財布を落とした時に使える!?警察署や交番でお金を借りることについて – マネーイズム
 

財布を落とした時に使える!?警察署や交番でお金を借りることについて

出先や旅行先で財布を落としたり、失くしたりということはよく聞く話です。誰かと一緒であったり、携帯電話、電子マネー、クレジットカードなど何かあったりすれば緊急事態でもなんとかしのぐこともできます。
しかし、一人でどうしようもない場合には、「警察で借りる」方法もあることをご紹介します。
 

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公衆接遇弁償費制度って何?

公衆接遇弁償費制度とは警察官が貸し出したお金の弁償制度のこと

出先でトラブルに遭い、帰りの交通費すらなくなってしまった場合に、交番等で警察官からお金を借りられる場合があります。
しかし、残念ながらその警察官の厚意が報われない、つまり、お金が返ってこないことがあり得ます。
 

公衆とは一般の人々であり、接遇(せつぐう)とは相手の立場を理解して、適切に応対することを言います。そして、「弁償」とはある人の損害を補うことです。
したがって、公衆接遇弁償費の「弁償」とは、お金を貸した警察官への補償という意味です。
 

つまり、公衆接遇弁償費制度とは、一般の人々に対する制度ではありません。警察官などに対して一般の人々に貸したお金が返ってこない場合のリスク負担軽減策としてある補償制度です。
 

この制度があれば、警察官も安心してお金を貸せます。
 

警視庁のサイトでは、「公衆接遇弁償費(こうしゅうせつぐうべんしょうひ)」について次のような場合に、支出できるとしています。
 

  • ➢ 外出先で所持金を盗まれたり、失くしたりした者への交通費
  • ➢ 行方不明者などの保護をして、応急的な措置をする費用
  • ➢ 出先の途中で病気や事故にあった者を、救護するための一時的な応急措置の経費

 

これらの理由はどれをとっても、緊急を要する正当な理由があるものに限られていることが分かります。

交番などでお金を借りる時の大前提

何があるか分からないご時世、万が一の時を想定し、借りる時の大前提を挙げておきます。
 

➢ 必ずしも借りられるとは限らない
公衆接遇弁償費については、地域ごとにルールが異なる上、担当官の個人的判断によるものであり、一概に「交番で貸してもらえる」とは言い切れません。
 

➢ 借りたお金は必ず返すこと
当たり前のことですが、借りたお金は返すことが大前提です。
たとえ、返すための交通費が借りたお金以上となっても、原則として返済します。
お金をだまし取ったことになれば、犯罪となることもあり得ます。
 

➢ 未成年は親の同意が必要
未成年でも利用することは可能ですが、親への連絡があります。
お金を借りることは法律行為となるため、18歳未満の未成年者は親など法定代理人の同意が必要となります。
 

どこで、また、どのようにしてお金が借りられるのか?

お金が借りられる場所はいろいろある!しかし地域差もある。

警視庁の公衆接遇弁消費事務取扱要綱によりますと、交番だけではなく次の場所でお金を借りられることが分かります。
 

  • ➢ 警察署
  • ➢ 運転免許試験場
  • ➢ 鉄道警察隊
  • ➢ 交番、地区交番、駐在所
  • ➢ 地域安全センター
  • ➢ 鉄道系警察隊分駐所及び連絡所
  • ➢ 警ら用無線自動車(パトカー) など

 

しかし、警視庁の管轄は東京都のみです。
東京都以外の地域警察にも同様の制度が存在するところもありますが、すべてが制度化されているものではありません。
地域警察においても制度趣旨は警察官などが、一時立て替えたお金が返却されず、回収不能となった場合の警察官の負担解消のための制度があります。
下の表は東京以外の警察で公衆待遇弁償制度に似た制度がある道府県です。
 

北海道 大阪府 京都府 茨城県
山梨県 群馬県 石川県 山口県
宮崎県 熊本県 鹿児島県

さらに、弁償制度そのものはなくても利用できる県もあるようですし、「公衆接遇弁償費や県民の方に現金を貸与するといった制度はありません」(香川県)と明言している県もあり、対応はさまざまです。
 

また、公衆接遇弁償費という名称も公的接遇費(北海道)、駐在所公衆接遇費(京都府)などそれぞれ異なります。
宮崎県など「公衆接遇」が、固いイメージを与えるため市民との応対については、「市民応接」と呼んでいるところもあるようです。したがって、多くの県に公衆接遇弁償費の制度に似かよった制度があります。

公衆接遇弁償費制度 お金はいくら借りられる?借りるのに借用書は必要?

