知っておきたい、月次支援金の手続き方法まとめ | MONEYIZM
 

知っておきたい、月次支援金の手続き方法まとめ

新型コロナウイルスの蔓延によって事業に打撃を受けた中小企業や個人事業主を対象に、条件を満たしていれば支援金が給付される「一時支援金」が設けられました。それに加えて新たに、緊急事態宣言やまん延防止などによって事業に影響を受けた企業や個人事業主に向けて「緊急事態措置又はまん延防止等重点措置の影響緩和に係る月次支援金」も設けられました。この記事では、「一時支援金」と「月次支援金」の違いや詳細、受け取るための条件や申請方法についてご紹介します。

月次支援金が設けられた背景

コロナ禍において発令された緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の影響で、人出が少なくなり、多くの企業の売上に多大な被害を受けました。そうした金銭面での不安を軽減するために設けられたのが「月次支援金」です。月次支援金は、事業の立て直しや継続をするために必要な資金を支援することを目的に政策されました。

緊急事態宣言やまん延防止等重点措置とは

緊急事態宣言とは、日本国内が一丸となって自分や他人にウイルスの感染をさせないよう徹底する施策のことです。不要不急の外出自粛や「三密」なども緊急事態宣言の一環で、全都道府県を対象に実施します。緊急事態宣言は、新規感染者数が爆発的に増えて最大警戒「ステージⅣ」と認定されることで発令されます。

 

一方のまん延防止等重点措置は、緊急事態宣言の一歩前「ステージⅢ」と認定されたときに発令される施策です。対象地域も指定された得特定地域のみで、イベント開催の見直しなど緊急事態宣言より緩めに設定されています。

 

影響を受けやすい事業者

緊急事態宣言やまん延防止等重点措置によって影響を受けやすい事業者は、飲食店やイベント会社といったサービス業です。
飲食店やイベント会社は、来店されるお客様の人数によって売上が変動しやすい特徴があります。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の影響で来店するお客様が激減したことが原因で、実際に多くの中小企業が経営破綻・倒産しています。しかし、デリバリーやオンラインショップを活用し始める飲食店も増え、ネットを使って現状を打破する企業もいます。

月次支援金とは

月次支援金とは、2021年4月以降に実施された緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などによる売上の減少を緩和してくれる給付金のことです。申請受付期間は、4月・5月分が2021年6月16日~8月15日、6月分が2021年7月1日~8月31日となっています。一時支援金を受け取った事業者も月次支援金を受け取れるので、確認を怠らないようにしましょう。

 

  • 対象となる事業者
    対象となる事業者は、以下の要件を全て満たしている中小企業・個人事業主です。

    • 対象月の緊急事態宣言やまん延防止等重点措置で、飲食店の休業や時短営業・外出自粛などの影響を受けている
    • 2021年の月間売上が、2019年か2020年の同月と比べて50%以上減少している

     

    対象となっている場合は、業種や所在地に問わず、全員が対象者となります。

  • もらえる給付金額
    月次支援金でもらえる給付金も、一時支援金と同様に企業によってバラバラで、(2019年または2020年の基準月の売上)−(2021年の対象月の売上)で計算できます。また、中小企業等と個人事業主等でもらえる給付金額の上限が設定されています。

 

上限(毎月) 基準月 対象月
中小企業等 20万 2019年か2020年の対象月と同じ月 対象措置が実施された月のうち、2019年か2020年の同月比で、売上が50%以上減少した2021年の月
個人事業主等 10万

申請方法

月次支援金は、以下の手順を踏むことで申請できます。

 

  • 「月次支援金公式サイト」でアカウントを作成する
  • 事前確認に必要な書類を準備する
  • 月次支援金公式サイトで登録確認機関を検索し、メールや電話で登録確認機関に事前予約する
  • TV会議や対面・電話にて事前確認を受ける
  • 申請書類を準備し、月次支援金公式サイトから月次支援金の申請を行う

 

月次支援金の事前確認や申請するには、書類を準備する必要があります。資料の準備に不安がある場合は、税理士に相談すると安心です。

月次支援金の事前確認や申請に必要な書類

  • 事前確認に必要な書類
    月次支援金の事前確認に必要な書類は、以下の通りです。

    • 本人確認書類(法人の場合は履歴事項全部証明書も)
    • 2019年・2020年の確定申告書
    • 2019年1月~2021年対象月までの帳簿書類
    • 2019年1月以降の事業取引の記録通帳
    • 代表者が自署した宣誓や意書
      ただ、登録確認機関の会員や顧問先の場合は、「代表者が自署した宣誓や意書」以外を省略できます。書類を用意する負担を減らすためにも、関与先が登録確認機関となっているかを確認しておきましょう。また、2回目以降の事前確認は書類なしで申請できるので、負担も少なく簡単に手続きできます。
  • 月次支援金の申請に必要な書類
    月次支援金の申請に必要な書類は、以下の通りです。

    • 本人確認書類(法人の場合は履歴事項全部証明書も)
    • 2019年・2020年の確定申告書
    • 対象月の売上台帳
    • 申請する対象月(2021年4月~6月)の売上を記載している書類
    • 代表者が自署した宣誓・同意書
    • 通帳コピー(銀行名、支店名、口座番号、口座名義が必須)
    • その他事務局が必要と認める書類
      上記で提示した書類は、1回目の提出に必要な書類です。2回目以降の提出は、「対象月の売上台帳」のみとなっており、簡略化されます。

一時支援金を受給した事業者が月次支援金の申請を行う場合

一時支援金を受給した事業者が月次支援金の申請を行う場合も、申請手順は同じです。しかし、一時支援金を受給した場合は事前確認に必要な書類が不要となり、より簡潔に手続きできます。

 

ただ、月次支援金を初めて申請する事業者は、一時支援金を受給していても「代表者が自署した宣誓・同意書」を提出する必要があります。月次支援金の申請に必要な書類に関しては、一時支援金を受給した事業者でも同じです。

 

☆ヒント
コロナ禍において発令された緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の影響で、人出が少なくなっています。対面での接客を伴うサービス業など、特にあおりを受けている事業者は国が提供している月次支援金を申請することで、金銭面での不安を軽減することが可能です。一時支援金を受け取っていても、月次支援金も受け取ることができるので確認してみましょう。申請のための書類や金額面など不安がある場合は、税理士に相談すると安心です。

まとめ

月次支援金は、2021年4月以降に実施された緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などによる売上の減少を緩和してくれます。要件に当てはまる事業者であれば、業種や所在地に問わず月次支援金をもらえます。一時支援金を受給した事業者も月次支援金を受け取れるので、本記事を参考にして、要件に当てはまる事業者は月次支援金を申請してみましょう。

平坂ゆうり
お金に関する勉強に注力しているフリーライター。
節約術や貯金関係の記事を中心に、お金以外のジャンルも幅広く担当。
幅広いジャンルの執筆経験を活かして、読者に分かりやすい丁寧な執筆を心がけます。
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