法人は様々な税金を支払う必要がある
その種類と納付期限
法人は様々な税金を支払う必要がある  その種類と納付期限
最終更新日:
2019/10/9
 
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法人で事業をしていると、確定申告を行って支払う法人税だけでなく、1年間に様々な税金を支払う必要があります。支払うべき税金の種類や納付期限を把握していないと、税金の支払い忘れになることもあります。そこで、ここでは税金の支払い忘れがないように、法人が支払うべき税金の種類や納付期限を解説します。

法人に係る税金には2つの課税方式がある

法人に係る税金には、実は賦課課税方式申告課税方式があります。この2つの課税方式を理解することで、税金の支払い忘れを防止することが可能です。ここでは、賦課課税方式と申告課税方式について詳しく見ていきましょう。

賦課課税方式とはどんな制度?

まずは、賦課課税方式から見ていきましょう。賦課課税方式とは、納付すべき税額を国や地方自治体などが確定する方式のことです。日本では戦前から用いられていた課税方式で、今でもいくつかの税金がこの方式を採用しています。

 

納税者は、自分で納める税額を計算する必要はありません。納付する金額が記載された、納税通知書や納付書が送られてくるので、その金額を納付します。賦課課税方式の代表的なものには、固定資産税や自動車税などがあります。

申告課税方式とはどんな制度?

賦課課税方式と対になる課税方式が、申告課税方式です。申告課税方式とは、納税者が自ら納付する税金を計算し、国や地方自治体などに税額の申告と納税を行う方式のことです。日本では、戦後に広く普及していった課税方式です。

 

国税では、原則、申告課税方式が採用されており、地方税でも一部この方式を採用しています。申告課税方式の代表的なものには、法人税や消費税などがあります。

法人が納めなければならない税金の種類と納付期限

税金の課税方式には、賦課課税方式申告課税方式の2つがあります。では、それぞれどのような税金があるのでしょうか。法人が納めなければならない税金の種類と納付期限を見ていきましょう。

 

税の種類 納付先 課税方式 納付期限
法人税 申告課税方式 原則、決算月から2ヵ月以内(上場企業は3ヵ月以内)
法人住民税 市町村・都道府県 申告課税方式 同上
法人事業税 都道府県 申告課税方式 同上
消費税・地方消費税 国・都道府県 申告課税方式 同上
事業所税 都道府県 申告課税方式 同上
固定資産税・都市計画税 市町村 賦課課税方式 通常、年4回(納付期限は自治体ごとに異なる)
償却資産税 市町村 償却資産の移動状況を毎年1月31日までに申告し、自治体が税額を計算する 同上
自動車税・軽自動車税 都道府県(自動車税)・市町村(軽自動車税) 賦課課税方式 おおよそ自動車税は5月末、軽自動車税は4月末(自治体ごとに異なる)
源泉所得税・特別徴収住民税 国・市町村・都道府県 従業員の給与より天引き 原則、前月分を当月に支払う。納期特例の制度の承認を受けている場合は、年に2回の納付
①法人税

1年間(事業年度)に発生した法人のもうけ(所得)に課される税金が、法人税です。法人税は国に納付する国税になります。法人税は、納税者が自ら納付する税金を計算し、申告・納税を行う申告課税方式を採用しています。申告・納付の期限は通常、決算月から2ヵ月以内(上場企業は3ヵ月以内)です。例えば、3月決算の場合は5月末が申告と納税の期限となります。

②法人住民税

法人が地方自治体に支払う税金の代表的なものが、法人住民税です。法人住民税とは、法人市町村民税と法人道府県民税の2つのことです。法人住民税は、法人が地方自治体のサービスを受けていることに対する税金の意味合いが強く、赤字でも支払う必要のある均等割と、法人税の金額に応じて支払う法人税割があります。

 

法人住民税も法人税と同じく、申告課税方式を採用しています。また、申告・納付の期限は通常、決算月から2ヵ月以内です。

③法人事業税

法人が行う一定の事業について課される税金が、法人事業税です。申告課税方式を採用している税金で、都道府県税事務所に申告書の提出と納税を行います。申告・納付の期限は通常、決算月から2ヵ月以内です。

④消費税・地方消費税

消費税や地方消費税は、商品やサービスを消費することに対して課される税金です。

消費税率8%や10%と表示されますが、実は、消費税と地方消費税の合計が8%や10%です。国に対して支払う消費税を「消費税」、地方自治体に支払う消費税を「地方消費税」といいます。

 

