売上台帳はどう作る?確定申告で必要な 売上台帳の作成方法を徹底解説 – マネーイズム
 

売上台帳はどう作る?確定申告で必要な
売上台帳の作成方法を徹底解説

    公開日:
    2021/03/02
     
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    確定申告や所得税の計算のもとになるのが、売上台帳です。個人事業主は、一定の事項を記載した売上台帳を作成し、保存する必要があります。また、持続化給付金などの給付金を受ける際にも売上台帳の提出が求められるなど、その重要性が再確認されています。
    ここでは、確定申告で必要な売上台帳の作成方法を徹底解説します。

    そもそも確定申告で作成が必要な書類とは

    売上台帳の作成方法を見ていく前に、まずは、そもそも確定申告で作成が必要な書類について見ていきましょう。確定申告では、白色申告と青色申告でそれぞれ作成しなければならない帳簿や書類が決まっています。また、作成した帳簿書類の保存期間も異なります。

     

    白色申告と青色申告で必要な帳簿書類は次のとおりです。

     

    ・白色申告

    作成や保存が必要なもの 保存期間
    帳簿 収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿) 7年
    業務に関して作成した上記以外の帳簿(任意帳簿) 5年
    書類 決算に関して作成した棚卸表その他の書類 5年
    業務に関して作成し、又は受領した請求書、納品書、送り状、領収書などの書類 5年

     

    ・青色申告

    保存が必要なもの 保存期間
    帳簿 仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳など 7年
    書類 決算関係書類 損益計算書、貸借対照表、棚卸表など 7年
    現金預金取引等関係書類 領収証、小切手控、預金通帳、借用証など 7年
    前々年分所得が300万円以下の場合は、5年
    その他の書類 取引に関して作成し、又は受領した上記以外の書類(請求書、見積書、契約書、納品書、送り状など) 5年

     

    白色申告の「収入金額を記載した帳簿」とは、売上台帳(売上帳)のことです。

     

    また、青色申告の総勘定元帳の中には、売上帳が含まれます。そのため、白色申告、青色申告のいずれでも売上台帳の作成・保存は必要です。

    白色申告の場合の売上台帳の作成方法

    では、白色申告の場合の売上台帳の作成方法を見ていきましょう。白色申告の場合の売上台帳には、「一般的な売上台帳」と「簡易な方法による売上台帳」の2つがあります。それぞれについて、見ていきます。

    一般的な売上台帳の作成方法

    白色申告の売上台帳の作成には、次のようなルールがあります。

     

    • 所得の金額が正確に計算できるよう「整然と、かつ、明瞭に記録」する
    • 「取引の年月日」「相手方の名称」「金額」の3つの事項は必ず記載する
    • 「売上」と「雑収入等」は分けて記載する

     

    売上台帳のフォーマットは決まってはいません。上記のルールを守っていればどのような形でも問題ありません。代表的な売上台帳(売上帳)の様式は、次のようになります。

     

    例)2月10日に、3件の掛売上があった。納品書の№はそれぞれ№10、11、12である

    〇〇年
    月     日
    摘 要 売上金額
    2 10 掛売上
    A商店 日用品
    30,000
    掛売上
    B株式会社 消耗品
    50,000
    掛売上
    C商事 飲料品
    20,000
    2月10日 計 100,000

     

    簡易な方法による売上台帳の作成方法

    一般的な売上台帳では、相手方の名称を記載する必要がありますが、小売業など不特定多数に販売しているお店などでは、購入者の名前を把握できません。そこで、次のような簡易な方法(日々の合計金額のみを一括で記載する方法)による売上台帳の作成も認められています。

     

    • 小売業などの現金売上については、日々の合計金額のみを一括で記載することができる。
    • 保存している納品書控・請求書控等により内容を確認できる場合は、日々の合計金額のみを一括記載することができる。
    • 掛売上の取引で保存している納品書控・請求書控等によりその内容を確認できる場合は、日々の記載を省略し、現実に代金を受け取った時に現金売上として記載することができる(ただし、年末に売掛金の残高を記載する。)。
    • 棚卸資産の家事消費等がある場合、決算時に消費等をしたものの種類別に合計金額を見積もり、合計金額のみを一括記載することができる。
    • 小売業以外の業種の場合も、少額の現金売上については、日々の合計金額のみを一括記載することができる。

