年金を担保に融資を受けられる!法律で認められた唯一の制度を解説 – マネーイズム
 

年金を担保に融資を受けられる!法律で認められた唯一の制度を解説

    公開日:
    2022/01/12
     
    • Facebookでシェア
    • Twitterでシェア
    • LINEでシェア

    年金担保貸付事業は独立行政法人福祉医療機構が実施している制度で、この制度では高齢者が年金を担保に貸付を受けられます。年金を担保にできる唯一の制度ですが、2022年3月に申し込み受付終了を控えているため、注意しましょう。
     
    この記事では年金担保貸付事業について利用方法や金利など、利用時に知っておくべき知識を解説します。

    独立行政法人福祉医療機構による年金担保貸付事業とは

    年金を担保に融資を受けられる唯一の制度

    年金担保貸付事業は、年金を担保に高齢者が貸付を受けられる唯一の事業です。こちらの事業以外で、年金を担保に貸付を行うことは金融機関に認められていません。
     
    このような事業を実現できる理由は、独立行政法人福祉医療機構が保有している年金の受給権を担保にできるからです。最初から担保にできるものを管理しているため、改めて担保になるものを差し出してもらわなくとも貸付が可能となる仕組みです。

    利用用途は制限されている

    年金担保貸付事業で借入できるお金は、利用用途が制限されています。申し込みする際に利用用途と金額の見積もりが必要です。認められる利用用途には、例として以下が挙げられます。

    • 医療費
    • 介護費
    • 福祉費
    • 冠婚葬祭の費用
    • リフォーム費用
    • 生活必需品の購入費用

    上記例のとおり、生活するにあたって必須の費用の支払いに利用できます。生活資金や旅行のための資金として借入することが認められていません。その上、事前に見積もりが必要となるため、必要以上に高額な借入もできません。

    年金担保貸付事業を利用する方法

    制度利用の相談

    最初に独立行政法人福祉医療機構による年金担保貸付事業を利用するかどうかの相談をしましょう。相談先は「独立行政法人福祉医療機構代理店」との記載があり、年金受取口座に利用している店舗の窓口です。すべての金融機関で取り扱いがあるわけではないため、受託金融期間については事前に調べておくべきです。例えば、ゆうちょ銀行や農協などの一部の金融機関は取り扱いがありません。
     
    もし利用している金融機関が、独立行政法人福祉医療機構による年金担保貸付事業に対応していない場合に借入を希望する際には、年金の受取口座を変更しなければなりません。対応している金融機関に変更をしてから、改めて利用するかどうかの相談をすると良いでしょう。

    借入申込書の提出

    相談した結果、年金担保貸付事業を利用するとなれば、受託金融機関を通じて申し込みを行います。借入申込書を記入・提出して手続きを進めましょう。記入しなければならない書類は受託金融機関によって異なる可能性があるため、担当者の案内に従って対応するようにしましょう。
     
    なお、申込書は記入するだけではなく、借入申込金額に応じて印紙税法で定められた収入印紙を貼り付けしなければなりません。申し込み金額によって必要な金額は変動するため、指示に従って収入印紙を用意することが求められます。

    また、申込書と同時に提出すべき書類があります。基本的には以下の書類を用意しておきます。

    • 年金証書
    • 現在の年金支給額を証明する書類
    • 実印および印鑑登録証明書
    • 本人確認書類
    • 資金使途の確認資料
    • 保証人が分かるもの

    これらをすべてまとめて、申込書と一緒に提出しなければなりません。申込書だけを用意しても受付してもらえないため、どのような書類が必要となるのかは事前に確認をしておくことが大切です。

    審査および結果の通知

    申込書の作成と必要書類の提出が完了すれば、独立行政法人福祉医療機構により貸付の審査が実施されます。審査には4〜5週間程度必要となるため、利用したい場合は余裕を持ったスケジュールで臨みましょう。なお、具体的に貸付を受けるまでのスケジュールは金融機関によって異なります。
     
