融資を受ける前に知っておきたい!
法人融資の金利を徹底解説
融資を受ける前に知っておきたい!  法人融資の金利を徹底解説
最終更新日:
2019/9/5
 
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融資を受ける際に、どこから融資を受けるべきか迷うことはありませんか? 法人融資は金利によって負担が大きく変わるため、自社に合った融資を受けることが重要です。ここでは、金利の決まり方や相場、適合する企業の特徴まで徹底的に解説します。

法人融資の金利の決まり方

金利の種類

法人融資の金利には、大きく分けて2種類があります。ひとつは初めから金利が決まっている「制度融資」、もうひとつは企業の格付けによって金利が決まる「プロパー融資」「一般保証の法人融資」です。それぞれ金利の決まり方が異なるため、その特徴を見ていきましょう。

制度融資

制度融資とは、各地方自治体が信用保証協会、金融機関と連携して作っている制度に基づいた融資のことです。企業の業績にかかわらず、制度の内容によって金利や融資限度額が決まっています。

プロパー融資および一般保証の法人融資

保証をつけないプロパー融資や、信用保証協会の保証をつける一般保証の法人融資は、格付けによって金利が決まります。格付けとは、銀行が行う企業審査によって決まる企業の評価のことです。格付けが高いほど、金利が低くなります。

企業審査とは?

企業の格付けは、企業審査によって決まります。上述の通り企業審査とは、法人融資を行う企業に対して銀行が行う審査のことですが、この審査では、企業の決算書等を参考にして企業の返済能力や将来性を判断し、それに基づいて企業の格付けを行います。企業審査は「定量評価」と「定性評価」から成り立ち、これら2つの評価をもとに企業が審査され、格付けされます。

定量評価

定量評価とは、企業の決算書を点数化することで、その企業の評価を行うものです。多くの場合、以下の4つの側面について総合的に判断して点数化します。

  • 安全性

    安全性は、流動比率(流動資産÷流動負債)、自己資本比率(自己資本÷総資本)、負債比率(負債÷自己資本をもとに判断されます。
    流動比率は支払い能力を測る指標で、高ければ高いほど評価が高くなります。自己資本比率は、その数値が高いと借入金の少ない体力がある企業であることを表し、数値が高ければ高いほど評価が高くなります。負債比率とは、自己資本と比してどれほどの借入を行っているかを表したもので、数値が小さいほど健全な財務状態であると言えます。

  • 債務返済能力

    債務返済能力は、キャッシュフロー(営業利益+減価償却費+引当金積立額)、債務償還年数(借入金残高÷キャッシュフロー)、インタレストカバレッジレシオ(営業利益÷支払利息をもとに判断されます。
    キャッシュフローとは、期初から期末までで現金がどのくらい増加したかを表す指標であり、プラスであるほど評価が高くなります。上記の計算式は簡易的なもので、より厳密に求めることもできます。債務償還年数は、現在ある利益を用いた場合に何年で借入総額を返済できるかを指標化したもので、短ければ短いほど評価が高くなります。インタレストカバレッジレシオとは、利益が支払利息をどれほど上回っているかを示す指標で、数値が高いほど評価が高くなります。

  • 収益性

    収益性は、売上高経常利益率(経常利益÷売上高)、総資本経常利益率(経常利益÷総資本)、当期利益額をもとに判断されます。
    売上高経常利益率とは、総売上に対する経常利益の割合を数値化したもので、企業経営の効率性を測ることができます。一般的には1~3%くらいが標準で、5%を超えると優良とされます。総資本経常利益率とは、調達した資本に対する生み出した利益の大きさを表しており、高ければ高いほど効率よく資本を運用していることになるため、評価が高くなります。

  • 成長性

    成長性は、経常利益増加率((当期経常利益-前期経常利益)÷前期経常利益)、売上高をもとに判断されます。
    経常利益増加率とは、前期より当期の利益がどのくらい増加しているのかを表す指標で、数値が高ければ高いほど評価されます。

定性評価

定性評価とは、非財務情報に基づいて評価をするものです。例えば、経営者や経営陣の性格、資質や業界経験、株主の構成、経営計画策定能力、財務管理能力、業界の特徴や市場の将来性・成長性など、決算書では評価しづらい部分を評価します。

債務者区分と格付け

以上の定量評価と定性評価による企業審査をもとに、各企業はまず債務者区分ごとに分類されます。区分は、正常先、要注意先、要管理先、破綻懸念先、実質破綻先、破綻先の6つです。格付けはこの債務者区分の中で、さらに細かく分けられていきます。格付けが上の方になればなるほど、低金利で条件の良い融資を受けることができます。正常先より下位の区分にされた場合、銀行から融資を受けるのが難しくなります。プロパー融資の場合は、要注意先以下はほとんど融資不可能です。一般保証の法人融資の場合、信用保証協会が認めた限りにおいて要注意先以下の融資が可能になります。

金利の相場

銀行から融資を受ける場合、融資金利は0.9~3.5%が相場と言われています。また、一般的に、銀行の規模が大きいほど金利が低くなります。そのため、都市銀行が一番低金利であり、地方銀行、信用金庫の順に金利が高くなるという傾向があります。

金利の種類としては、固定金利変動金利の2種類があります。固定金利とは、借入期間内に金利の変動がないもの、変動金利とは、借入期間に金利の変動があるものです。固定金利は変動金利よりも0.2~2ポイントほど高く設定されており、プロパー融資には変動金利、制度融資には固定金利が適用されています。

自社に合った融資を選ぼう

銀行による格付けの高い企業であれば、プロパー融資を選ぶことで、1%台や1%を切るような低金利での融資が可能になります。一方、格付けが低い場合は、プロパー融資ですと金利が高くなってしまいます。そのため、政府や自治体支援による保証付き融資や制度融資を利用するほうが金利は低くなります。保証付き融資を検討する場合、自治体による支援政策は都道府県や市町村ごとに個別に行われていますので、各自治体のウェブサイトを参考にするとよいでしょう。制度融資の場合、金利は1%台が一般的であり、金利は企業の業況によらず一定です。条件に合えば有利な融資を受けることができるため、制度融資を検討する場合は地方自治体、金融機関、日本政策金融金庫に相談してみるとよいでしょう。

☆ヒント
企業の状況により、どの融資を受ければ有利な融資を受けられるのかが変わってきます。様々な融資の可能性がある中で、自社がどの融資を受ければよいのかを考えるのはなかなか難しいものです。そのようなときは、法人融資に強い税理士に相談してみてはいかがでしょうか。

まとめ

法人融資には様々な種類があり、企業の業況によってどの融資を受けるのが一番良いのかが変わってきます。自社にとって最も有利な融資を受けるためには、金利の決まり方や相場を参考に最適解を見極めることが重要です。

山田隆裕
慶應大学卒。現、同大学院所属。
大学4年時に公認会計士試験に突破。
自分の知識の定着も兼ねて、会計・財務などに関する知識を解説していきます。
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