広がる「変動金利」と「固定金利」の格差!どちらを選択すべきか? – マネーイズム
 

広がる「変動金利」と「固定金利」の格差!どちらを選択すべきか?

住宅ローンがある方、これから住宅ローンを検討される方にとって、借入金の金利は安ければ安いほど家計の負担を減らすことができます。住宅ローンの「変動金利」と「固定金利」、どちらを選択すべきか迷うところです。今回は両者の違いを解説しながら、どちらが有利なのかについて解説します。

住宅ローンの「変動金利」「固定金利」の違いとは?

広がる「変動」「固定」の金利格差

住宅ローンの金利には「変動金利」と「固定金利」があります。
 

「変動金利」と「固定金利」については、いずれも多少の変動はあるものの、直近10年間同程度の水準で推移してきました。しかし、新型コロナウイルス感染症の蔓延で人々の活動が縮小し、世界経済に大きなダメージを与えることになります。日本においては、縮小した経済活動を活性化させ、景気回復を図るため「低金利政策」に向かっていきます。
 

日銀が打ち出した「マイナス金利政策」に連動して、住宅ローン金利のうち「変動金利」がどんどん下落し、現在では過去最低水準の超低金利時代になっています。その結果、「変動金利」と「固定金利」との格差が徐々に広がり、大きな問題となっています。
 

「変動金利」と「固定金利」の違いとは?

そもそも、住宅ローンの「変動金利」と「固定金利」は何に基づいて決定されるのかについて解説します。
 

・「変動金利」
変動金利については、各金融機関の「短期プライムレート」が基準となっています。
「短期プライムレート」とは、優良な貸付先に短期間(1年)貸付する際に使う優遇金利のことを指します。そこに各金融機関が自社の儲け分などを上乗せして決定したのが「変動金利」です。
 

・「固定金利」
固定金利については、国が発行する「新発10年国債利回り」が基準となっています。
「新発10年国債利回り」とは、償還期間が10年の国債のことで流通量も多く、国際的な信用度も高いため、現在では長期金利の代表的な指標になっています。各金融機関もこの「新発10年国債利回り」の金利を基準に、自社の儲け分などを上乗せして「固定金利」を決定しています。
 

短期プライムレートは日々変動しているため、それに合わせて「変動金利」は最新の市場の動きに敏感に反応します。「変動金利」が大きく下落しているのは、短期プライムレートが超低金利に推移していることが原因です。これに対して「新発国債10年利回り」の金利も日々更新されてはいるものの、最新の市場動向に大きく左右されることがありません。
10年後の将来を見越した金利であるため、変動金利ほど大幅に下落することがないのです。日銀が「指し値オペ」を実施したことにより、金利の上昇は抑えられましたが「固定金利」は大きく下落することはありませんでした。
 

ここにきて「変動金利」と「固定金利」に大きな差が生じたのは、このように基準となる金利がそれぞれ異なることが原因です。

「変動金利」と「固定金利」、どちらが有利?

「変動金利」のメリット・デメリット

では「変動金利」と「固定金利」ではどちらが有利なのでしょうか?それぞれのメリット・デメリットについて解説していきます。
 

「変動金利」を選択した場合のメリットを列挙してみます。
 

・固定金利に比べ金利が安い

そもそも金融機関の金利は「変動金利」が「固定金利」より低く設定されているのが一般的です。同じ借り入れでも、借入残金が多額な返済開始時から低金利であれば、元金の返済スピードも早くなります。
 

・市場金利下落の恩恵を受けることができる

変動金利最大のメリットは、借入した時より金利が下がればその期間は低金利で返済できるという点です。借入時点では将来的な金利推移は予想できませんが、現在のような超低金利が到来すれば「変動金利」のメリットを最大限享受することができます。
 
