金融機関で進む手数料の有料化!銀行の各種手数料について解説 | MONEYIZM
 

金融機関で進む手数料の有料化!銀行の各種手数料について解説

ゆうちょ銀行の硬貨両替が2022年(令和4年)1月17日から「硬貨取扱手数料」として有料化されることになりました。有料化が進む金融機関の各種サービスで、どのような手続きにいくら手数料がかかるのか?手数料を無料にする方法はあるのか?などについて解説していきます。

銀行に支払う手数料にはどのようなものがあるか

金融機関利用者が支払う各種手数料

  • 振込手数料
  • 口座振替手数料
  • 手形や小切手の取立手数料
  • 両替手数料
  • 小切手帳・手形帳発行手数料
  • 残高証明書発行手数料

この他にも融資を受ける際の融資事務手数料や海外送金手数料など、特に企業が負担している特別な手数料もあります。
また、新設する金融機関が増えている新しい手数料として、次のようなものがあります。
 

●通帳発行手数料
紙ベースの通帳を発行する際にかかる発行手数料です。以前は無料でしたが、通帳発行にあたって金融機関が印紙税を負担していることもあり、費用を預金者が一部負担することになります。
 

●未利用口座手数料
預金者が使っていない、いわゆる「休眠口座」を管理するためにかかる手数料です。休眠口座であっても金融機関はシステム上管理しなければならないため、コストを預金者が一部負担することになります。また、コストを負担を望まない預金者が休眠口座を解約することで、休眠口座の整理にもつながります。
 

有料化が進む金融機関の手続き

ゆうちょ銀行が2022年(令和4年)1月17日から硬貨両替について「硬貨取扱手数料」として有料化に踏み切りました。
それまで無料で行っていた両替業務を、取り扱い枚数に応じて有料とするものです。これにより51枚以上の両替は全て有料となります。
 
このような金融機関の手続き業務の有料化が進んでいる背景には、金融機関の収益減少が挙げられます。バブル経済全盛期の1990年(平成2年)をさかいに、政府の低金利政策により金融機関の収入源である貸出金利と調達金利の差額(利鞘)が減少傾向にあります。企業を存続させるためにも、手数料による収益増を目指すのは金融機関にとって必然の流れなのかもしれません。

取引ごとの手数料の違いについて解説

手数料は銀行ごとに差がある

同じ取引内容であっても、金融機関によって手数料の金額は異なります。三大メガバンクを例に各金融機関ごとの手数料の違いを比較してみます。

  三菱UFJ銀行 三井住友銀行 みずほ銀行
 振込手数料
(窓口)
同一行宛
3万円未満  330円
3万円以上  550円
 

他行宛
3万円未満    594円
3万円以上 770円

同一店宛
3万円未満  220円
3万円以上  440円

 

同一他店宛
3万円未満  330円
3万円以上  550円

 

他行宛
3万円未満    605円
3万円以上 770円

同一店宛
3万円未満  440円
3万円以上  660円

 

同一他店宛
3万円未満  440円
3万円以上  660円

 

他行宛
3万円未満    710円
3万円以上 880円

両替手数料
(窓口両替
口座あり)
10枚まで  無料
500枚まで 550円
501枚以降 500枚ごとに+550円
10枚まで   220円
500枚まで   770円
1,000枚まで 1,540円
以降500枚ごとに+770円
10枚まで   無料
500枚まで  550円
1,000枚まで 1,320円
以降500枚ごとに+660円
通帳発行手数料 1冊ごとに年間550円 1冊ごとに年間550円 1冊ごとに1,100円
未利用口座手数料 1口座
年間 1,320円
1口座
年間 550円

 
振込手数料についてはどの金融機関も共通して「3万円」を境に、手数料がかわることがわかります。また、両替手数料については取扱枚数に応じて手数料が増加する傾向にあります。
 

ゆうちょ銀行が両替業務を有料化したのは、こういったメガバンクの両替手数料に対抗するためであったと推測されます。
 

「通帳発行手数料」「未利用口座手数料」については、まだ新設されたばかりということもあり金融機関によって取り扱いに差があることがわかります。共通していえるのは、以前は無料であった通帳発行や口座管理手数料を有料化し、業務のペーパーレス化・効率化を金融機関が目指しているということが伺えます。

ネットバンキングにかかる手数料とは?

パソコンやスマートフォンなど、インターネット環境の普及に伴い近年取引が増えているのが「ネット銀行」や「ネットバンキング」といった電子取引です。
 

ウェブ上の口座を使って24時間365日いつでもどこからでも操作ができる利便性から利用者が増加しています。(金融機関によっては一部24時間運用していないところもあります)
 

ネットバンキングについても窓口やATMを利用するとき同様、手数料がかかるケースがあります。しかし、金融機関が業務のペーパーレス化、電子化を推進している影響もあり、窓口でサービスを受ける際に支払う手数料よりも安いという傾向があります。
 

例えば「セブン銀行」では、7時から19時までの預金引き出しが無料ですし、預け入れは24時間無料です。また、振込手数料についても、セブン銀行宛であれば「55円」、他行宛であっても「165円」と金融機関の窓口で手続きを行うよりも格段に安くなっています。

利用者にとって費用負担を減らす有利な方法とは?

手数料が無料になるケースがある

窓口やATMを利用して振込みをするケースで、手数料を無料としている金融機関はないようです。手数料が無料になる取引があるのはやはり「ネット銀行」「ネットバンキング」といったものに限られてきます。
 

代表的な例としては、セブン銀行やローソン銀行、住信SBIネット銀行などのネット銀行が提供している「一定回数までの振込は手数料が無料」というのが主流のようです。
 

なかには、ソニー銀行のように取引条件によってランクが上がりATM手数料が無料になる金融機関もあります。またPAYPAY銀行のように預金残高が3,000万円を超えるとATM手数料が無料になるというサービスもあります。
 

いまはネット銀行、ネットバンキングが一般的に普及し始めたこともあり、各金融機関が様々な特典を用意して顧客獲得に動いているところです。
 

手数料が自分にとって最も有利になる金融機関について、最新の提供サービスについて常にアンテナを張り、情報を集めてみるのも一つの方法です。

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まとめ

一取引あたりの金額が僅少であるため、なかなか気が付きにくい金融機関の手数料も、長い目でみればその負担額は大きなものとなります。金融機関ごとの違いをよく見極めながら自分に合った取引方法を探してみてはいかがでしょうか。

奥谷佳子
Webライター/ライター
フリーランスとして様々な記事を執筆する傍ら、経理代行業なども行う。 自身のリアルな経験を活かし、税務ライターとして活動の場を広げ、実務で役立つ生きた税法の解説に努めている。 取材を通じて経営者や個人事業主と関わることも多く、経理や税務ほか、SNSを使った情報発信の悩みにも応えている。