ロレックスのような高額なものは経費になる? 個人事業主の経費とは – マネーイズム
 

ロレックスのような高額なものは経費になる?
個人事業主の経費とは

公開日:
2021/03/11
 
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個人事業主が気になることのひとつに経費のことがあります。個人事業主はプライベートの支出と事業の支出が一緒になることも多いため、経費になるものと経費にならないものを分けていく必要があります。
では、ロレックスのような高額なものは経費になるのでしょうか。ここでは、個人事業主の経費について解説します。

個人事業主の経費になるもの

はじめに、個人事業主の経費になるものにはどのようなものがあるのかを見ていきましょう。個人事業主の支出で経費になるものとは、事業に関係するものです。簡単にいうと、売上を獲得するために必要な支出のことをいいます。

 

例えば、取引先に行くためにタクシーを使った場合のタクシー代は、売上を獲得するために必要な支出となるため経費になります。一方、家族で旅行するためにタクシーを使った場合のタクシー代は、売上を獲得するために必要な支出ではないため、経費になりません。

 

このように、個人事業主はその支出を、売上を獲得するために必要な支出なのかそうでないプライベートの支出なのかを判断する必要があります。例えば、次のような支出は、経費になります。

 

経費の種類 内容(プライベートのものは除く)
租税公課 事業で使っている資産に対する固定資産税や自動車税、個人事業税や印紙代
荷造運賃 宅配便や郵便物の送料など
水道光熱費 水道代、電気代、ガス代など
旅費交通費 電車代、タクシー代、高速道路通行料、駐車場代、宿泊費など
通信費 電話代、インターネット料金、サーバー代など
広告宣伝費 名刺作成料、パンフレット制作費など
接待交際費 取引先との飲食やお祝い金、香典、贈答品など
損害保険料 事業で使っている資産に対する火災保険、自動車保険など
修繕費 事業で使っている資産に対する修繕費用など
消耗品費 事務用品や電球、コピー用紙など
福利厚生費 従業員に対する慰安のための費用、従業員の健康診断費など
地代家賃 事務所の家賃や駐車場代など
雑費 クリーニング代など、その他の少額の費用

 

ロレックスやベンツなどは経費になる?

個人事業主の経費になるものは、事業に関係する支出です。では、ロレックスやベンツなど高額なものは経費になるのでしょうか。結論からいうと、ロレックスやベンツなど高額なものは経費になりません。なぜなら、ロレックスやベンツなど高額なものは、必ずしも売上を獲得するために必要な支出とはいえないからです。

 

例えば、芸能人のように、自分を魅せることを商売にしている場合にロレックスが必要であったり、企業の社長の送迎などにベンツなどの高級車が必要といった意見もあるかもしれません。では、そのような商売である場合に、必ずロレックスやベンツが要るかというと、必要不可欠とは言い切れません。

 

また、ロレックスやベンツを100%、事業のため、売上獲得だけのために使っているかというと、ほとんどの場合そうではありません。たとえ、事業に関係する使い方をすることがあったとしても、多くの部分は自分で楽しむためにロレックスやベンツを使用しています。

 

仕事にロレックスやベンツが必須とは言い切れないこと、ロレックスやベンツを自分で楽しむために使用している部分も多くあることなどを総合して考えると、ロレックスやベンツなど高額なものを経費にするのは難しいといえるでしょう。

 

高額な美術品は経費になる?

ロレックスやベンツ以外で、個人事業主が購入する高額なものが美術品です。事務所や飲食店等の店舗、病院の受付などに絵画や骨董品などの美術品を飾ることは多くみられます。

 

では、これらの美術品もロレックスやベンツのように経費にならないのでしょうか。ここでは、個人事業主の経費と美術品の関係について見ていきましょう。

原則、美術品は経費にならない

原則、高額な美術品は、個人事業の経費にはなりません。しかし、ロレックスやベンツと美術品では、経費にならない意味合いが異なります。

 

事務所や飲食店等の店舗、病院の受付などに美術品を置くことは、慣習としてよくあることです。そのため、このように不特定多数の人が目にする場所に飾られている美術品は、事業に関係するものであると考えます。ただし、高額な美術品は固定資産になります。

 

機械や備品などの固定資産は、時の経過とともに価値が減少していくため、取得年度に購入金額を一度に経費にするのではなく、毎年少しずつ経費にしていきます。固定資産を毎年少しずつ経費にすることを「減価償却」、計上される経費を「減価償却費」といいます。

 

では、美術品はどうかというと、必ずしも時の経過とともに価値が減少していくとは限りません。中には、時がたつにつれて価値が上昇するものもあります。そのため、美術品は原則、減価償却できません。減価償却ができないため、減価償却費も計上できず経費にできません。一般的に、高額な美術品は取得価格のまま、貸借対照表に表示されることになります。

 

ただし、高額でない美術品の場合は、経費にできる場合があります。例えば、1つあたり10万円未満の美術品であれば、固定資産にせずに、消耗品費などで経費にできます。

 

また、青色申告を行っている場合は、年間300万円までなら、取得価格30万円未満の固定資産を、経費にできる特例(少額減価償却資産の特例)もあります。美術品であっても、この特例が適用できるため、取得価格30万円未満の美術品であれば、経費にできます。

 

美術品が経費になる場合もある

原則、高額な美術品は減価償却ができないため、経費になりません。しかし、税法が改正され、今では、平成27年1月1日以後に取得する高額な美術品については、一定の要件を満たした場合に限り、減価償却ができるようになっています。美術品が減価償却できる要件は、次のいずれかに該当する場合です。

 

  • 時の経過によりその価値が減少することが明らかなもの
  • 取得価額が1点100万円未満であるもの(時の経過によりその価値が減少しないことが明らかなものを除く)

 

時の経過により価値が減少することが明らかなものとは、不特定多数の人が利用する場所に飾っている美術品で、移設することが困難かつ他の用途に転用すると市場価値がないものなどをいいます。また、原則、不特定多数の人が利用する場所に飾っている美術品で、取得価額が1点100万円未満であるものについては、減価償却ができます。減価償却ができるかどうかの判断に迷う場合には、税理士などの専門家に相談するようにしましょう。

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まとめ

個人事業主の支出で経費になるものとは、事業に関係するもの、売上を獲得するために必要なものです。ロレックスやベンツなど高額なものは、一般的に、個人事業の経費にはなりません。それは、仕事に必ずロレックスやベンツが要るとは言い切れないことや、自分で楽しむために使用している部分も多くあるためです。

 

一方、同じ高額なものでも、美術品は考え方が異なります。美術品は事務所やお店などに飾り、不特定多数の目に触れることから、事業に関係するものと考えます。ただし、高額の美術品で一定の要件を満たすもの以外は、減価償却ができないため、経費にすることができません。

 

個人事業主の場合、経費にできるものとできないものの判断が難しいケースも多いです。その場合は、経費にできるかどうかを、税理士などの専門家に相談するようにしましょう。

長谷川よう
会計事務所に約14年、会計ソフトメーカーに約4年勤務。個人事業主から法人まで多くのお客さまに接することで得た知見をもとに、記事を読んでくださる方が抱えておられるお困りごとや知っておくべき知識について、なるべく平易な表現でお伝えします。
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