節分でかかった費用は経費になる?
節分の費用の処理方法とは

節分でかかった費用は経費になる?  節分の費用の処理方法とは
公開日:
2020/02/05
 
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2月に行われる行事に節分があります。大人から子供まで楽しみにしている行事であるため、会社でも節分の費用を負担することがあります。
では、節分でかかった費用は経費になるのでしょうか。ここでは、節分でかかった費用は経費になるかどうか、経費になる場合はその費用の処理方法をどうするのか詳しく解説します。

社内で節分イベントを行った場合の処理方法

会社が負担する節分の費用には、いくつかの種類があります。ここでは、社内で節分イベントを行った場合にどのように処理するのかを見ていきましょう。

従業員向けにイベントを行った場合

社内で行う節分のイベントの代表的なものは、従業員向けのものです。従業員向けの節分イベントは経費になりますが、それが全従業員を対象にしたものか、特定の人のみを対象にしたものかによって、処理方法が変わります。

①全従業員を対象にしたもの

社内で行う節分のイベントが、全従業員を対象にしたものの場合は、「福利厚生費」で処理します。

 

例)全従業員を対象に、社内で節分イベントを開催した。節分イベントの費用5万円は現金で支払った。

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額 摘要
福利厚生費 5万円 現金 5万円 節分イベント

 

借方勘定科目は、「雑費」などの経費科目でも問題ありません。

②特定の人のみを対象にしたもの

特定の人のみを対象に節分のイベントを行った場合は、他の従業員に比べ、特定の人のみを優遇したと考えるため、イベント出席者の給与として処理する必要があります。

 

例)特定の従業員を対象に、社内で節分イベントを開催した。節分イベントの費用5万円は現金で支払った。

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額 摘要
給料手当 5万円 現金 5万円 節分イベント

 

出席者が役員の場合は、給料手当ではなく「役員報酬」や「役員賞与」科目で処理します。

社外の人も出席するイベントを行った場合

社内で節分イベントを開催する場合、会社の従業員だけでなく、得意先などの社外の人を招くこともあります。得意先などの社外の人も出席するイベントを行った場合は、「接待交際費」で処理します。

 

交際費等とは、交際費、接待費、機密費などの費用のことです。つまり、得意先や仕入先など、事業に関係のある人に対して接待や供応、慰安や贈答などのために支払う費用は、(接待)交際費になります。

 

税法では、専ら従業員の慰安のために行われるイベントは、交際費にならない(福利厚生費)としています。そのため、全従業員を対象にした場合は「福利厚生費」で、得意先などを招待した場合は、「接待交際費」で処理することになります。

 

例)社内で、得意先を招いた節分イベントを開催した。節分イベントの費用10万円は現金で支払った。

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額 摘要
接待交際費 10万円 現金 10万円 節分イベント

不特定多数向けにイベントを行った場合の処理方法

ここまでは、社内で節分イベントを行った場合の処理について見てきました。しかし、節分イベントは社内でだけ行うものとは限りません。例えば、お店や展示会、販売店などで、お店や会場に来てくれた人向けに節分イベントを行う場合もあります。

 

ここでは、そのような不特定多数向けにイベントを行った場合の処理方法を見ていきましょう。

自社の販売店などでイベントを行った場合

店や展示会、販売店などで、節分イベントを行う場合は、お店や会場に来てくれた人向けに、会社名などが記載された豆のお菓子袋などを配ったりします。このケースでは、自社を宣伝し、今後の売上獲得につながることを期待しているため、もちろん経費になります。

 

自社の販売店などでイベントを行った場合は、「広告宣伝費」や「販売促進費」、「雑費」などの科目で処理をします。

 

例)自社の販売店で、来客者向けに節分イベントを開催した。節分イベントの費用10万円は現金で支払った。

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額 摘要
広告宣伝費 10万円 現金 10万円 節分イベント

他社のイベントに協賛した場合

節分イベントへの支出は、自社で開催するものに対してだけではありません。他社が行う節分イベントに協賛することもあります。他社が行う節分イベントに協賛し、お金を支払った場合は、会社の事業活動の一環であるため経費になります。

