オフィスの置き菓子は福利厚生費になる? 福利厚生費になるものとは – マネーイズム
 

オフィスの置き菓子は福利厚生費になる?
福利厚生費になるものとは

    公開日:
    2021/08/06
     
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    従業員の福利厚生のために、オフィスに置き菓子を用意している会社も多いです。では、この置き菓子にかかった費用は福利厚生費として経費になるのでしょうか。

     

    ここでは、オフィスの置き菓子は福利厚生費になるかどうかや、そもそも福利厚生費になるものにはどのようなものがあるのかなどを詳しく解説します。

    オフィスの置き菓子には2つの種類がある

    まずは、最近の置き菓子事情を見ていきましょう。置き菓子は、企業で昔から取り入れられている福利厚生のひとつです。置き菓子があることで、仕事の合間にちょっとした気分転換を図ったり、小腹を満たす効果があったりするだけでなく、社員同士のコミュニケーションを円滑にして生産性があげられるといったメリットもあります。

     

    また、一言でオフィスの置き菓子といっても、実は2つの種類があります。ひとつは、会社でお菓子を購入し、休憩室などに置いておくケースです。もうひとつが江崎グリコ(株)が展開している「オフィスグリコ」などのように、他の企業が行っている置き菓子サービスを利用するケースです。

     

    企業では、自社でお菓子を購入し、休憩室などに置いておくケースも多いですが、この場合、従業員の好きなものがなかったり、お菓子を購入しに行く手間などがかかったりします。そこで、業者が行っている置き菓子サービスを利用するケースが増えています。企業による置き菓子サービスは、サービス内容も充実しています。

     

    例えば、オフィスグリコの場合、置き菓子の設置は無料です。また、商品の補充もオフィスグリコのスタッフが行うため、商品がなくなることはありません。従業員は商品を手に取り、置き菓子の前に設置された料金箱(カエルの貯金箱)に商品代金を入れて購入します。

     

    また、部外者が立ち入れない環境でも、お菓子ボックスや商品をオフィスに送付したり、スマホ決済(QR決済)を導入することで、オフィスグリコのスタッフが訪問しなくても置き菓子サービスを利用できるようにしています。

     

    このように、福利厚生として外部の業者が行っている置き菓子サービスを利用する企業はますます増えてくるでしょう。

    オフィスの置き菓子が経費になるケースと経費にならないケース

    オフィスの置き菓子は、従業員への福利厚生に有用な手段のひとつです。ただし、置き菓子の購入方法によって、会社の経費になるケースとならないケースがあります。

     

    ここでは、それぞれのケースについて見ていきましょう。

    オフィスの置き菓子が経費になるケース

    オフィスの置き菓子が経費になるケースは、会社が置き菓子の代金を負担した場合です。

    会社でお菓子を購入して休憩室などに置いておくケースなら、会社が代金を負担しているので経費になります。

     

    この場合、置き菓子を誰が食べるのかで、勘定科目が異なります。従業員の誰もが食べられる置き菓子であれば、置き菓子代は福利厚生のための費用なので「福利厚生費」になります。

     

    しかし、取引先との商談時に出す置き菓子など、外部の人向けに購入した置き菓子の場合は、福利厚生ではなく、接待交際の意味合いが強くなるため「接待交際費」で処理します。

     

    また、役員など一部の人しか食べることができない置き菓子があった場合、本来はその人が購入するべきものを、会社が支払っているため給与扱いになる場合もあります。この場合は「役員報酬」や「給与手当」などの勘定科目で処理します。

     

    それでは仕訳例を見てみましょう。

     

    ・福利厚生費のケース

    例)置き菓子を1万円、会社の現金で購入した。なお、この置き菓子は休憩室に置いておくもので、すべての従業員が食べることができるものである。

     

    借方勘定科目 金額 貸方勘定科目 金額 摘要
    福利厚生費 1万円 現金 1万円 置き菓子代

     

    ・接待交際費のケース

    例)置き菓子を1万円、会社の現金で購入した。なお、この置き菓子は取引先との商談の際に出すものである。

     

