いる? いらない? 確定申告書提出時の
添付書類についてわかりやすく解説

いる? いらない? 確定申告書提出時の  添付書類についてわかりやすく解説
公開日:
2021/03/04
 
  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア
  • LINEでシェア

確定申告をする際、添付資料が必要な場合があります。確定申告書が作成できても、必要な添付資料がなければ確定申告を完了したことにはなりません。
この記事では、事業所得のある個人事業主向けに確定申告の添付書類について解説します。また、電子申告の場合についても添付すべき資料について触れていきます。

確定申告書の添付書類とは?

源泉徴収票の添付不要について

平成31年4月1日以後の確定申告書においては、源泉徴収票等の添付が不要となりました。添付省略の理由は国税庁HPにあるように、「納税者の利便性向上を図る観点から」とされています。そして、添付不要となる源泉徴収票については、保存義務はありません。

 

源泉徴収票「等」とは、給与所得、退職所得、公的年金等の確定申告書で、いずれの源泉徴収票についても添付不要です。また、同時に他7種の書類について添付不要となりました。

 

  • オープン型の証券投資信託の収益の分配の支払通知書
  • 配当等とみなされる金額の支払通知書
  • 上場株式配当等の支払通知書
  • 特定口座年間取引報告書
  • 未成年者口座等につき契約不履行等が生じた場合の報告書
  • 特定割引債の償還金の支払通知書
  • 相続財産に係る譲渡所得の課税の特例における相続税額等を記載した書類

 

上記の中には、普段あまり聞きなれない書類もありますが、株や投資信託をしている人であれば取引報告書等はよく目にすることでしょう。上記各書類で添付不要となったものは、確定申告後の修正申告においても添付が不要であり、保存義務もありません。

 

実は添付資料については、平成29年分の確定申告から医療費控除の取り扱いも変更されています。

 

  • 医療費の領収書の添付に代わって、医療費控除の明細書または医療保険者が交付した医療費通知書の添付が必要
    医療保険者から交付を受けた医療費通知書の添付により明細の記入を省略できる
  • 医療費の領収書は5年間保管
    ただし、医療保険者から交付を受けた医療費通知書を添付の場合は領収書保管不要

 

添付書類は、いずれも確定申告書を作成するときには必要な書類ではありますが、源泉徴収票のように添付も保存義務もないものもあれば、医療費控除の領収書のように添付不要ですが一定期間の保管が必要なものもあるのが現状です。

電子申告における添付資料とは?

e-TAXや市販の税務・会計ソフトにより電子申告をする場合、必要な添付資料は別途郵送によることもできますが、平成29年より特定の添付書類については、イメージデータ(PDF形式)による提出が可能となりました。

 

さらに、平成30年4月以降は添付書類をイメージデータで提出した場合は、保存が不要となりました。

 

電子申告における書類の添付方法は次の2とおりあります。

 

  • 申告、申請・届出等データを送信した後に、メッセージボックスからイメージデータを提出する方法
  • 申告、申請・届出等データと同時に添付書類(PDF形式)を提出する方法

 

電子申告においてイメージデータで送信可能なものとして、住宅ローン控除にかかる書類があります。下記の添付資料のすべてについて、イメージデータでの送信が可能であり、初年度の住宅ローン控除であっても電子申告のみで済ませることができます。

 

  • 登記事項証明書
  • 売買契約書の写し
  • 住宅借入金等の残高証明書(適用1年目のみ)
  • 補助金等の額を証する書類
  • 長期優良住宅建築等の計画の認定通知書の写し
  • 住宅用家屋証明等
  • 検査済証の写し
  • り災証明書等

まだまだ多い確定申告における添付資料

確定申告書の添付資料保存とは?

確定申告書時に必要な所得控除や税額控除の添付書類について取り扱いの一覧を挙げておきます。保存となった場合の保存期間は、原則として法定申告期限から5年間となります。

 

<所得控除関連>

・医療費控除

制度の利用方法 記載方法 添付要否 添付書類の保存
納税者が医療費控除の
明細書を作成の場合
明細を記載 不要 領収書の保管必要
合計額のみを記載 要(明細書) 領収書の保管必要
健保組合等からの
医療費通知利用の場合
合計額のみを記載 要(医療費通知)

 

医療費控除の明細書を添付した場合でも領収書の保管は必要となりますが、医療費通知を添付すれば、領収書の保管は不要となります。

 

・セルフメディケーション税制を選択した場合(医療費控除)

