その副業、確定申告が必要では?
「雑所得」のオハナシ

その副業、確定申告が必要では?  「雑所得」のオハナシ
公開日:
2019/06/24
最終更新日:
2019/06/28
 
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かつては“ご法度”だったサラリーマンの副業が、解禁される流れにあります。余った時間を生かして稼げるのは、ありがたいこと。趣味と実益を兼ねることができたら、新たな生きがいにも通じるでしょう。ただし、注意する必要があるのは、税金です。本業の所得税は会社が代わって支払ってくれますが、こちらはそうはいきません。申告はどうしたらいいのか? 「無視」するとどうなるの? 「副業の税金」について解説します。

副業は、基本的に「雑所得」となる

サラリーマンの税金=所得税は、原則として雇用契約を結んでいる勤務先が毎月源泉徴収(天引き)し、取り過ぎがあった場合には、年末調整で戻ってきます。要するに税額の計算から税務署への支払いまでを、会社が代行してくれるわけです。

 

これに対して、個人事業主は、自ら1年間の所得税を計算し、納税しなくてはなりません。納税のために行うのが、「確定申告」なのですが、サラリーマンが副業で所得を得た場合にも、この確定申告が必要になる場合があるのです。あえて「場合がある」と述べた理由は、後で説明します。ちなみに、給与所得が2000万円を超えたり、2ヵ所以上の会社から給与を受け取ったりしているサラリーマンは、やはり確定申告が必要です。

 

税法上、サラリーマンの本業の稼ぎが「給与所得」なのに対して、副業の分は基本的に「雑所得」に分類されます。例えば、講師が本業ではない人の講演料、執筆業でない人の原稿料、ネットオークションの利益、主婦の小遣い稼ぎ、FXや仮想通貨で稼いだお金、さらには公的年金、個人年金など、「給与所得」「事業所得」といった他の所得に該当しないものは、すべて「雑所得」とされるのです。副業をしている場合には、この雑所得を給与所得に合算した金額に、所得税がかかる仕組みになっています。

20万円以下なら、申告は不要

ただし、本業以外の所得が年間20万円以下の場合には、申告の必要はありません。副収入があったらすべてに課税、というわけではないのです。また、あくまでも「雑所得」であって、「雑収入」ではない点も覚えておきましょう。例えば、ネットオークションに出品した商品が10万円で売れたら、収入は10万円です。でも、その仕入れに5万円かかっていたとしたら、実際の儲けは5万円。この5万円が所得としてカウントされるのです。

 

今の「仕入れ」のように、収入から差し引けるものを「必要経費」(所得を得るために必要な経費)と言います。仕事専用のパソコンを購入したら、それは経費で落とせます。自宅で副業をしていたら、家賃や光熱費の一定割合は、やはり経費になるのです。ですから、副業の収入が20万円を超えていても、経費を差し引いた所得がそれ以下に収まるのなら、確定申告の必要はない、ということになります。

「事業所得」「一時所得」とは?

付け加えておくと、今の雑所得と似たものに、「事業所得」「一時所得」があります。前者は、青色申告(※1)により特別控除が受けられるなどのメリットがありますが、仕事が独立・継続・反復して実行されなければならないなど、認められるためのハードルは高いのが現実です。

 

後者は、例えば懸賞金、競馬の当選金、保険などの一時金・満期返戻金、謝礼といった「臨時収入」のこと。こちらは、雑所得や事業所得に比べて、認められる経費の範囲が狭くなります。例えば、競馬の当選金(収入)からは、当たり馬券の購入代金は差し引くことができますが、その他の外れ馬券については認められません。競馬で稼ぐのは「副業」とはいえない、という判断です。

 

※1青色申告
複式簿記の手法に基づいて帳簿を記載し、その記帳を基に所得税、法人税を計算して申告すること。特別控除などの特典がある。

確定申告にはメリットもある。しないとリスクがある

では、副業の確定申告は、どのようにすればいいのでしょうか? 結論を言えば、比較的簡単です。個人事業主が行う青色申告などには、帳簿付けや、それを基にした損益計算書などの作成、提出が求められます。しかし、雑所得の申告には、それらは必要ありません。確定申告書に収入金額と経費の合計額を書き込めば、OKなのです。

 

その申告を忘れたり、意図的に怠っていたりするとどうなるのか? サラリーマンの副業が増加していることもあって、税務当局がその「税逃れ」対策を強化していることは、想像に難くありません。例えば、税務署には、個人の銀行口座を自由に閲覧できる権限があるといった知識は、持っておくべきでしょう。

 

申告をしていないことが税務署の知るところとなった場合、「お尋ね」の文書が送付されてくる可能性があります。いきなり税務調査(※2)の連絡が来るかもしれません。その結果、「不正」が認められれば、相応のペナルティを覚悟する必要があります。未払い分の納税を求められるだけでなく、延滞税などの追徴課税(※3)が課せられる公算大。「生活の足しにしているだけなのだから」「副業まではバレないだろう」と思い込むのは甘いと考えてください。

 

実は、所得を確定申告することで、メリットが生まれる場合もあります。副業でも、所得税が源泉徴収されていることがあります。そのケースでは、申告を行うことで、サラリーマンの年末調整同様、取られ過ぎの税が還付されるかもしれません。

 

また、株式投資やFXなどで損失が生じた場合には、申告すれば、それが3年間繰り越せます。例えば、翌年度にFXで儲けたら、前年のFXの損失分と相殺して利益を減らすことができる、すなわち支払う税を減免することができるのです。

 

※2税務調査
国税局や税務署が、納税者の税務申告が正しいかどうかをチェックするために行う調査。任意調査と、国税局査察部が行う強制調査がある。
※3追徴課税
申告漏れや脱税の目的で、本来支払うべき税金よりも納税した金額が少なかった場合に、追加で税金を支払うこと。加算税(過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税、重加算税)と延滞税がある。

まとめ

副業の所得が年間20万円を超えたら、確定申告しましょう。わからないことがあったら、税務署の窓口や専門の税理士に相談を。

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