「iDeCo」を使って節税や老後の資金形成を
考えてみませんか?

「iDeCo」を使って節税や老後の資金形成を  考えてみませんか?
公開日:
2021/06/03
 
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老後の生活を支えるものとして国民年金や厚生年金などの制度がありますが、「はたして年金の受給だけで退職後も余裕のある生活が送れるかどうか」はこれからの日本における大きな課題です。そのような中、国が推奨しているのがiDeCo(イデコ)を利用しての資産形成です。iDeCoとはなにか、その仕組みや加入方法、メリット・デメリットなどを解説します。

そもそもiDeCoって何?

「安定した老後を送るためには夫婦二人なら年金とは別に3,000万円必要」という指摘が話題になりました。70歳以上の夫婦の月額支出平均額約24万円と公的年金月額支給額約22万円の差額から単純計算すれば、夫婦ともに90歳まで生きたとしても、実際にはそこまで必要ではないかもしれません。しかし少子高齢化社会において年金額が今後どうなるかは不安材料ですし、よりゆとりある生活を送りたい、万一の時に使えるお金があると安心、などと考えるとやはり+αの収入を老後も確保するに越したことはありません。その手助けとなるのがiDeCo制度なのです。

iDeCoは一言でいうと個人年金の一種

iDeCoは正式名称を「個人型確定拠出年金」といい、その名のとおり「個人型の年金」の一種です。厚生労働省が管轄する国民年金基金連合会が実施機関となっていることから公的年金の一種と考えられそうです。しかし、加入は任意ですし、運用方法や掛金額など、すべて自由に決められる私的年金なのです。

従来の年金にプラスして受給することを想定

iDeCoは、希望者が自分で内容を決めて加入する年金システムです。掛金をいくらにするか、どのように運用するか、どの金融機関で加入するかをすべて自らが決定します。運用は投資信託のほか、定期預金や保険商品も選べます。年金受取り時にこれまでの掛金+運用益で受給額が決まりますので、公的年金の不足分を補うために必要と思われる額を自分自身で想定して加入できます。ただし、下図にもあるように、投資信託などでは必ずしも元本が保証されないものもあるので、運用方法の選択には注意が必要です。

引用:厚生労働省

iDeCoの加入方法、運用方法

公的年金と違い、内容をすべて自分で決めるiDeCoは面倒に思えるかもしれません。しかし、予め段取りを把握しておけばそれほどハードルは高くありません。以下、手続きについて説明します。

原則誰でも始められる

iDeCoの加入要件は「日本在住・20歳以上60歳未満」だけです。学生、自営業の方も問題なく加入でき、基礎年金との重複も可能です。ただし、既に企業型確定拠出年金に加入している方は、iDeCoとの同時加入が規約で認められている場合のみ加入が可能です。

加入は各金融機関で申し込む

iDeCoは、iDeCoを取り扱う金融機関で専用口座を作る必要があります。銀行をはじめ、証券会社、保険会社など非常に多くの金融機関でiDeCoを取り扱っています。ただし、口座利用手数料や、運用できる商品などは各金融機関により違いがありますので、まずは自分がどんな運用をしたいかを加入前にある程度考える必要があります。各金融機関はネットやパンフレットで自社のiDeCoを説明しているので、まずは内容や費用を比較してみることをお勧めします。

お金はいつからもらえる?

掛金積み立てと運用益を合わせた年金資産は、原則60歳から受給権が発生します。一時金として60歳から70歳までの間に一括で受け取るか、年金の形で受け取るかを選択できます。年金の場合、受け取る期間は運営管理機関(各金融機関)が定める方法に依ります。原則的に5年~20年の有期年金です。また、一時金と年金を組み合わせて受け取る方法を提供している金融機関もあります。

iDeCoのメリット・デメリット

iDeCoは厚生労働省が国民に積極的な利用を促している制度ですが、メリットと同時にデメリットもあるのでチェックしておきましょう。

iDeCoのメリットについて

1.税金が安くなる
iDeCoの一番のメリットはなんといっても、積み立て時や運用益につき税金が優遇されることです。
優遇の詳細については次の項目で説明します。

 

2.転職・退職してもそのまま続けられる
個人年金の一種であるiDeCoは、転職や退職時も、資格の変更はありません。そのまま続けけることができます。

 

3.家計にやさしい
iDeCoは月々5,000円から1,000円単位での掛金設定が可能なので、収入に応じた積み立てができます。また、投資信託の運用コストが、一般的な商品と比べ安価に抑えられているものが多い点も魅力です。

iDeCoのデメリットについて

1.60歳まで受給できない
定期預金と違い、60歳になるまで引き出すことができません。脱退して一時金(解約返戻金にあたる)を受け取るための要件はかなり厳しく設定されています。そのため、急にお金が入用になっても当てにすることは難しいと考えてください。

 

また、iDeCoは受給時までの加入期間が10年以上必要です。そのため、60歳の時点で加入期間が10年以下の場合、支給開始年齢が最長65歳まで引き延ばされることにも注意が必要です。

 

2.費用がかかる
専用口座の開設時の費用が一律2,829円、口座維持費用が月々数百円程度(金融機関によって額に差があります)かかります。

 

この他、運用方法によっては損をする可能性がある、どこの金融機関にするかやどんな運用方法にするかを考えるのが面倒、というのもデメリットといえるかもしれません。

iDeCoを使った節税方法

iDeCoでは、加入中、受給時において様々な形での税金優遇措置が用意されています。

掛金が所得控除の対象になる

iDeCoの掛金は全額が所得控除の対象となります。年間の課税対象となる所得から掛金を控除できるので所得税や住民税がその分安くなるのです。

運用益に税金がかからない

預貯金の利息や投資信託の運用益には20.315%の税金がかかりますが、iDeCoで運用している定期預金や投資信託から得る利益には税金がかかりません。特に投資信託の運用が順調な場合は課税の有無がものを言いそうです。

受給時に控除枠が使える

一時金受給であれば退職所得控除、年金(分割)受給であれば公的年金等控除が受けられます。一般的な個人年金ではこのような控除は適用されませんが、iDeCoであれば受給時の税金負担も軽減できるのです。もっとも、控除後の受取額については所得税・住民税の対象になることにご注意ください。

まとめ

iDeCoは元々企業の確定拠出型年金として2001年にスタートした制度を、2017年に公務員や自営業者など、国民の大部分の人たちに対象を広げたものです。まだ歴史が浅く、かつ任意加入であることから、手を出しづらいように思うかもしれません。しかし、公的年金の先細り不安がある現代において、老後資産を増やす選択肢の一つとして、内容をきちんと把握したうえでiDeCoを検討することは十分有意義なことだといえるでしょう。

橋本玲子
行政書士事務所経営。宅地建物取引士、知的財産管理技能士2級取得。遺言執行や成年後見などを行う一般社団法人の理事も務めている。
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