時価・公示地価・路線価の違いは?地価の種類について解説 – マネーイズム
 

時価・公示地価・路線価の違いは?地価の種類について解説

コロナ禍により大幅に下落した地価が、感染状況の落ち着きに伴って上昇基調に転じています。ところで、ひとくちに地価といっても、「公示地価」「路線価」をはじめ様々な指標があり、不動産の売買額や税金の課税額などに反映されています。今回は、同じ土地なのに「一物四価」とも「五価」ともいわれる地価についてまとめました。

時価は「土地の売買に関係する地価」

時価(実勢価格)とは?

まずは「時価」からみていきましょう。
通常、時価は「実勢価格」を意味します。実勢価格とは、名前の通り「実際に取引された価格」のことです。例えば、3,000万円で売り出された土地が2,700万円で売れたら、2,700万円がその土地の実勢価格になります。つまり、土地の「相場」「市場価格」といってもいいでしょう。土地を売りたい、あるいは買いたいという時には、これが重要な判断材料になります。
 

過去の取引の実勢価格については、国土交通省のWEBサイト「土地総合情報システム」の「不動産取引価格情報検索」で閲覧することができます。土地を購入した買主へのアンケート調査を基にデータ化したもので、該当地域の相場を知る参考になります。

ただし、時価=実勢価格ではないこともある

通常、時価といえば「相場」「市場価格」を意味しますが、課税額計算の実際の運用においては必ずしもそうはなりません。次に相続について説明しますが、相続税法は、土地を含む相続財産は、やはり「時価」で評価するよう定めています。ただし、国税庁が定めた財産評価基本通達では、宅地は原則として「路線価」などをもとに評価することになっていて、時価とはいっても実勢価格とは別のモノサシが存在するのです。これが「一物四価」を生む原因です。

公示地価は「土地の贈与・相続に関係する地価」

公示地価とは?

次に「公示地価」について説明します。
公示地価は、毎年1月1日時点の標準地(全国約3万ヵ所)の“適正価格”を評価し、3月下旬に国土交通省が公示する地価です。評価は不動産鑑定士によって実施され、公共事業の用地買収などは、この価格を基準に行われます。
 

公示地価は「国定の地価」のため、実際の評価額は実勢価格に近いものになります。ただ、評価地点は限られ、全国どこでも値段が明確にされているというわけではありません。これについても、国土交通省の土地総合情報システムで閲覧できます。

基準地価とは?

また、この公示地価を補完するものとして「基準地価」があります。調査の主体は各都道府県で、毎年7月1日の評価が9月20日ごろに公表されます。評価の対象となるのは全国の約2万地点の基準地となっており、地価の評価方法は公示地価とほぼ同じです。そのため、やはり実勢価格とほぼ同じ評価額になります。公示地価とは、約半年間の調査時期のずれがあるため、この間の価格変動を測る指標にもなっています。

路線価とは?

土地の相続税や贈与税の計算の基礎となるのが、「路線価(相続税路線価)」です。毎年の1月1日を基準日とする土地の評価額で、国税庁が7月初旬ごろに公表します。
 

路線価自体は、名前の通り土地全体の価格ではなく、道路に付いた評価額です。所有地に接している道路の路線価に、土地の面積を掛け合わせることで、贈与税・相続税を計算する際の評価額を求めることができます。なおこの路線価は、先ほどの「公示地価の80%」を目安に決定されています。普通は公示地価(≒実勢価格)よりも安く評価されるということです。

「不動産の税金」に関係する地価は?

固定資産税評価額とは?

一方、土地などの不動産に毎年課税される固定資産税や、それを取得した時にかかる不動産取得税、登録免許税など不動産関連の税金の計算の基礎となるのが「固定資産税評価額」です。全国のほとんどの土地が対象となっており、3年に1回(3年おきの1月1日時点)価格が更新されますが、3年間の間に大きく価格が変動している場合には修正が加えられることもあります。この固定資産税評価額は“公示地価の70%”を目安に決定されています。
 

固定資産税評価額は、他の地価と違い、原則としてその土地・建物の所有者、借地人、借家人のみが知ることができます。評価額は、市町村から届く納税通知書に記載されています。

地価を整理すると

説明してきた5つについて、表にまとめました。ちなみに、地価を「一物四価」という場合は、このうちの「基準地価」を除いた4つを指します。

            

利用タイミング 評価の水準 基準日 公表時期 管轄
実勢価格 土地の売買 ほぼ時価と同じ 随時 年数回 国土交通省
公示価格 土地の売買 ほぼ時価と同じ 1月1日 毎年3月中旬 国土交通省
基準地価 土地の売買 ほぼ時価と同じ 7月1日 毎年9月中旬 都道府県
路線価 相続税・贈与税の支払い 公示地価の80%が目安 1月1日 毎年7月初旬 国税庁
固定資産税評価額 固定資産税、不動産取得税などの支払 公示地価の70%が目安 1月1日 3年に1回、4月中旬 市区町村

贈与・相続の際には要注意

このように一覧表にすると分かりやすいのですが、贈与や相続の際の土地の評価額の算出には注意が必要です。先述のように、基本的には「路線価×土地の面積」で求められるのですが、同じ面積の土地でも形状や道路との接し方などによって、評価額が変わってくるためです。簡単に言うと、使い勝手の悪い土地の評価額は、“公式”の価格よりも引き下げることが認められているのです。
 

ただし、具体的な計算は、素人には難しいと言わざるを得ません。必要に応じて、相続に詳しい税理士などの専門家にサポートを頼むべきでしょう。

まとめ

地価には、「時価(実勢価格)」「公示地価」「基準地価」「路線価」「固定資産税評価額」があり、それぞれ調査の主体、評価方法、使われるシチュエーションや目的に違いがあります。売買や贈与、相続などの際に参考にしてください。

マネーイズム編集部
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