自動車税を滞納するとどうなる?期限後納付のデメリットなどについて解説 | MONEYIZM
 

自動車税を滞納するとどうなる?期限後納付のデメリットなどについて解説

私たちの身の回りにはさまざまな税金があります。例としては給与所得にかかる所得税や住民税、固定資産にかかる固定資産税などが挙げられます。その中の一つに自動車オーナーが負担する自動車税がありますが、今回は自動車税を滞納してしまった場合のデメリットなどについて解説します。

まずは知りたい「自動車税」とは何か?

「自動車税」は都道府県民税の一つ

はじめに、自動車税とはどのような税金なのかについて解説します。
 

自動車税は、その名の通り自動車の所有者に対して課税される税金です。その年の4月1日時点で車を所有する自動車オーナーに納税する義務があり、5月31日までに各都道府県に納税しなければなりません。自動車税を課税する課税主体は各都道府県であり、自動車税の納付先は自動車のナンバー登録をした都道府県になります。
 

ちなみに、同じ自動車オーナーにかかる税金でも、軽自動車税の課税主体は各市町村になりますので注意してください。
 

自動車税の課税客体は車です。自動車税の税額は、車の排気量と所有期間により決定されますが、排気量が多くなればなるほど、車の所有期間が長くなればなるほど税額は高くなります。

「自動車税」はいつ誰が払うの?

自動車税の納税義務者はその自動車の所有者です。所有の判定はその年の「4月1日現在」で行います。また、4月1日のことを自動車税では「賦課期日」と呼びます。ここでいう「賦課」という意味は、課税主体である各都道府県が一定の基準(排気量や所有期間)に応じて税額を決定して割り当てることを指します。つまり、自動車の所有者は何もしなくても自動的に賦課決定された自動車税を納税する義務を負うわけです。
 

このような課税方式を「賦課課税方式」と呼びます。
 

自動車の車検証を見ると、「所有者」のほかに「使用者」の欄があります。自動車リースなどで車を所有している場合、リース期間中の車の所有者は「リース会社」となります。したがって、実際に車を使用している使用者に自動車税の納税義務はありません。ただ一般的には、自動車税を含めて月額のリース料を設定しているケースが多いので実質的な税負担者は使用者であるといえます。
 

また、他人名義の自動車を使用しているというように所有者と使用者が異なる場合には、所有者にかわって自動車税を納付することができます。

「自動車税」を滞納した場合のデメリット

納期限が過ぎてしまってからの流れ

自動車税は毎年1回のみの納税です。納税には「納付書による振込」や「口座振替」などがありますが、口座振替を利用していない方には通常、納付書が郵送されてきます。
 

5月31日までに、銀行やコンビニエンスストアで納税することができますが、うっかり納税を忘れてしまうことがあります。年1度の納税ですから、納税を忘れてしまうこともあるでしょうが税金の滞納には違いありません。
 

自動車税を滞納した場合の行政手続きの流れについて解説します。
 

1.督促状の発送
自動車税の納期限である5月31日を過ぎると、都道府県から20日以内に「督促状」が郵送されてきます。納付に関する情報を金融機関から都道府県が確認した後、未納である納税義務者宛に発送されます。
 

2.催告状の発送
督促状が届いたにもかかわらず、滞納を続けた場合には次の段階として「催告状」が届きます。通常は、督促状発送後の1カ月程経過した後に未納がある場合に「催告状」が発送されます。財産の差し押さえなど、「督促状」よりも強い内容で納付を促す内容となっています。
 

3.差し押さえ予告通知書
催告状をさらに無視し滞納を続けると、次に実際に財産を差し押さえる予告である「差し押さえ予告通知書」が届きます。この予告通知書で即差し押さえが実行されることはありませんが、催告状と異なり通知書を無視すれば財産の差し押さえを執行します、といったように強制執行を明言する内容となっています。
 

4.差し押さえの執行
予告通知書まで届いてもなお、滞納を続けた場合には最終的に財産の差し押さえが強制執行されます。差し押さえられた財産は、納税義務者が乗車したり売却することはできません。行政機関が財産を売却(換価処分)し、自動車税に充当することになります。
 

「督促料」や「延滞金」がかかることも

自動車税は税金ですから、納期限を経過すれば当然ペナルティが発生します。
 

本税のほかに、督促にかかる手数料である「督促料」がかかります。また滞納した日数に応じた「延滞金」も発生します。例えば督促料であれば、1回の督促状発送あたり100円程度の督促料が発生します。また、「延滞金」については納期限である5月31日の翌日(6月1日)から発生し、定められた税率で滞納期間に応じた延滞金が課されます。
 

1.納期限の翌日から1カ月を経過する日まで 年2.4%
2.納期限の翌日から1カ月を経過する日以降 年8.7%
 

なお、延滞税の税率は都道府県によって異なりますので注意して下さい。
 

「自動車税」を払わないとどうなる?

 

最終的には財産の差し押さえが強制執行される

では、財産の差し押さえの強制執行について解説します。
 

一般的に税金の納税は、仮に自己破産したとしても免除されることはありません。自動車税についても同様で、いかなる理由があれ、その支払いが免除されることはないのです。では、納税者本人に支払うべき現金が手元にない場合はどうなるのでしょう。そのような場合に行われるのが「財産差し押さえの強制執行」です。
 

納税者本人が所有する車やバイクといった動産、未払いの給与などの債権、土地や家屋といった不動産など、換価処分可能なものが対象となります。
 

一旦差し押さえが執行されれば、財産の所有者が勝手に移動・売却することは許されません。かつては差し押さえ物件に「差し押さえ」の赤紙が貼られていたようですが、現在は、差し押さえ財産の目録を作成し、目録を貼っておく程度になっているようです。
 

自動車については、廃車にすればスクラップ代としていくらかの代金を手にすることができますので、廃車代金で自動車税を納税することができるかもしれません。しかし、一旦差し押さえが執行された後に抹消登録(廃車)することはできません。廃車で自動車税を納付させる場合には、差し押さえの執行前に行います。

強制執行について会社に通知が来ることも

財産差し押さえの強制執行で、社会的なダメージが大きいのが「給与の差し押さえ」でしょう。差し押さえ対象の財産には「未払い給与」という債権が含まれます。給与支給額の1/4まで給与の支払者から直接、滞納分を徴収することができますので、行政がよく行う差し押さえ方法です。
 

給与の差し押さえが執行されると、給与の支払者宛に財産差し押さえについての協力依頼の書類が郵送されます。それによって、従業員が税金の滞納をしていることを会社が知ることになります。法律的には、給与差し押さえを原因とした解雇は正当な解雇事由には当たらないとされています。給与差し押さえの通知が届いたからといって、直ぐに解雇されるということはないでしょう。しかし、会社に対する社会的信用を失墜させることになりますので、社内での立場は間違いなく悪化するでしょう。財産差し押さえが執行される前に納税することをお勧めします。
 

まとめ

自動車税に限らず、税金の納付は決して免除されることはありません。本税の他にも督促料や延滞金が加算されたり、社会的信用を失うなど良いことはありません。納期限を過ぎてしまったら速やかに納税するようにしましょう。

奥谷佳子
Webライター/ライター フリーランスとして様々な記事を執筆する傍ら、経理代行業なども行う。 自身のリアルな経験を活かし、税務ライターとして活動の場を広げ、実務で役立つ生きた税法の解説に努めている。 取材を通じて経営者や個人事業主と関わることも多く、経理や税務ほか、SNSを使った情報発信の悩みにも応えている。
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