収入保障保険、就業不能保険、所得補償保険 どんな時に使える保険? – マネーイズム
 

収入保障保険、就業不能保険、所得補償保険 どんな時に使える保険?

保険商品の中で、収入保障保険、就業不能保険、所得補償保険などはどれも似かよった名前で区別がしづらいですよね?
この記事では、これら3つの保険についてそれぞれの違いやメリット・デメリットについて解説しています。
思わぬ病気やケガで損なわれた収入に対し、どの保険に目を向けるのがよいのかを見ていきましょう。

3つの保険の相違点と共通点

収入保障保険、就業不能保険、所得補償保険の違いについて

収入保障保険、就業不能保険、所得補償保険はどれも収入をカバーする保険です。
これら3つの保険の違いを大まかに示すと、次のようになります。

保険商品 特徴 備考
収入保障保険 死亡や高度障害など万が一の時に、その時点から満期まで、毎月一定額の保険金を保険期間終了まで受け取れる。
死亡保険の一つ。
残された家族の生活を支えるための保険。子どもが小さい時などに必要性が高くなる。
ケガや就業不能だけでは保険の対象とはならない。
就業不能保険 病気やケガなどで一定期間入院するなど、就業不能となった場合に保証期間において保険金を受け取ることができる。 公的な保障(傷病手当金や障害年金など)でまかなうことができない長期の治療をカバーする。
所得補償保険 病気やケガなどで被保険者が喪失する所得に対し、保証期間において保険金を受け取ることができる。 契約前の所得が保険金支払のベースとなるため、収入以上の保険金は設定できない。
入院・在宅療養は問われない。

 

そもそも「保障」とは、害がないように保護するという意味であり、「収入保障」は万が一、一家の稼ぎ手がいなくなっても家族を保護するという意味合いとなります。
これに対して、「補償」とは、損した分の埋め合わせという意味であり、「所得補償」は、もらえるはずだった所得(手取り)の埋め合わせるという意味です。
 

保険の対象者としておすすめは次のとおりです。

保険商品 対象者 おすすめ理由
収入保障保険 子どもが小さい個人事業主やサラリーマン 家族の生活費をまかなうための保険としておすすめ
就業不能保険 主として個人事業主など 国民健康保険にはない傷病手当金など、公的な保障の不足分を補う保険としておすすめ
所得補償保険

収入保障保険、就業不能保険、所得補償保険の共通点

収入保障保険、就業不能保険、所得補償保険などの商品を選択する際には、共通点として次のことが言えます。まずは、これらを踏まえておきましょう。
 

➢ 公的な保障のチェックをすること

私的な保険を検討するにあたっては、現時点で社会保険の状態を点検し、払い漏れなどのチェックをすることが大切です。公的な保障が十分受けられる基盤があるのであれば、急いで就業不能保険や所得補償保険を検討する必要もなくなります。
年金や医療保険の状況がどのようになっているのか、詳細でなくとも大まかなことを知り、これらの保険が必要かどうかをチェックしましょう。

➢ 即決せず、商品の比較すること

保険会社によって、また、保険商品によって保険対象の範囲や保険金の支払条件などは異なります。似た保険商品を比較し、総合的に自分に合っているものはどれかを選択します。
毎月の保険料支払いとなりますので、支払える範囲も考慮した無理のない範囲で検討することです。

➢ 保険料支払時は生命保険料控除の対象、保険金受取時は課税となること

これら3つの保険については、保険料支払時には確定申告や年末調整の際に生命保険料控除の対象となり、節税できます。
一方、保険金受取時においてはどの保険においても課税となります。
保険金が「死亡保険金」である場合には、保険料負担者や保険金受取人によって、所得税や贈与税・相続税など課税される税法・税目が異なります。「満期保険金」であっても所得税や贈与税の対象となります。

収入保障保険、就業不能保険、所得補償保険のメリットとデメリット

収入保障保険のメリット・デメリット

3つの保険のうち、収入保障保険は被保険者の死亡や高度障害を対象とする「死亡保障」であることが他の2つと異なっています。
 

収入保障保険のメリットとしては、保険金は一時金でも年金でも受け取ることが可能なものが一般的で、40歳男性の場合だと、月々の保険料が2,000円程度からあり保険料は安いと言えます。
保険期間(保障期間)を設定することができ、不慮の事故によって身体傷害状態になった際は、保険料の払い込み免除制度が設けられているものもあります。
 

