法人の車取得にかかる税金は?
会社の実情に合わせた取得方法を簡単解説
法人の車取得にかかる税金は?  会社の実情に合わせた取得方法を簡単解説
最終更新日:
2019/11/6
 
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営業回りや商品の配達など、会社の業務で必要となってくるものの一つに自動車があります。自動車の取得・所有は会社が支払う税金にも影響するものであり、その取得時期や取得方法によって税額も変わってきます。今回は、法人が取得する自動車に係る税金と取得方法について解説していきます。

法人が取得する車にかかる税金とは?

車を取得する際にかかる税金とその金額

自動車取得時にかかる税金で、主なものは下記の4つです。

 

  • 自動車税・軽自動車税
  • 自動車取得税
  • 自動車重量税
  • 印紙税

 

【自動車税・自動車税】

4月1日時点での所有者に課せられる税金です。
自動車税は都道府県税、軽自動車税は市町村税で、5月末日までに全額納付しなければいけません。
出典:東京都主税局
http://www.tax.metro.tokyo.jp/kazei/car.html#j_8

【自動車取得税】

自動車の取得価額に応じて課税される税金です。税額は車種に応じた税率を乗じて求めますが取得価額が高くなるにつれ税額も増加します。
出典:東京都主税局
http://www.tax.metro.tokyo.jp/kazei/car_shutok.html

【自動車重量税】

取得する自動車の車種や重量、経過年数に応じて課税される税金です。重量が重くなるにつれ税額も増加します。
出典:国土交通省
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_fr1_000076.html

【印紙税】

取得した自動車の「新規登録申請手数料」と「新規検査手数料」です。これらの手数料を収入印紙により納付します。
出典:国土交通省
http://www.mlit.go.jp/jidosha/kensatoroku/sikumi/skm04.htm

維持するにも税金は必要!

ご存知のように、自動車には定期的に車検を受けることが法律で義務付けられています。
車検を受ける際には「車検諸費用」=「自動車重量税」「印紙税」がその度に発生します。
(※自賠責保険と代行料は税金ではないのでここでは割愛します)

 

また、車検を受けるサイクルは、登録初年度は3年(車種によっては2年または1年)ですが、次からは2年ごとと短くなります(初年度から1年車検の車は以降も1年)ので、結果的に維持にかかる税金というのは増えていくことになります。

同じ「買う」なら賢い節税と資金繰りを

節税効果に違い!新車?中古車?どちらを選ぶ?

自動車の取得は、間接的にではありますが、下記の法人税にも影響します。

 

  • 法人税及び地方法人税
  • 都道府県民税
  • 事業税及び地方特別税
  • 市町村民税

 

前段であげた自動車取得税などは、車種や走行距離などに応じて「定額」で発生するものですが、上記の法人税については「利益」により金額が変動します。

 

先に説明した通り、自動車の取得価額は「減価償却費」という形で一定期間にわたり少しずつ経費で落としていくもので、当期にいくら減価償却費で落とすかによって会社の利益が変わります。

中古車の固定資産の耐用年数は、新車と比較して短縮することが認められていますので(改定耐用年数)、短期間で費用計上することが可能であり、新車を購入するか?中古車を購入するか?で、法人税等の納税額が大きく違ってくるのです。

 

では、どれくらい納税額が違ってくるのか?ざっくりではありますが例示で計算すると以下のようになります。

 

【例示】3月決算の会社が期首に100万円の普通車を取得したとき

・新車で取得した場合

100万円×0.333(減価償却率)×12ヶ月÷12ヶ月=33万円(落とせる経費)
33万円×約30%(※実効税率)≒10万円(法人税等の納税額)

 
・中古車で取得した場合

100万円×1.0(減価償却率)×12ヶ月÷12ヶ月=100万円(落とせる経費)
100万円×約30%(※実効税率)≒30万円(法人税等の納税金額)
※実効税率…利益(所得)に対して実際に支払う税金の割合
=法人税15%+都民税1.935%+事業税3.4%+都民税均等割7%≒27.335%≒約30%

 

結果、納税額におよそ20万円も差が生じます。

 

節税の観点から見ると、節税したい事業年度に中古の自動車を購入すればより多くの経費を計上し、利益を抑えることができますので節税効果が出るわけです。

 

逆に赤字決算でこれ以上経費を増やしたくない場合には、償却期間が長い新品を購入した方がいい、ということになります。

 

新品のほうが所有する期間の修繕費が最初は少なくて済むというメリットもありますが、会社の財務状況に応じて「新品」と「中古」を使い分けるというのは、節税の有効な判断材料となります。

資金繰りで役立つ!現金?リース?割賦?銀行借入?どれを選ぶ?