 
次に「変動金利」を選択した場合のデメリットを列挙してみます。
 

・市場金利上昇の影響を受けやすい

メリットのところで挙げた変動金利最大のメリットは、裏を返せば最大のデメリットにもなり得ます。借入した時より金利が上昇すれば、当初より高い金利で返済を続けなければなりません。

「固定金利」のメリット・デメリット

次に「固定金利」を選択した場合のメリットを列挙してみます。
 

・金利が一定なので返済計画が立てやすい

金利が固定されていれば、住宅ローンを組んだ時点で完済までの道筋が明確になります。あとはそれに合わせた返済計画を立てればよいので、変動金利より将来まで見通すことがしやすくなります。
 

・市場金利上昇のリスクをなくすことができる

将来的に市場金利が上昇した場合、変動金利と違って「固定金利」は金利上昇による金利見直しをする必要がありません。借入した時より金利が上がれば、その期間は借入当初の低金利で返済できるという点です。
 
 
次に「固定金利」を選択した場合のデメリットを列挙してみます。
 

・市場金利下落の恩恵は受けられない

固定金利の泣き所は、現在のような超低金利の恩恵を受けることができない点です。「変動金利」と「固定金利」で数倍の差が生じるような局面はそうそうありませんが、将来的にもし低金利時代がきたときに恩恵を受けることはできません。
 

将来的な金利の推移をあらかじめ予測することはなかなか難しいでしょう。「変動金利」か「固定金利」かという選択は、ある程度「運」的な要素が入ってしまうのは止むを得ないでしょう。
 

住宅ローン金利を上手く抑える方法とは?

「変動金利」と「固定金利」を組み合わせてリスク回避

前章で解説した通り、「変動金利」と「固定金利」ではお互い相反するメリット・デメリットを持っています。どちらか一方を選択し、運よく金利が有利な方向に推移すればいいですが、デメリット方向にいけば損をしてしまいます。「運」的な要素を少しでもなくし、安定した返済計画を立てたいと考えるのではないでしょうか。
 

そこで、「変動金利」と「固定金利」を組み合わせることで、両者のメリットを活かしたリスクヘッジを図るという方法があります。
 

例えば、住宅ローンの半分を「変動金利」で、半分を「固定金利」で借入するというパターンです。昨今のように金利が著しく下落したときには「変動金利」の恩恵を受けることができ、なおかつ「固定金利」による金利上昇時のリスク回避という保険も掛けておけます。
 

「変動金利」と「固定金利」の借入割合は任意ですし、受けられるメリットは割合に応じて変わりますので、「変動金利」あるいは「固定金利」に絞った「一か八か」といった運的な部分を回避することができます。

金融機関と積極的な金利引き下げ交渉を

「住宅ローンの金利は変えられない」と考えている方もいるかも知れません。しかし、金利は「借り換え」という方法で変更することが可能です。
 

長期的に金利上昇が予想される場合には「変動金利」から「固定金利」への借り換えがお勧めです。また、現在のように低金利が続くようであれば「固定金利」から「変動金利」に借り換えるのも方法です。これにより、金利の引き下げが可能になることがあります。
 

いずれの場合も、金融機関によっては借り換え不可の契約もありますし、他行への借り換えができないものもあります。借り換えの交渉をする際には、契約書等で内容を再度確認してからにしましょう。
 

まとめ

「住宅ローン」は長期間にわたって支払いを続けていくものですから、家計の負担を少しでも減らそうという取り組みは大切です。「変動金利」「固定金利」の仕組みをよく理解し、自分のライフスタイルにあった返済計画を立てるようにしましょう。
 

奥谷佳子
Webライター/ライター フリーランスとして様々な記事を執筆する傍ら、経理代行業なども行う。 自身のリアルな経験を活かし、税務ライターとして活動の場を広げ、実務で役立つ生きた税法の解説に努めている。 取材を通じて経営者や個人事業主と関わることも多く、経理や税務ほか、SNSを使った情報発信の悩みにも応えている。