 

勘定科目は「広告宣伝費」や「寄附金」で処理します。実は、法人の場合、法人税の計算上、寄附金は全額損金(経費)にすることはできません。損金にできる限度があります。

広告宣伝費は全額損金になるため、広告宣伝費の方が有利です。

 

協賛金が、広告宣伝費か寄附金なのかは、取引の実態で判断することになります。協賛金に広告性があれば広告宣伝費に、そうでない場合は寄附金になります。

 

協賛金が、広告宣伝費か寄附金なのかの判断は、専門知識や経験がなければ難しい場合も多いです。税務調査などで指摘を受けやすい事項でもあるので、処理をする前に、税理士などの専門家に相談しておいた方が良いでしょう。

 

なお、支出が寄附金と認められる場合、個人事業主では、事業と関係ない支出とみなされ経費にならなくなる場合が多いので注意が必要です。

では、具体例を見てみましょう。

 

例)取引先が、来客者向けに節分イベントを開催したので、協賛した。協賛金の費用10万円は現金で支払った。なお、この協賛金は広告性のないものである。

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額 摘要
寄付金 10万円 現金 10万円 協賛金

節分イベントの費用は、消費税の経費になる?

節分イベントの費用は経費になるため、法人なら法人税に、個人事業主なら所得税に影響を与えます。ここで忘れてはいけないのが、消費税のことです。ここでは、節分イベントの費用は、消費税の経費になるかどうかについて見ていきます。

消費税の課税と非課税の違いとは

節分イベントの費用が消費税の経費になるかどうかを見ていく前に、消費税の課税と非課税の違いを確認します。

 

消費税において、事業に関係する取引は「課税取引」「対象外取引」「非課税取引」の3つに分けられます。それぞれ、次のような取引です。

①課税取引

課税取引は、消費税のかかる取引です。消費税はモノやサービスの消費に対して課される税金です。商品を購入したり、サービスの提供を受けた場合には、商品代などに消費税をプラスして、代金を支払います。仕入や消耗品費、事務用品費など多くの経費が課税取引です。

②対象外取引

対象外取引は、そもそも消費税のかからない取引です。例えば、借入金の返済などは、モノやサービスを消費しないため、対象外取引になります。

③非課税取引

非課税取引とは、本来は課税取引ですが、社会政策的配慮などで消費税を課さないこととしている取引です。土地や有価証券の売却、預貯金の利子などが非課税取引になります。

節分イベントの費用は、消費税の経費になる

上述した、消費税の3つの取引区分を踏まえて、節分イベントの費用が消費税の経費になるのかどうか見ていきましょう。

 

社内で節分イベントを行った場合の飲食物の購入費用や、自社の販売店などでイベントを行った場合の福豆の購入費用、会社名の印刷費用などは、商品の購入やサービスの提供に対する支払いのため、課税取引に該当し、消費税の経費になります。

 

問題となるのは、他社への協賛金です。商品の購入などにかかった費用に対して実費を他社に支払う場合は課税取引に該当し、消費税の経費になります。

 

しかし、「協賛金は1社につき1万円」というように、お金のみを支払った場合は、商品の購入やサービスの提供に対する支払いとは言えないため、対象外取引に該当します。この場合は消費税の経費にはならないため、注意が必要です。

まとめ

一般的に、節分でかかった費用は経費になります。ただし、社内で全従業員向けに節分イベントを行った場合や、他社の節分イベントに協賛金を支払った場合など、ケースごとで勘定科目などの処理方法が異なります。

 

特に法人の場合、接待交際費や寄附金については、損金算入に限度額があるなど、法人税の計算に影響が出る場合もあります。そのため、取引の実態に合った正しい処理をするように心がけましょう。

長谷川よう
会計事務所に約14年、会計ソフトメーカーに約4年勤務。個人事業主から法人まで多くのお客さまに接することで得た知見をもとに、記事を読んでくださる方が抱えておられるお困りごとや知っておくべき知識について、なるべく平易な表現でお伝えします。
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