交番などで貸してもらえる限度額も気になるでしょう。
警視庁(東京都)は、制度上は一人に対する貸出額が1,000円を超える時は、内部承認が必要とされています。したがって、原則として1,000円までとなります。
 

公衆接遇弁償費の限度額にも地域差があり、1件あたり京都警察では「年間」10,000円、山梨県警では3,000円などとさまざまです。北海道警察では、「駐在所等1箇所に対し1会計年度当たり年間20,000円の範囲内」となっており、範囲を設けているところもあります。
 

また、お金を借りるにあたっては、契約書にあたるものを作成する必要があります。
警視庁のサイトでは、借受願書への記載事項として次のものを挙げています。

  • ➢ 日付
  • ➢ 住所、職業、電話番号
  • ➢ 氏名、生年月日、年齢
  • ➢ 仮受金額、仮受理由
  • ➢ 押印または指印
  • ➢ 返済書

 

借受願書は借用書にあたります。正確に記載しないと、詐欺罪にあたる可能性もあります。

公衆接遇弁償費制度 お金はどこで返済する?

原則、借りた場所に持参して返金

交番などで借りたお金を返す場合には、原則として借りた警察署や交番に持参します。
東京都の場合、借りた人が遠隔地に住んでいる場合などはその借りた警察署管内の他の交番やパトカーに返済できることになっています。
借りた時の返済書を持参しなかった場合には、新たに別の用紙への記入が求められます。
なお、東京都の場合には、別に返済者が領収書の交付を求めたら交付することとされています。
 

地域によって制度に違いがあるため、都道府県をまたぐ場合などは、借りた交番などに連絡をして、どのような方法があるのかを聞くしかありません。
お金を返す時は、一般的に借りる時に交付された返済書などを提出し、確かに返済したことの証明書を得ておきましょう。

借りる時の注意点や万が一の時の対策

交番などでお金が借りられるのは万が一の時には頼もしい制度ですが、次の点には注意しましょう。
 

➢ 遺失届を提出する
警視庁の場合には、「警視庁行政手続オンライン」によってスマホなどからでも届出を提出することができます。ただし、現金が100万円未満の場合に限られます。
財布などを落とした場合には、まずは遺失届を提出しましょう。後日、財布が戻ってくる可能性もあります。
 

➢ 借入時の時は礼儀正しく
借入時には慌てている場合が多いですが、貸す側は見ず知らずの人に貸すため、当然のことながら慎重を期します。事情の聴取と身元の確認をしたら、貸主が誰であるのかを所属、氏名を告げるとともに、速やかにお金を返還するよう教示します。
借りる側としては、しっかり礼儀正しく対応する必要があります。
 

➢ 他に借入手段がある場合には借りられない
仮に財布を失くしたとしても、他の対応方法があれば交番ではお金を貸してくれません。
家族や友人などに迎えに来てもらったり、タクシーで自宅まで帰って支払ったりするなど、まずは他の方法を考えましょう。
 

まとめ

キャッシュレス社会が進み、現金を持ち歩くことも少なくなった感があります。
そんな時に、カードも携帯もなくなって家にも帰れないとなると、近くの交番で交通費を貸してもらえるのはとてもありがたい話です。
しかし、旅行などの際は公衆接遇弁償費の制度に頼らなくてもよいようにしておきたいですね。
 

岡和恵
大学卒業後、2年間の教職を経て専業主婦に。システム会社に転職。 システム開発部門と経理部門を経験する中で税理士資格とフィナンシャルプランナー資格(AFP)を取得。 2019年より税理士事務所を開業し、税務や相続に関するライティング業務も開始。
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