中小企業の社内コミュニケーション改善に
役立つツールと導入の注意点

中小企業の社内コミュニケーション改善に  役立つツールと導入の注意点
公開日:
2020/10/08
 
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個の尊重が重要視されるようになり、社内旅行や創立記念行事などのイベントを行う企業は減っています。しかし最近は活発な社内コミュニケーションが多くのメリットをもたらすことから、改善や活性化に向けての動きも目立ち始めています。コミュニケーションの改善・活性化に役立つツールや導入の注意点をご紹介します。

中小企業が社内コミュニケーション改善で得られるメリット

労働者が得られるメリット

・働きやすくなる

社内コミュニケーションが活発に行われると、社員同士が良好な関係で働くことができるようになります。プライベートも含めて互いにいろいろな話をすることで共通の話題や関心を持ち、親密で心地よい人間関係づくりができます。会話が弾む良好な雰囲気の職場になり、働きやすくなります。

・モチベーションが上がる

人間関係が良好な働きやすい職場では向上心が刺激され、モチベーションも上がります。活発なコミュニケーションは、労働者同士の横の関係を良好にするだけでなく、上司と部下という縦の関係も強化します。上司に対する信頼を生み、期待に応えよう、というさらなる意欲を生む効果も期待できます。

・能力が向上する

労働者間でのコミュニケーションが親密に行われている中では、仕事に関する情報交換も積極的に行われます。年長者や勤務歴が長い人からの積極的な指導やアドバイスによって、若い世代や経験が浅い者の能力向上が図れます。反対に中年以降世代の多くが不得手分野としているIT関連について年少者から知識を得て、労働者全員が一定のレベルで今後導入するツールが使えるようになることも期待できます。

事業主が得られるメリット

・生産性が向上する

コミュニケーションが十分に図れている職場は働きやすく、労働者はそれぞれの能力を十分に発揮することができます。個々の労働者の生産性が高まり、全体としての生産性も向上します。

・離職率が下がる

活発なコミュニケーションがある職場は労働者同士の意思疎通が十分に図られている、風通しの良い環境です。不平や不満が起こりにくく、また起きたとしても周囲への相談がしやすいため早期の解決が望めます。誰にとっても居心地の良い職場となって定着率が上がり、離職率が減少します。

・人材が育成できる

活発にコミュニケーションが行われていると、何気ないやり取り・会話の中で知識や技術、スキルの伝達が行われます。勤務歴の長い人や有資格者、高いスキルを持った人から、普段の労働の間に教育が行われ、自然な形で人材育成ができます。

社内コミュニケーション改善に役立つツール

すぐに取り入れられるツール

・サンクスカード

何かをしてもらったときにお礼の言葉をカードに書いて、相手に渡して感謝の気持ちを伝える制度がサンクスカードです。カードにすることで、そのときに言う「ありがとう」の言葉だけでは伝えきれない思いを、きちんと伝えることができます。受け取った側のモチベーションアップにつながるだけでなく、渡す側にもあらためて感謝の気持ちが芽生え、次には自分が受け取る側になろうと努力する気持ちを生む効果があります。

・面談

査定の一環として行われる上司による面談も、社内コミュニケーションの1つとして活用可能です。業績や仕事内容に関わることばかりでなく、家族や趣味といった私生活に関する話をすることで、良好で親密な関係が築けます。また今後の目標や人生設計などを聞き出し、将来につながる業務を割り振るなどの応援をすることもできます。

直接的なコミュニケーションが取れるツール

・体験型行事

職場での関係にかかわらず、全員で同じ体験をすることでコミュニケーションを密にできるのが体験型行事です。バーベキューやキャンプといった体験を通じて相手のことをよく知り、自分のことの知ってもらう相互理解を深めることができます。ディスカッションや学習の時間を組み入れれば、研修や教育プログラムとしても利用できます。社員旅行に抵抗を抱く若い世代でも参加しやすいよう、日帰りにしたり世代に関係なく興味を示す内容にしたりする工夫が重要です。

・社員食堂

社員食堂は社内コミュニケーションを活発にする効果があるだけでなく、福利厚生にもなる一石二鳥の方法です。食事をともにすることで家族のような一体感が生み出せます。労働者にとっても栄養バランスの良い食事が安く食べられるというメリットがありますが、会社にとっては設置に大がかりな工事が必要で維持コストもかかるというデメリットがあります。社員食堂をアウトソーシングとして提供しているサービスもあるので、必要に応じて検討しましょう。

システム構築が必要なITツール

・社内SNS

LINEやFacebook、InstagramのようなSNSを、社内用に構築して運用するコミュニケーションツールです。誰でも簡単に情報を発信することができ、気軽で活発のやり取りが期待できます。しかし言葉遣いによる行き違いが生じたり、安易な発言が炎上騒動に発展したりする可能性があります。

・チャット

会話形式でやり取りを行う、LINEに近いコミュニケーションツールです。掲示板にも似ていて、テーマを決めて意見を出し合ったり、共通して認識することが必要な事項を掲載する掲示板のように使ったりすることができます。

・Web社内報サービス

紙で配付していた社内報を、Webで閲覧できるようにしたコミュニケーションツールです。パソコンだけでなくスマホからも閲覧できるようにすることで、若い世代からの利用が期待できます。従業員の家族も参加できるコミュニケーションツールですが、発信側からの一方的なものになりやすいというデメリットがあります。

社内コミュニケーション改善ツール導入の注意点

ニーズに合うツールを選ぶ

導入する社内コミュニケーションツールは、労働者のニーズを考慮して選ばなければなりません。ニーズと合致していない、あるいはニーズを満たしていないツールはせっかく導入しても利用されず、宝の持ち腐れとなってしまいます。選定の際にはしっかりと労働者の意見を調査し、ニーズを把握するようにしましょう。

 

またニーズは労働者全体で把握しないと、積極的に利用する労働者と興味を持たない労働者の差が生じます。強いニーズがあってもそれが一部の、特定の労働者によるものでないか、十分な確認が必要です。

費用対効果を考える

コミュニケーションツールはかかる費用に見合うだけの効果が得られるかどうか、しっかりと検討してから導入を決定することも大切です。とくに社員食堂の設置やシステムの構築といった多額の費用を必要とするツールを導入する場合には、十分な費用対効果の検討が必要です。導入費用だけでなく運営にかかる費用についても加味し、慎重に判断しましょう。

まとめ

社内コミュニケーションは労働者・事業主の双方に、メリットをもたらします。コミュニケーションツールによって個人を尊重しながら社内コミュニケーションを図ることも可能になってきています。中小企業もさまざまなツールを導入・活用して、積極的に改善・活性化を図りましょう。

矢萩あき
複数の企業で給与計算などの業務を担当したことから社会保険や所得税などの仕組みに興味を持ち、結婚後に社会保険労務士資格とファイナンシャルプランナー資格(AFP)を取得。現在はライターとして専門知識を活かした記事をはじめ、幅広い分野でさまざまな文章作成を行う。
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