制度の利用方法 記載方法 添付の要否 添付書類の保存
納税者が医療費控除の
明細書を作成の場合
明細を記載 不要 領収書の保管必要
合計額のみを記載 要(明細書) 領収書の保管必要

 

・社会保険料控除その他
電子申告による確定申告の場合、一定の記載事項を入力して送信することで、書類の原本提出を求められない「第三者作成書類」があります。支払先から発行される国民年金保険料の控除証明書、生命保険料控除の証明書、計算明細書などが第三者作成書類に該当します。

 

また、平成31年1月からは保険会社等から電子データによる保険料控除証明書を交付することができるようになりました。保険会社等から交付を受けた電子データ形式の控除証明書等は、電子申告の際の添付書類とすることができます。

制度名 記載方法 添付の要否 添付書類の保存
社会保険料控除
小規模企業共済等掛金控除
生命保険料控除
地震保険料控除
寄付金控除
勤労学生控除など
第三者作成書類などの添付書類を参照して記載 持参・郵送の場合
添付要
電子申告の場合
省略可
省略の場合は添付資料
保管要

 

電子申告の場合、添付資料を省略しても、税務署等からこれら書類の提示又は提出を求められ、その求めに応じなかった場合には、確定申告書に添付又は提示がなかったものとして取り扱われます。結果的に控除が受けられなくなりますので、省略の場合は必ず5年間は保管しましょう。

 

<税額控除関連>

制度名 記載方法 添付の要否 添付書類の保存
住宅ローン控除関係 添付書類を参照して記載 要(一部省略可) (省略時は保管要)
政党等寄付金特別控除 添付書類を参照して記載 要/電子は省略可

 

住宅ローン控除においては、持参、郵送、電子申告にかかわらず、初年度は多くの添付資料が必要となります。電子申告の場合は前述のようにイメージデータの添付が必要です。しかしながら、2年目以降の「住宅ローン年末残高証明書」については、第三者作成書類として電子申告における添付を省略することができます。

 

また、政党等への寄付金については第三者作成書類扱いとなります。

 

結果的に電子申告で書類添付が不要になったしても5年間の保管義務が生じるのであれば、添付する方が「保管の手間が省ける」という考え方もあるでしょう。

令和2年度分について添付書類の注意点とは?

令和2年分の申告にあたり、添付書類については特に次の2点は押さえておきましょう。

 

<電子申告の際の添付資料の提出方法について>
令和2年分の確定申告より、青色申告特別控除額の見直し(従前65万円→55万円)がありましたが、同時に税務手続きの電子化推進の観点から電子帳簿又は電子申告の要件を満たした場合には最高65万円までの青色申告特別控除額が認められます。

 

青色申告者が「電子申告」の要件により、65万円の青色申告特別控除額が認められるには、確定申告書に添付書類である「青色決算申告書」も電子申告で提出しなければなりません。なお、収支内訳書や青色申告決算書などは、電子データ(XML形式)による提出が求められ、イメージデータで送信することはできません。

 

例えば、確定申告書は電子申告で提出したものの、貸借対照表や損益計算書を郵送で提出した場合の控除額は55万円までとなります。

 

 

<コロナ関連の添付書類について>
令和2年2月1日から令和3年12月31日までの期間において、新型コロナウイルス感染症及びその蔓延防止のための措置により、中止等となったイベントのチケット等を購入していた個人が、その払戻しを受けることを辞退した場合に、当該辞退した金額のうち20万円までの金額について、他の寄附金控除と同様の税優遇(所得控除又は税額控除)を受けられる新たな措置があります。

 

この場合の添付資料は「指定行事証明書の写し」と「払戻請求権放棄証明書」ですが、第三者作成書類として電子申告における添付を省略できます。

まとめ

確定申告は、税制改正を気にしつつ、添付書類の内容を転記しながら、税額を確定させる地道な作業です。そして最後にチェックするのは、確定申告書とともに提出すべき添付資料はどれかということです。

 

電子申告においては省略可能な添付書類がありますが、その後の保管義務は増えていきます。このような背景があることから、今後は電子データの活用が増えてくると予想されます。

岡和恵
大学卒業後、2年間の教職を経て専業主婦に。システム会社に転職。 システム開発部門と経理部門を経験する中で税理士資格とフィナンシャルプランナー資格(AFP)を取得。 2019年より税理士事務所を開業し、税務や相続に関するライティング業務も開始。
  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア
  • LINEでシェア
全国の税理士をご紹介しています
税理士紹介ビスカス