確定申告が終わっても
領収書を捨ててはいけません!

確定申告が終わっても  領収書を捨ててはいけません!
公開日:
2020/01/27
 
  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア
  • LINEでシェア

今年も確定申告のシーズンになりました。昨年、個人で事業を始め、初の申告を迎える方もいらっしゃることでしょう。間違いなく申告し、なおかつできるだけ節税するのが大事なのは言うまでもありませんが、今回お話しするのは「確定申告が終わってから」のこと。手元にある領収書などの書類や帳簿類は、申告が済んだ後も、一定の期間、保存しておかなければならないことをご存知ですか? 何を何年取っておけばいいのか、詳しく解説します。

「青色申告」と「白色申告」で違う

確定申告を終えて、ほっと一息。手元には、けっこうな量の領収書などが残るでしょう。帳簿付けなどを税理士に依頼している場合には、ほどなく申告書の写しなどとともに、分厚いそうした文書の束が返送されてくるはずです。もう申告を終えたから、とすぐに処分したくなるのですが、ちょっと待ってください。領収書は「証憑書類」といって、定められた期間、保管しておくことが義務付けられているのです。

 

税務申告は、「すれば終わり」ではありません。提出された申告書を税務署員がチェックして、売上や経費などに疑問があったら、申告内容が正しいのかどうかを調べる税務調査(※1)が行われるかもしれません。そこで具体的に調べられるのが、帳簿や書類になります。納税者からすれば、それは正しい申告を行った証拠になるもの。もし廃棄したり紛失したりしてそれを示すことができなければ、「足りない」分の税を納めさせられたうえに、追徴課税(※2)を支払う羽目になるかもしれないのです。

 

個人事業主の確定申告に、「青色申告」と「白色申告」があるのはご存知だと思います。この青色か白色かで、保存すべき帳簿などには違いがあります。確定申告を青色申告で行うと、次のような特典を受けることができます。

 

  • 青色申告特別控除 最高65万円の所得控除がある(※3)。
  • 青色事業専従者給与の必要経費算入 事業を手伝っている配偶者や親族の給与を、一定の要件の下で、経費として課税のベースとなる所得から差し引くことができる。
  • 純損失の繰越しと繰戻し 事業所得が赤字となり純損失が生じたときに、その損失額を翌年以後3年間にわたって各年分の所得(黒字)から差し引くことができる(純損失の繰越し)。また、前年も青色申告をしていた場合には、繰り越しに代えて、その損失を前年分の所得(黒字)に繰戻して控除し、所得税の還付を受けることもできる(純損失の繰戻し)。

 

ただし、青色申告にするためには、原則として複式簿記という原則に基づいて日々の取引を記帳(帳簿付け)することなどが必要です。そのため、申告書を作成するのに必要な帳簿、すなわち保存が必要となる帳簿なども、白色とは違ってくるわけです。

 

※1税務調査
国税局や税務署が、納税者の税務申告が正しいかどうかをチェックするために行う調査。任意調査と、国税局査察部が行う強制調査がある。

 

※2追徴課税
申告漏れや脱税の目的で、本来支払うべき税金よりも納税した金額が少なかった場合に、追加で税金を支払うこと。過少申告加算税などの「加算税」、「延滞税」がある。

 

※3青色申告特別控除
2020年分以後の申告からは、e-Taxによる申告(電子申告)または電子帳簿保存の要件を満たしている場合は最高65万円、それ以外の場合は最高55万円となる。

青色申告の領収書は、7年保存しなければならない

では、何を何年間保存すべきなのか、みていきましょう。

〈青色申告の場合〉

◆帳簿(仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳など)→7年

◆書類

  • 決算関係書類(損益計算書、賃借対照表、棚卸表など)→7年
  • 現金預金取引等関係書類(領収書、小切手控、預金通帳、借用証など)→7年、ただし前々年分所得が300万円以下の場合は5年
  • その他の書類(取引に際して作成し、または受領した上記以外の書類=請求書、見積書、契約書、納品書、送り状など)→5年

〈白色申告の場合〉

◆帳簿

  • 収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿)→7年
  • 業務に関して作成した上記以外の帳簿(任意帳簿)→5年

◆書類

  • 決算に関して作成した棚卸表その他の書類→5年
  • 業務に関して作成し、または受領した請求書、納品書、送り状、領収書などの書類→5年

 

一見してわかるように、法に定められた保管期間は5年ないし7年です。でも、「5年経ったから請求書だけ捨てよう」というのは、間違いのもと。確定申告で使った帳簿や書類は、とりあえず7年間取っておくようにするのが、合理的だと思います。

 

あえて言えば、保存の義務はない確定申告書の控えも、次の申告まで捨てないようにしましょう。ローンを組んだり、さまざまな申請をしたりするときに提出を求められる(所得証明になる)からです。

 

説明した保存期間が、あくまでも「所得税の納税」に関するものであることにも、注意してください。例えば、不動産を購入した際の契約書、領収書は、この保存期間が過ぎたからといって、捨ててはいけません。それらがないと、その不動産を売却したときの譲渡所得税が問題になる恐れがあります。

 

 

なお、納税者の事務負担やコスト負担の軽減を図るため、一定の帳簿書類については、コンピューター作成のものを紙に出力することなく、ハードディスクなどに保存した電子データのままで保存できる制度が設けられています。ただし、一定の要件が定められていますから、国税庁ホームページの「電子帳簿保存法関係」などを参照してみてください。実際に利用しようと思ったら、税の専門家に相談することをお勧めします。

まとめ

確定申告が終わったからといって、帳簿だけでなく、領収書も請求書も捨てないようにしましょう。電子データによる保存も緩和される方向にありますが、事前に所轄税務署長の承認が必要です。詳しくは、税理士などに相談を。

  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア
  • LINEでシェア
マネーイズムは下記環境を奨励しています。

Widows PC (Widows10)
Mac PC (最新OS)
iPhone / iPad (最新OS)
Android (最新OS)
全国の税理士をご紹介しています
税理士紹介ビスカス