一方、収入保障保険のデメリットとしては、掛け捨てがほとんどで解約返戻金がないことです。
また、収入補償保険は、保険期間の終了間近だと保険金が少なくなる逓減型が一般的であることもデメリットとして挙げられます。

就業不能保険、所得補償保険のメリット・デメリット

就業不能保険と所得補償保険は、生存を保障する保険です。
サラリーマンなどは、病気やケガなどの際、健康保険から傷病手当金を受け取ることができますが、支給期間は1年6ヶ月と限られています。
したがって、個人事業主やフリーランスだけでなく、サラリーマンにとってもこの2つの保険は長期入院などには役に立つ保険と言えます。

所得補償保険も就業不能保険と同様に、病気やケガで働けなくなった時の収入をカバーします。
所得補償保険は、損害保険的な性格を持っており、保険期間は長くても1年程度と短く、契約前12ヶ月の所得の50~80%などとなるため、就業不能保険よりも給付が少ない場合が多いです。
 

以下、2つの保険のメリット・デメリットをまとめると次のとおりです。

保険商品 メリット デメリット
就業不能保険 ・長い保険期間における保険料は一定 ・支払対象外期間が長い*
・保険金が契約前の所得の50~80%
所得補償保険 ・入院か在宅療養かを問わない
・契約前の年収に応じた保険金を設定できる
・保険を更新する場合、保険料が高くなる

 

*支払対象外となる期間が60日などと決められており、この期間を超えると保険の対象となります。
また、所得補償保険にも免責期間があり、この期間が1週間程度と短いものは保険料が割高になります。

収入保障保険、就業不能保険、所得補償保険に入るときの注意点

保険商品を選ぶ時には確認をすること

たとえば、就業不能保険には精神疾患を対象とする商品と、除外する商品があり、入院または医師の指示による在宅療養のみを対象とするもの、在宅療養以外にも対象を広げているものなどいろいろです。
 

保険期間の満期の考え方も10年、20年などの「年満期」や、65歳までなどの「歳満期」などがあります。
これら3つの保険商品には受取時の解約返戻金がないものが多く、解約返戻金があっても少額となることが多いため、保険期間の設定は慎重に決めましょう。
 

これらの商品を選択する場合には、その名称にこだわらず保障の内容で選ぶようにしましょう。保険会社によっては、就労不能状態収入保険、身体障がい保障保険などと種々の名称がつけられています。
 

また、すでに加入している医療保険などに、「就業不能保障特約」などを付加して今までの保険も活かせるものもあります。今の状況を確かめた上での保険加入が大前提です。
 

自分はどのようなリスクに備えたいかをよく考えること

起こりうるリスクを管理することをリスクマネジメントと言います。
個人事業主の場合は、企業のような大規模な損失の想定は不要としても、どのような視点に立ち、どんなリスクを回避したいのかをよく考えた上で保険商品を選択することが肝要です。
保険金が契約前の収入と連動している商品は、収入が増えた時期に合わせるなど加入時期も考慮すべきでしょう。
 

家庭を巻き込むような収入減リスクに備えたいのであれば、どのような期間について、どのくらいの金額を確保したいのかなどを、家族で話し合うことが重要です。

まとめ

個人事業主には、健康保険からの傷病手当金や障害厚生年金がないばかりか、有給休暇もありません。
また、全体的な傾向としては精神疾患が増えてきています。
このような中で保険商品を選ぶ際は、どんな条件で保険金が受け取れるのかを十分に確認した上、自分の状況に合った商品を選ぶことをおすすめします。

岡和恵
大学卒業後、2年間の教職を経て専業主婦に。システム会社に転職。 システム開発部門と経理部門を経験する中で税理士資格とフィナンシャルプランナー資格(AFP)を取得。 2019年より税理士事務所を開業し、税務や相続に関するライティング業務も開始。
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