     

    代表的な簡易な方法による売上台帳(売上帳)の様式は、上記の例をもとにすると次のようになります。

     

    〇〇年
    月     日
    摘 要 売上金額
    2 10 掛売上
    納品書 ♯10、11、12
    100,000

    青色申告の場合の売上台帳の作成方法

    次に、青色申告の場合の売上台帳の作成方法を見ていきましょう。青色申告の場合は、青色申告特別控除の金額により、売上台帳の作成方法が異なります。

    55万円又は65万円の青色申告特別控除を受けるための売上台帳の作成方法

    青色申告では、正規の簿記の原則により帳簿付けをしている場合、青色申告特別控除として、最高55万円(e-Taxによる申告や電子帳簿保存をしている場合は65万円)控除することができます。青色申告でも、売上台帳のフォーマットは決まってはいません。

     

    ただし、一般的に、55万円または65万円の青色申告特別控除を受けるためには、複式簿記を使って帳簿付けをする必要があるため、次のような様式が一般的です。

     

    売上帳
    〇〇年
    月 日
    相手勘定科目 摘 要 借方金額 貸方金額 残高
    3 10 売掛金 掛売上

    A株式会社

    100,000 100,000
    15 現金 現金売上

    B株式会社

    50,000 150,000

     

    10万円の青色申告特別控除を受けるための売上台帳の作成方法

    10万円の青色申告特別控除では、正規の簿記の法則によらない単式簿記を使った、簡単な方法による帳簿付けが認められています。

     

    10万円の青色申告特別控除を受けるために作成・保存しておかないといけない帳簿は、次の5つです。

     

    • 現金出納帳
    • 売掛帳
    • 買掛帳
    • 経費帳
    • 固定資産台帳

     

    10万円の青色申告特別控除では、総勘定元帳や売上台帳(売上帳)の作成は必要ありません。売上については、売掛帳のみの作成になります。売掛帳とは、掛売りや売掛金の回収の状況を記載した帳簿です。取引先ごとに記帳し、取引状況を記載します。売掛帳のフォーマットは決まってはいませんが、一般的な様式は、次のようになります。

     

    A商店
    〇〇年
    月   日
    摘 要 売上金額 受入金額 残高
    前年より繰越 500,000
    1 10 日用品 100,000 600,000
    15 現金入金 50,000 550,000

    消費税の課税事業者である場合の売上台帳の作成方法

    ここまでは、売上台帳の作成方法について見てきましたが、消費税の課税事業者である場合で一定のケースでは、売上台帳の作成方法が少し異なります。それは、食料品などの軽減税率対象の品目を取り扱っている場合です。

     

    軽減税率対象の品目は、売上台帳(売上帳)に軽減税率の対象である旨を記載する必要があります。一般的には、摘要欄に「※」を記載し、帳簿の欄外等に「※は軽減税率対象品目」と記載します。

     

    消費税の課税事業者で、軽減税率対象の品目を取り扱っている場合の一般的な様式は、次のようになります。

     

    売上帳
    〇〇年
    月 日
    相手勘定科目 摘 要 借方金額 貸方金額 残高
    3 10 売掛金 掛売上 食料品※
    A株式会社
    100,000 100,000
    15 現金 現金売上 日用品
    B株式会社
    50,000 150,000
    ※は軽減税率対象品目

    まとめ

    売上台帳(売上帳)は白色申告と青色申告、一般的な帳簿と簡易帳簿の違い、消費税の課税事業者で軽減税率対象の品目を取り扱いがあるかどうかなどで、記載内容や様式が異なります。そのため、自分がどの様式の売上台帳(売上帳)を作成しなければならないかを把握しておく必要があります。

     

    今回、ご紹介した様式は、あくまで参考です。お使いの会計ソフトでは様式が異なる場合がありますが、問題ありません。

     

    売上台帳(売上帳)は、原則、確定申告で作成・保存が必要な書類です。必ず作成し、保存するようにしましょう。

    長谷川よう
    会計事務所に約14年、会計ソフトメーカーに約4年勤務。個人事業主から法人まで多くのお客さまに接することで得た知見をもとに、記事を読んでくださる方が抱えておられるお困りごとや知っておくべき知識について、なるべく平易な表現でお伝えします。
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