    借方勘定科目 金額 貸方勘定科目 金額 摘要
    接待交際費 1万円 現金 1万円 置き菓子代

     

    ・給与のケース

    例)置き菓子を10万円、会社の現金で購入した。なお、この置き菓子は高価なもので、役員室に置いて役員のみ食べることができる。

     

    借方勘定科目 金額 貸方勘定科目 金額 摘要
    役員報酬 10万円 現金 10万円 置き菓子代

    オフィスの置き菓子が経費にならないケース

    オフィスの置き菓子が経費にならないケースは、会社の負担がない場合です。例えば、オフィスグリコの場合は、設置代金は不要です。また原則、従業員が自分で商品代金を支払うため、置き菓子代も会社が負担することはありません。

     

    そのため、オフィスグリコなど外部業者の置き菓子サービスを利用してる場合は、経費になるものはありません。経費になるものがないため、仕訳も不要となります。

    福利厚生費にできるものの例

    福利厚生費で処理ができるものは、置き菓子代だけではありません。そのほかの福利厚生費にできるものには、次のようなものがあります。

     

    ・慶弔見舞金
    従業員やその家族にお祝い事や不幸があった場合に、会社が従業員に支給する金品は、福利厚生費になります。

     

    ・健康診断費用
    従業員や役員に対する健康診断費用も、福利厚生費にすることができます。ただし、福利厚生費にするためには、従業員の全員が対象となっていることや、会社が健康診断費用を医療機関に直接支払っているなど、全従業員が平等で公平性を保った形で会社が負担する必要があります。

     

    ・忘年会、新年会費用
    従業員の慰安のために行われる忘年会や新年会費用も、福利厚生費にすることができます。ただし、一部の人しか参加できない忘年会や新年会や特別に高価な金額である忘年会や新年会費用は福利厚生費ではなく、給与や交際費の扱いとなるので注意が必要です。

     

    ・社員旅行
    社員旅行の費用は、次の要件をすべて満たす場合に福利厚生費になります。

     

    • 旅行の期間が4泊5日以内であること
      ※海外旅行の場合は、旅行の期間ではなく外国での滞在日数が4泊5日以内であるかどうかで判断する
    • 旅行に参加した人数が全体の人数の50%以上であること
      支店や各地の工場ごとなどの単位で社員旅行を行う場合は、そのそれぞれの職場ごとの人数の50%以上以上の参加が必要です。例えば、役員のみの社員旅行や取引先との接待旅行などは、福利厚生費にはなりません。

     

    ・残業食事代
    従業員が残業をした際に、会社が負担した食事代は、福利厚生費にできます。

    ただし、すべての従業員が残業したときに平等に残業食事代が出ることや、残業食事代の価格が一般的な食事代と比べて高すぎないことなどの条件があります。

     

    ・中小企業退職金共済の掛金
    中小企業退職金共済とは、従業員の退職金のために毎月、企業が独立行政法人勤労者退職金共済機構・中小企業退職金共済事業本部(中退共)に支払う掛金のことです。従業員が退職した際には、中退共から退職金が従業員に直接支払われます。

     

    中小企業退職金共済の掛金は、中小企業退職金共済法に基づき設けられた公的な退職金制度のため、掛金は経費になります。一般的には「福利厚生費」の科目で処理します。

    まとめ

    置き菓子は、企業で昔から取り入れられている福利厚生のひとつです。置き菓子があることで、ちょっとした休憩ができたり、社員同士のコミュニケーションが図れたりすることで生産性をあげることができるなどのメリットもあります。企業、負担した置き菓子代は「福利厚生費」で処理することが可能です。

     

    ただし、一部の人のみが利益を享受する形や、取引先に対する置き菓子は福利厚生費にはならないため注意が必要です。オフィスに置き菓子を導入する場合は、そのメリットや福利厚生費になるかどうかをしっかりと考えるようにしましょう。

    長谷川よう
    会計事務所に約14年、会計ソフトメーカーに約4年勤務。個人事業主から法人まで多くのお客さまに接することで得た知見をもとに、記事を読んでくださる方が抱えておられるお困りごとや知っておくべき知識について、なるべく平易な表現でお伝えします。
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