消費税の税率アップで導入される「軽減税率」を
あらためておさらいします
消費税の税率アップで導入される「軽減税率」を  あらためておさらいします
最終更新日:
2019/7/22
 
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いよいよ今年10月1日より、消費税の税率が今の8%から10%に引き上げられます。ただし、一部の商品、具体的には酒類や外食を除く飲食料品などに関しては、現行の8%のまま据え置かれることになっています。これが「軽減税率制度」。食料品にかかる税金が上がらないのは助かりますが、実は「増税になるか・ならないか」の線引きには、ちょっと“グレー”な部分も残されているようです。その点も含め、初めて導入される軽減税率について、わかりやすく解説します。

初めて複数税率になる消費税

消費税率が5%から今の8%に引き上げられたのは、2014年の4月でした。翌年の15年10月には、続けて10%への引き上げが予定されていたのですが、景気の悪化などを理由に、政府は17年4月までの延期を決定。さらに再延期されて、今回が「3度目の正直」ということになります。

 

税率引き上げが2度も延期された背景には、与党の選挙対策があったとも指摘されますが、要するに消費増税というのは、それだけ国民生活への影響が大きいということ。軽減税率制度は、その影響を和らげる目的で、欧米各国の制度を参考に創設、導入されるものです。ちなみに、当初予定の15年の引き上げの際には軽減税率は想定されておらず、盛り込まれたのは、延期された17年引き上げからでした。

 

「軽減税率」というのは、読んで字のごとく「税率を軽くすること」ですが、実際には8%の「税率据え置き」というのが正確でしょう。いずれにせよ、1989年4月に3%からスタートした日本の消費税は、初めて10%と8%の複数税率になるわけです。

「おもちゃ付きの食品」は? 「イートイン」への対応は?

では、何が据え置かれるのでしょうか? 対象品目は、①「食品表示法に規定する食品(酒税法に規定する酒類、外食やケータリング等を除く。)」、②「週2回以上発行の定期購読契約に基づく新聞」――とされました。これだけを読むと、「食べ物と新聞か」と納得できそうにも感じられますが、実際にはそう簡単にはいかないようです。問題になるのは①の飲食品類。まずは、図をご覧ください(国税庁ホームページより)。

 

 

「食品表示法に規定する食品」というのは、米や野菜や肉や魚、さらに菓子類など私たちが日常的に口にする食べ物。国民生活、特に低所得者層への負担軽減が主目的の制度ですから、これは当然でしょう。引っかかるのは、図で白ヌキになっているところです。順にみていきましょう。

・一体資産

例えば、おもちゃなどのおまけの付いた菓子がこれに当たります。理屈通りなら「お菓子は8%、おもちゃは10%」になりますが、それでは計算があまりにも煩雑になってしまいます。そこで、「税抜き商品価格が1万円以下で、食品の価格が全体の2/3以上を占める場合は8%の軽減税率を適用、それ以外は10%」というルールを定めました。

・酒類

なんの問題もなく10%に税率引き上げに思えますが、「酒税法に規定する酒類を除く」という文言には、ちょっと注意が必要です。同法でいう酒類とは、「アルコール分1%以上の飲料」。これに該当すれば、調理に使うみりんや料理酒でも軽減税率の適用外なのです。逆にノンアルコールビールやアルコール度数1%未満の甘酒は、8%の税率が据え置かれることになります。

・ケータリング等

ケータリングは、「顧客の指定する場所に出向いて、料理を提供するサービス」のこと。軽減税率の対象となる料理のデリバリー(宅配)と異なり、こちらは税率10%への引き上げとなります。ただし、学校給食や有料老人ホームなどでの飲食の提供については、軽減税率が適用されることになっています。

・医薬品・医薬部外品等

これらは、そもそも食品に当たらないため、軽減税率の対象とはなりません。ただし、健康食品やトクホ(特定保健用食品)は医薬品ではなく食品に分類されるため、税率8%が据え置かれます。

・外食

ある意味、最も不安視されているのがこの外食で、メディアでも多く取り上げられました。普通にレストランなどで飲食する場合には、軽減税率の対象外。これは誰にもわかります。問題は、コンビニやハンバーガー、アイスクリームなどのテイクアウト店に、座って食べることもできるいわゆる「イートインコーナー」が設けられている場合です。

 

これについても、「持ち帰るなら軽減税率の8%、中で食べたら10%」という「決まり」は明確でしょう。ただし、現場で客を選別できるのか、わかりやすく言えば、「持ち帰って食べます」と言って税率8%で商品を買った人が、ちゃっかりイートインコーナーを利用するケースに対応できるのか、という現実問題は話が別。軽減税率の導入によって、「同じものを買ったのに、どこで食べるかで税率が変わってくる」という矛盾に初めて直面するわけで、多少の混乱は避けられないかもしれません。

 

10月1日以降、店側がどのように対応するのかは、消費者としても気になるところ。大手コンビニチェーンでは、店内飲食の場合には客が自己申告するよう求めるポスターを掲示したうえで、申告がなければ持ち帰りと判断して消費税率8%で販売する方針を固めた、という報道もありました。

まとめ

初めて経験する消費税の軽減税率で、現場では多少の戸惑いや混乱も予想されます。とはいえ、制度それ自体は増税による国民負担を軽くするためのもの。きちんと理解して、生活防衛に役立てる視点も必要なのではないでしょうか。

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