自動車を取得する際「購入とリース、どっちが有利なのだろう」と考えたことがある方もいるでしょう。ここでいう「有利」とは、税金や代金の支払といった会社から出ていくお金がより少ないという点と、長期的にみて会社の資金繰りが組みやすいという点の2点から判断することになります。

 

まず、取得方法としては下記の4つが考えられます。

 

  • 自己資金による購入
  • 銀行借り入れによる購入
  • 割賦購入
  • リース

 

【自己資金による購入】取得費用の全てを手持ち資金で購入する。
  • メリット: 支払総額が他の3つと比べて最も少ない。
  • デメリット:一時的に多額の手持ち資金を使ってしまうので資金繰りに少なからず影響を及ぼす。
【銀行借り入れによる購入】取得費用の全額(または一部)を銀行から借り入れ、購入する。
  • メリット:借入を毎月分割して支払うので資金繰りが楽になる。
  • デメリット:借入利息の分だけ支出が多くなる。
    決算書上に借入金が負債として残るため自己資本比率が下がる。
【割賦購入】取得費用の全額を割賦(分割払い)で購入する。
  • メリット:購入費用を割賦期間で分割して支払うので資金繰りが楽になる。
  • デメリット:割賦手数料の分だけ支出が多くなる。
【リース】自動車を購入せず、リースにより調達する。
  • メリット:費用をリース期間にわたって分割して支払うので資金繰りが楽になる。
    計上する費用は定額リース料の金額なので経費を平準化することができ、かかる経費の予測が立てやすい。
  • デメリット:取得費用総額より割高となるので、トータルの支払額が多くなる。
    リース期間が終了した車両を買取りしない限り、自己の資産にはならない。

 

【選択する際のポイント】

支払総額を抑えたいという点を重視するならば「自己資金による購入」が一番有利となります。毎期利益を計上していて資金繰りに比較的余裕があり、決算書上の自己資本比率を上げたいと考えている会社であれば自己資金を使った購入をお勧めします。

 

自動車の減価償却費は届出をしない限り「定率法」で行います。経費が取得当初に多く計上され、年数が経過するにつれ毎年減少していきます。つまり、毎期同額で費用計上できない(費用を平準化できない)ため、将来の費用を読みづらいというデメリットはありますが、コンスタントに利益を計上している会社であれば大きな影響はないでしょう。

 

資金繰りという点を重視するならば「銀行借入による購入」「割賦購入」「リース」の方が有利となります。

 

自動車に限らず、固定資産の取得は一時的に多額の支出を伴うものが多く、それが資金繰りに与える影響は少なくありません。上記3つの選択は長期間に分けて資金流出を分散させることができますので、資金繰りは比較的楽になります。

 

そして、銀行借入、割賦、リースいずれを選択するかは、やはり「支払総額」の比較がポイントとなります。

 

銀行借入であれば「借入期間に支払う元利金の総額」、
割賦であれば「割賦手数料を含んだ支払総額」、
リース料であれば「リース料総額」、
それぞれ見積もりをとって比較してみましょう。

 

ただし、消費税の原則課税事業者については注意が必要です。

「割賦手数料が区分表記されていない割賦契約」と「リース料」については、消費税の計算上、消費税の引き算(仕入税額控除)が認められており、消費税の納税額を減らすことができます。

 

原則課税事業者の方が「支払総額」の比較をする際には、割賦とリース料については「消費税抜き」の金額で比較する必要があります。

まとめ

  • 黒字で節税したい年度の購入→「中古」
  • 赤字で経費を抑えたい年度の購入→「新品」
  • 資金繰りに余裕があり、自己資本比率を上げたい→「自己資金による購入」
  • 資金繰りに余裕がない→「銀行借入」「割賦」「リース」の総額見積りを取って比較
  • 原則課税事業者は割賦とリース料を消費税抜きの金額で比較

 

以上のように、知識と工夫があれば節税にも資金繰りにも繋げることができる自動車の取得・所有ですが、判断をするにあたっては会社の財務内容を正しく把握していることが前提となります。まずは顧問の税理士に相談してみましょう。

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