コロナの影響で基準地価が2年連続下落! 土地のさまざまな評価方法とは – マネーイズム
 

コロナの影響で基準地価が2年連続下落!
土地のさまざまな評価方法とは

    公開日:
    2021/11/24
     
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    新型コロナウイルスの影響で、基準地価が2年連続下落したというニュースが報道されました。
    土地の価格が下落しているということは、それだけ景気が良くないということを示しているともいえますが、実は土地の価格の評価方法は1つだけではありません。
    ここでは、土地のさまざまな評価方法について解説します。

    コロナ禍で基準地価が2年連続下落

    土地のさまざまな評価方法を見ていく前に、まずは新型コロナウイルスの影響で、基準地価が2年連続下落したニュースについて見ていきましょう。

     

    基準地価とは、 各都道府県が選定した「基準地」の価格のことで、毎年7月1日の評価を9月下旬に公表するものです。都道府県が主体となり、1地点につき不動産鑑定士1名以上が鑑定した評価をもとに決定されます。

     

    国土交通省が9月21日に発表した2021年の基準地価は、全用途の全国平均が前年比0.4%の下落と、2年連続のマイナスとなりました。これは、新型コロナの影響でサービス業などの業績が長期低迷をしていることに影響を受けているものといえます。

     

    商業地、住宅地ともに全国平均で前年比0.5%の下落となっており、商業地だけでなく住宅地も低迷していますが、下落幅を見てみると、商業地では0.2%の拡大、住宅地では0.2%の縮小と、商業地の下落幅が大きいことがわかります。

     

    また、東京圏、大阪圏、名古屋圏の3大都市圏を見てみると、大阪圏では、全用途の全国平均が前年比0.3%の下落となっていますが、全国平均より下落幅は小さくなっています。東京圏・名古屋圏においては、全用途の全国平均が前年比で、東京圏が0.2%、名古屋圏で0.5%の上昇と持ち直しの傾向も出てきています。

    土地の評価はひとつではない!基準地価以外の代表的な4つの評価額

    ここまでは、コロナ禍で基準地価が2年連続下落したニュースを見てきましたが、実は土地の評価はひとつではありません。よく使われる土地の評価として、基準地価以外に「実勢価格」「公示地価」「固定資産税評価額」「相続税路線価」の4つがあります。ここでは、それぞれの評価額の内容について見ていきましょう。

     

    ・実勢価格
    実勢価格とは、実際にいくらで土地の売買がされているのかを表す価格のことです。

     

    土地の価格は、税金の計算や売買の目安を把握するためなど、さまざまな目的のもとに評価されています。実勢価格は売買の目安になる価格で、買い手と売り手が合意し、実際に売買された価格です。

     

    ここで注意が必要なのは、不動産会社の広告などに記載されている価格は実勢価格ではないという点です。不動産会社の広告などに記載されている価格は、あくまで売り手の売却希望価格にすぎず、実際にその価格で売却できるかどうかわからないためです。

     

    実勢価格(過去の実際の取引価格)については、国土交通省の「土地総合情報システム」で確認することができます。

     

    ・公示地価
    公示地価は、国が主体となって調査している土地の価格で、さまざまな土地の価格の基準とされるものです。1地点につき、不動産鑑定士2名以上による鑑定評価をもとに土地の価格を決めています。

     

    例えば、民間の土地売買の指標や公共事業を行う際の土地取得の基準になることがあります。公示地価は、毎年1月1日時点の評価額を3月下旬に公表します。

     

    ・固定資産税評価額
    固定資産税評価額は、各自治体が固定資産税を課すための基準となる価額のことです。固定資産税だけでなく、不動産取得税や登録免許税などの不動産に関連した税金の計算のもととなる価額です。

     

    固定資産税評価額は、ほぼすべての土地が対象となっており、3年に1度見直しが行われます。
    固定資産税評価額は、公示地価や基準地価のおおよそ70%を目安に決定されています。

