駐車場と住宅の固定資産税は違う?土地の種類ごとに固定資産税を徹底比較 – マネーイズム
 

駐車場と住宅の固定資産税は違う?土地の種類ごとに固定資産税を徹底比較

公開日:
2022/08/05
 

不動産を所有している際にかかる税金といえば、固定資産税です。実は、固定資産税の計算は一律ではなく、駐車場と住宅では固定資産税の計算方法が異なります。また、畑の場合も固定資産税の計算方法が異なります。
 

そこで、今回は土地の種類ごとに、固定資産税の計算がどのように違うのか徹底比較します。

そもそも固定資産税とは

土地の種類ごとの固定資産税を見ていく前に、まずは、そもそも固定資産税とはどのようなものかを見ていきましょう。

固定資産税とは、その名の通り、固定資産にかかる税金です。固定資産税は、1月1日時点で固定資産を所有している人が、固定資産の所在する市町村に納める地方税のひとつです(東京都23区内の場合は、東京都に納める)。市町村にとって、固定資産税の収入は大きく、2020年度の市町村税収における固定資産税の割合は約41%となっています。
 

ひとことで、固定資産税といっても、課税の対象は多岐にわたります。課税の対象は、大きく分けると土地、家屋、償却資産の3つ。償却資産とは、法人や個人事業主が事業で使っている工具や備品などの固定資産のことです。
 

固定資産税は原則、次の計算式で求めます。
 

固定資産税の金額=課税標準額(固定資産の評価額)×税率(標準税率1.4%)
 

例えば、課税標準額(固定資産の評価額)が1,000万円の固定資産に課される固定資産税は、1,000万円×1.4%=14万円になります。
 

では、固定資産税の計算の基になる課税標準額は、どのように決まるのでしょうか。これは、市町村の長が総務大臣が定めた基準に基づいて、土地、家屋、償却資産ごとに決定します。例えば、土地は、売買実例価格等を基礎として評価額を計算するなどの方法で決定されます。
 

そのため、納税者が自分で固定資産税の金額を計算する必要はありません。原則、市区町村から送られてくる通知書や納付書を基に支払います。土地や家屋の固定資産は、3年に一度評価が見直され、償却資産は、毎年、申告書を提出する必要があります。

駐車場と住宅では固定資産税がどう違う?

固定資産税は、大きく分けて土地、家屋、償却資産の3つに課され、それぞれで課税標準額(固定資産の評価額)の求め方が違います。
 

しかし、同じ不動産であっても、駐車場と住宅のように用途が違うと、固定資産税の計算が異なるケースもあります。そこで、ここからは駐車場と住宅では固定資産税がどう違うのか見ていきましょう。

駐車場と住宅の固定資産税の違いとは

駐車場と住宅の固定資産税を比べてみると、総じて駐車場のほうが、住宅よりも税金が高くなっています。これは、住宅には固定資産税が低くなる特例が適用されるためです。
固定資産税における住宅の特例は、土地と家屋の両方にあります。それぞれの特例を見ていきましょう。
 

・土地に対する特例(住宅用地特例)
住宅として使われている土地は、それ以外の土地よりも、固定資産税が低く設定されています。これは、固定資産税の評価額を軽減する措置が適用されているためです。軽減率は面積によって次のように異なります。
 

小規模住宅用地(200㎡以下の部分):評価額×1/6
一般住宅用地(200㎡超の部分) :評価額×1/3
 

・家屋に対する特例(新築住宅特例)
住宅として使われている家屋で新築のものは、それ以外の家屋よりも固定資産税が低く設定されています。これを「新築住宅特例」といいます。
 

新築住宅特例には、一般住宅分と長期優良住宅分(長期に使用するための構造などをしている住宅)があります。一般住宅分と長期優良住宅分では、一般住宅分が3〜5年、長期優良住宅分が5〜7年と適用年数が異なりますが、どちらも床面積120㎡を限度として、固定資産税が1/2に減額されます。
 

一方、駐車場には、これらの特例措置は適用されません。そのため、駐車場のほうが、固定資産税が高くなります。また、フェンスや精算機、照明器具などを駐車場に設置した場合は、償却資産税もかかる可能性もあるので、注意が必要です。