消費税と地方消費税は申告課税方式を採用していますが、申告と納税は国に一括して行います。その後、国から地方に地方消費税分を配分します。申告・納付の期限は通常、決算月から2ヵ月以内です。

⑤事業所税

事業所税は、都市環境の整備及び改善に関する事業の財源にあてるため、一定規模以上の事業を行っている事業主に対して課税される税金です。事業所の床面積に課される資産割と、従業員の給与総額に課される従業員割があります。

 

事業所税は、地方自治体に支払います。また、申告課税方式を採用しているため、県税事務所などに申告と納税を行います。申告・納付の期限は通常、決算月から2ヵ月以内です。

⑥固定資産税・都市計画税

固定資産税・都市計画税は、所有する土地や建物等に課される税金です。賦課課税方式を採用しているため、毎年、市役所などの地方自治体から、納税通知書や納付書が送られてきます。納付期限は、各自治体によって異なりますが、通常年4回分割で支払います。

⑦償却資産税

償却資産税は、土地や建物以外の機械や備品等に課される税金です。固定資産税と同じように地方自治体に支払いますが、償却資産税は少し特殊です。税額の計算は各自治体が行いますが、償却資産の異動の状況は毎年1月31日までに、法人が申告する必要があります。

 

毎年、市役所などの地方自治体から、納税通知書や納付書が送られてきます。納付期限は、各自治体によって異なりますが、通常年4回分割で支払います。

⑧自動車税・軽自動車税

自動車や軽自動車を所有している場合は、自動車税軽自動車税を支払う必要があります。自動車税は都道府県が、軽自動車税は市町村が徴収します。

 

自動車税・軽自動車税ともに、賦課課税方式を採用しているため、毎年、それぞれ各自治体から、納税通知書や納付書が送られてきます。納付期限は、各自治体によって異なりますが、おおよそ自動車税は5月末、軽自動車税は4月末が納付期限となっています。

⑨源泉所得税・特別徴収住民税

源泉所得税特別徴収住民税は、会社に勤めている従業員に対する税金です。会社が従業員の給料から天引きし、国や各自治体に支払います。源泉所得税や特別徴収住民税は、原則、前月分を当月に支払いますが、税務署や各自治体に申請をし、納期特例の制度の承認を受けている場合は、年に2回の納付で良いことになっています。

 

納期特例の場合の納期限は、源泉所得税の場合が7月10日と1月10日、特別徴収住民税の場合が6月10日と12月10日です。

月別 税金納付スケジュール

ここまでは、法人が支払わないといけない税金の種類について見てきました。多くの税金があり、納期もバラバラなため、支払い忘れが起こる可能性もあります。そこで、月別に税金の納付スケジュールを見てみましょう。

 

支払う税金の種類
1月 源泉所得税 納期特例分(10日)
(7月~12月分)
2月 固定資産税第4期分(条例で定める日)
3月
4月 ・固定資産税第1期分(条例で定める日)
・軽自動車税(条例で定める日)
5月 自動車税(条例で定める日)
6月 特別徴収住民税納期特例分(10日)(12月~5月分)

 

支払う税金の種類
7月 ・源泉所得税 納期特例分(10日)
(1月~6月分)
・固定資産税第2期分(条例で定める日)
8月
9月
10月
11月
12月 ・特別徴収住民税納期特例分(10日)(6月~11月分)
・固定資産税第3期分(条例で定める日)

 

法人税、法人住民税、法人事業税、消費税・地方消費税、事業所税については、決算月から2ヶ月以内です。また、従業員の源泉所得税や特別徴収住民税で納期特例ではない場合は、翌月10日が納付期限となります。

 

このように、税金の納付スケジュールを作っておけば、税金の支払い忘れをする可能性が低くなるので、便利です。

まとめ

法人は、とても多くの税金を支払う必要があります。支払先も国だけでなく、都道府県や市区町村のものもあります。また、納付書が送られてくる賦課課税方式のものと、申告が必要な申告課税方式のものなど、課税方式も様々です。

 

ただし、多くの税金は突発的に発生するものではなく、毎年、同じものが発生します。納付スケジュールなどを作成しておけば、税金の支払い忘れを防ぐ効果を期待することができるでしょう。

 

長谷川よう
会計事務所に約14年、会計ソフトメーカーに約4年勤務。個人事業主から法人まで多くのお客さまに接することで得た知見をもとに、記事を読んでくださる方が抱えておられるお困りごとや知っておくべき知識について、なるべく平易な表現でお伝えします。
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