     

    ・相続税路線価
    相続税路線価は、相続税の計算をするために、土地の相続税評価額を求める基になる土地の価格です。毎年1月1日時点の評価額を7月1日頃に発表します。国税庁が主体となって調査し、公示地価や実勢価格、不動産鑑定士等による鑑定評価額などをもとに決まります。

    相続税における土地の評価方法

    財産を所有している人が亡くなったら、納める相続税の計算をするために、まずは所有している財産の時価を計算する必要があります。所有している財産が現金や預金の場合は、その残高が時価になるため問題ありませんが、所有している財産が土地の場合は、評価額を計算する必要があります。

     

    実は、相続税における土地の評価方法には2種類あり「路線価方式」と「倍率方式」とよばれています。それぞれの評価方法について見ていきましょう。

    路線価方式における土地の評価方法

    相続税における土地の評価方法として一般的なものが、路線価方式です。路線価方式とは、路線価を用いた土地の評価方法のことです。

     

    路線価方式による土地の評価額の求め方を簡単にいうと「路線価×土地の面積」です。路線価は、路線価図に記載されている価格であり、国税庁ホームページの「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」に掲載されています。

     

    路線価図には、その土地に面した道路に数字やアルファベット、図形などが振られています。このうち、数字はその道路に面した土地の1㎡あたりの価額を千円単位で表しています。

     

    例えば、記載されている数字が200なら、その道路に面している土地の1㎡あたりの価額は200,000円となります。その土地の面積が500㎡の場合は、200,000円×500㎡=100,000,000円がその土地の評価額となります。

     

    ただし、この計算方法は、土地の形が正方形の場合のものとしたときの基本的なものです。実際には正方形の土地は少なく、間口が狭い、奥行きが長いなど、形はさまざまです。そこで、補正率を乗じるなど、正方形の形として求めた土地の価格(路線価×土地の面積)に、それぞれの土地の形に応じた補正をしていくことになります。

     

    また、土地の中には、不整形な土地や傾斜地になっている土地、そもそも道路に接していない土地など、他の土地に比べて使いにくい土地もあります。それらの土地は、減額の補正をしていくことになります。このように、路線価方式における土地の評価方法は、その土地ごとの状況に応じた評価額を求めることができます。

    倍率方式における土地の評価方法

    もうひとつの土地の評価方法は、倍率方式です。倍率方式における土地の評価方法とは、固定資産税評価額と、評価倍率表に記載されている倍率を使って土地の評価額を計算する方法です。倍率方式における土地の評価額は「固定資産税評価額×倍率」で求めます。

     

    評価倍率表も路線価と同様に、国税庁ホームページの「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」に記載されています。固定資産税評価額は、毎年、市区町村から送られてくる固定資産税の納付書や通知書などに記載されています。

     

    倍率方式では、例えば固定資産税評価額が10,000,000円、評価倍率表に記載されている倍率が1.1の場合は、10,000,000円×1.1=11,000,000円が評価額となります。

    まとめ

    新型コロナウイルスの影響で、基準地価が2年連続下落しました。全用途の全国平均が前年比0.4%の下落となり、2年連続下落していますが、一方、3大都市圏では回復傾向もみられ、次年度以降どうなるのかが注目です。

     

    また、土地の価格には基準地価以外にも「実勢価格」「公示地価」「固定資産税評価額」「相続税路線価」の4つがあります。それぞれ、価格の算出方法や意味合いが異なります。

     

    土地の価格を知る必要がある場合は、それぞれの価格の意味を理解し、どの価格を参考にしたらよいのかを間違えないようにしましょう。

    長谷川よう
    会計事務所に約14年、会計ソフトメーカーに約4年勤務。個人事業主から法人まで多くのお客さまに接することで得た知見をもとに、記事を読んでくださる方が抱えておられるお困りごとや知っておくべき知識について、なるべく平易な表現でお伝えします。
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