駐車場と住宅の固定資産税シミュレーション比較

では、駐車場と住宅では、どれぐらいの固定資産税の差が出てくるのでしょうか。同じ面積の駐車場と住宅で、固定資産税を計算してみましょう。
 

例)面積200㎡の土地で、課税標準額(固定資産の評価額)が6,000万円の場合
 

・駐車場の場合
固定資産税の金額=課税標準額(固定資産の評価額)6,000万円×税率(標準税率1.4%)=84万円
 

駐車場には軽減措置などの特例がないため、、課税標準額(固定資産の評価額)に税率を乗じて固定資産税の金額を求めます。
 

・住宅用地の場合
固定資産税の金額=課税標準額(固定資産の評価額)6,000万円×1/6×税率(標準税率1.4%)=14万円
 

200㎡以下の住宅用地の場合、評価額の1/6に税率を乗じて固定資産税を計算します。
 

この例の場合、同じ面積の土地であっても、駐車場として使うのと、住宅用として使うのでは、固定資産税が84万円-14万円=70万円も違うことになります。
 

畑にかかる固定資産税は計算方法が異なる

駐車場と住宅では、軽減措置などにより固定資産税の計算方法が異なっていました。実は、畑についても固定資産税の計算方法が異なります。ここからは、畑の固定資産税について見ていきましょう。

地目が畑の場合の固定資産税とは

畑の場合は、固定資産税の計算方法が異なります。では、自分の土地が畑かどうかはどのように見分けるのでしょうか。それぞれの土地には、地目が定められています。地目とは、主たる用途の区分のことです。
 

地目には大きく分けて「登記地目」と「課税地目」の2つがあります。それぞれ次のように異なります。
 
・登記地目:登記簿に記載されている地目
・課税地目:固定資産税の課税用に登録されている地目
 

登記地目は、あくまで登記簿に記載されている登記上の地目です。一方、課税地目は固定資産税を課税するために、現状に合わせて登録されている地目のことです。つまり、課税地目が畑の場合には、畑として固定資産税を計算することになります。
 

課税地目が畑の場合には、畑の状況や所在地によって、一般農地と市街化区域農地に分かれて固定資産税が課されます。また、市街化区域農地はさらに生産緑地内農地、一般市街化区域農地、特定市街化区域農地の3つに分かれます。それぞれの内容は次のようになります。
 

  • ・生産緑地内農地:行政から生産緑地の指定を受けている市街化区域農地
  • ・一般市街化区域農地:生産緑地内農地、特定市街化区域農地以外の市街化区域農地
  • ・特定市街化区域農地:首都圏、中部圏、関西圏にある一定の市街化区域農地

農地に対する固定資産税の特例

畑などの農地には、次の2つの評価方法の特例があります。
 

  • ・農地評価:農地の売買実例価格を基に評価する方法
  • ・宅地並評価:宅地の売買実例価格を基に評価し、そこから造成費相当額を控除する方法

一般農地と生産緑地内農地は、農地評価を基に固定資産税を計算します。一般市街化区域農地と特定市街化区域農地は、宅地並評価を基に固定資産税を計算します。また、一般農地と生産緑地内農地、一般市街化区域農地は農地の負担調整措置がとられ、特定市街化区域農地は宅地の負担調整措置がとられます。
 

農地は、一般の土地よりも固定資産税が低く評価されますが、一般農地と生産緑地内農地が最も低く、次に一般市街化区域農地が低く、固定資産税が計算されます。特定市街化区域農地は、一般の宅地に近い固定資産税の金額になります。
 

以上をまとめると下記のようになります。
 

土地の評価 課税方法
一般農地 農地評価 農地課税
市街化区域農地 生産緑地内農地 農地評価 農地課税
一般市街化区域農地 宅地並評価 農地に準じた課税
特定市街化区域農地 宅地並評価 宅地並課税

まとめ

固定資産税の計算方法は、不動産の用途によって大きく異なります。住宅用地や農地などの固定資産税は低く計算されますが、駐車場は高くなります。所有している固定資産の課税状況がどうなっているのかを知りたい場合は、固定資産税の通知書や課税地目などを確認しましょう。
 

また、遊休地などがあり、土地の使い方を考えている場合は、固定資産税のことも忘れずに考慮しておきましょう。
 

長谷川よう
会計事務所に約14年、会計ソフトメーカーに約4年勤務。個人事業主から法人まで多くのお客さまに接することで得た知見をもとに、記事を読んでくださる方が抱えておられるお困りごとや知っておくべき知識について、なるべく平易な表現でお伝えします。