングしていただきます。すでに駅伝コースを2往復、3往復した方もいるんですよ。また、「ゆうらいふ学園」という教科書を使った対面式の授業で、脳の活性化を促す取り組みも行っています。

 

まとめ

自宅から介護施設に移って生活環境が変わったことが原因で、認知症に。そんなことにならないためには、「家族の絆」も大切に考えてくれる介護施設を選ぶのも大事です。

  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア
  • LINEでシェア
全国の税理士をご紹介しています
税理士紹介ビスカス