    審査が完了すれば、取扱金融機関より審査結果が通知されます。基本的には電話連絡がくるため、電話対応できるようにしなければなりません。

    貸付の実施

    問題なく審査に通過できれば、貸付が実施されます。決定された貸付の実行日に指定した預金口座に振込されて一連の手続きは完了します。なお、入金の時間については指定できないため、その点は認識しておきましょう。

    制度利用時の注意点

    連帯保証人が必要となる

    年金担保貸付事業を利用する際は、連帯保証人が必要です。年金を担保に借入をしますが、連帯保証人も用意しなければなりません。
     
    連帯保証人は万が一契約者が完成前に死亡して、法定相続人が相続放棄をした場合に返済の義務を負います。重要な責任を負うため、事前にリスクなどを伝えて承諾しておいてもらわなければなりません。
     
    ただ、すべての人が連帯保証人を見つけられるとは限りません。そのため、連帯保証人を見つけられない時のために、信用保証制度が用意されています。

    こちらの制度を利用すれば、公益財団法人年金融資福祉サービス協会が連帯保証人に代わり保証をしてくれます。一定の保証料を支払う必要はありますが、仮に連帯保証人が見つからない場合でも年金担保貸付事業は利用できるようになっています。

    追加の借入ができない

    年金担保貸付事業では、追加の借入に対応していません。最初に金額を決めて契約してしまうと、後は返済する選択肢しかありません。
     
    もし、追加で借入をしたい場合は、まず現時点での契約金額をすべて返済しなければなりません。一般的なカードローンのように、都合に応じて返済と借入を自由に繰り返せる仕組みではないため注意が必要です。

    融資まで4週間程度要する

    上記でもご説明したとおり、年金担保貸付事業は申し込みをしてから融資まで4週間程度を要します。状況によっては5週間程度必要となる場合もあり、時間に余裕を持って申し込みをしなければなりません。
     
    もし、緊急でお金が必要となるならば、独立行政法人福祉医療機構による年金担保貸付事業は適していません。別の手段を利用して現金を調達するようにしましょう。

    年金担保貸付は2022年3月で廃止

    申込受付が2022年3月まで

    年金担保貸付事業は年金制度改正により、2022年3月で申し込み受付が終了すると決まりました。このタイミングまでは新規申し込みが可能で、今までと同様に利用できます。

    なお、制度としては廃止されるものの、廃止に伴い繰り上げ返済の義務はありません。事前に申し込みさえしておけば、今と同じように利用ができます。

    生活福祉資金貸付制度など代案もあり

    年金担保貸付事業が終了する代わりに、生活福祉資金貸付制度があります。こちらは保証人がいれば無利子で借入できる制度で、限度額は580万円です。
     
    条件次第では無利子で利用できることもありますが、制度を利用できる人は限られています。生活に困窮している人でなければ利用できないため、年金担保貸付事業よりもハードルは高いと言えるでしょう。

    ☆ヒント
    年金担保貸付制度は年金を担保として融資することが法律で唯一認められた制度です。令和4年3月で廃止される制度であるため、その後も家計に関する支援が必要な方は、他の融資制度や貸付制度について税理士と相談することをおすすめします。

    まとめ

    独立行政法人福祉医療機構による年金担保貸付事業は、年金を担保に貸付を受けられる唯一の制度で、資金の利用用途は制限されています。利用する際には、取り扱いしている金融機関での相談から始めなければなりません。すべての金融機関が対応しているわけではないため、対応している金融機関を確認し申し込みをしましょう。

    なお、独立行政法人福祉医療機構による年金担保貸付事業は制度の廃止が決まっています。利用を考えている場合は、2022年の3月までに申し込みをしましょう。

    松崎ぶっち
    立命館大学卒。
    在学中に起業・独立などにあたり会計や各種監査などの法規制に対応するためのシステム導入ベンダーを設立。紆余曲折を経て多くのシステムを経験。
    システム導入をされるお客様の起業活動を通じて得た経験、知見を活かし皆さんの気になるポイントを解説します。
    • Facebookでシェア
    • Twitterでシェア
    • LINEでシェア