22年12月20日までの「全国旅行支援」 どれだけ得する? 延長の可能性は? | MONEYIZM
 

22年12月20日までの「全国旅行支援」 どれだけ得する? 延長の可能性は?

「全国旅行支援」(全国旅行割)が10月20日に東京でも始まり、現在47都道府県で実施されています。コロナ禍で閑散としていた観光地が賑わう様子も報じられていますが、これを使うといったいいくら“お得”になるのでしょうか? 利用の方法や条件、注意点なども併せて解説します。

「GoToトラベル」、「県民割」とどこが違う?

全国旅行支援は、コロナ禍で大きく落ち込んだ観光需要を喚起する目的で、10月11日から順次スタートし、20日開始の東京都で47都道府県が出揃いました。ただ、新型コロナの感染拡大以降、同種の事業では、すでに「GoToトラベルキャンペーン」、「県民割」が実施されており、「どこが違うのか?」という戸惑いの声も聞かれます。

●GoToトラベルキャンペーン

2020年7月にスタートした国が主管する観光支援事業で、1人1泊2万円を上限に、旅行代金の1/2が割り引かれる、などの内容でした。新型コロナの再拡大などにより、20年末で一時停止となりました。

●県民割

GoToトラベルと同時に始まった自治体レベルの支援キャンペーンで、その名の通り、当初は県民の「県内旅行」を対象としたものでした。GoToトラベルの一時停止以降は、国が、その事業予算から県民割をサポートする「地域観光事業支援」を開始しました。この事業も新型コロナに翻弄されて中断を余儀なくされたりしたのですが、22年1月から一斉に再開し、4月からは「北海道・東北」「関東」など全国を6つの地域ブロックに分けて、各ブロック内の旅行・宿泊に対して、最大で50%の割引などを実施しました。
 

この地域ブロックを撤廃し、対象地域を全国に拡大したのが、現在実施中の全国旅行支援なのです。
 

対象が全国に広がったのだから、GoToトラベルと同じかというと、そうではありません。GoToは国の事業でしたから、全国どこに行っても同じ条件で割引などが受けられました。しかし、今回はあくまでも都道府県の行う事業を国が支援するという形なので、自治体ごとに予約方法や支払い方法ばかりではなく、例えば、次に説明する「クーポン」が日帰り旅行だともらえないなど、割引の条件が異なる場合もあるのです。利用する場合には、事前にそれらをよく調べる必要があり、そうした「煩わしさ」もあって、「行ってみたら、割引が受けられなかった」といったトラブルも一部で起きています。

全国旅行支援の概要

そうした注意点については、あらためて述べることとし、まず概要をみていきましょう。

実施期間

2022年12月20日まで行われます。ただし、政府は、新型コロナの感染状況や観光需要の動向などを見極めながら、2023年以降も全国旅行支援の継続ないし別の形でのキャンペーン実施を検討中だとされます。

割引の内容

・「旅行代金」を40%割引

上限は、「交通付(鉄道、バス、フライトなどとセットになったツアー)宿泊」で、1人1泊8,000円、それ以外の宿泊は同5,000円
・旅行期間中、飲食店などで利用できる「クーポン券」を1人1泊3,000円分配布(平日)。ただし、休日(土曜日宿泊と祝前日宿泊分、日帰りの場合は土曜・日曜・祝日)は同1,000円
 

宿泊は、最大7泊までで、期間中は何回でも利用可能です。「交通付」で平日宿泊すれば、旅行代金8,000+クーポン券3,000円で、最大計1万1,000円が割引になります。
 

予約方法は3つ

①旅行予約サイト

「じゃらん」「楽天トラベル」「JTB」「Yahoo!トラベル」「るるぶトラベル」など、大部分の予約サイトが利用可能です。

②旅行会社

窓口で販売するほか、公式サイトを利用することができます。

③宿泊施設

キャンペーンに参加しているホテル、旅館に直接申し込むことができます。

2022/12/14追記

斉藤鉄夫国土交通相は観光需要が集中する年末年始を対象から外していた「全国旅行支援」について、来年は1月10日から実施すると表明しました。
旅行代金の割引率は、年明け以降は20%に引き下げられるそうです。

全国旅行支援 主な変更点
現在 1月10日~
割引率 40% 20%
国内ツアー 上限8000円 5000円
宿泊・日帰り旅行 上限5000円 3000円
地域クーポン 平日3000円/休日1000円 2000円/1000円

また実施期間については、国から都道府県に措置した予算がなくなり次第、順次終了するとしていますが、各地で観光の閑散期となる来年3月までは実施できる見通しだとしています。

利用にあたっての注意点

ワクチン接種済証などが必要

利用に際しては、本人確認書類(免許証やマイナンバーカードなど)に加え、ワクチン3回接種済証または陰性証明(PCR検査/抗原定量検査/抗原定性検査)が必要です。グループ旅行のうち一部の人がワクチン3回接種済証などの提示ができなかった場合については、都道府県によりルールが異なり、全員がキャンペーンの対象外になる場合と利用条件を満たさない人のみが対象外になる場合があります。都道府県のホームページなどで確認することが可能です。

最低利用金額がある

キャンペーンの対象になるのは、平日1人1泊5,000円以上、休日1人1泊2,000円以上の旅行です。割引後の旅行代金が、地域クーポンの付与額を下回ることがないよう(利用者の実質黒字にならないよう)にするためです。

対象施設の全てのプランが割引になるわけではない

例えば、Aホテルの最安のプランから、さらに全国旅行支援で割引されるとは限りません。どの商品をキャンペーンの対象とするかは、宿泊施設や旅行会社が決定することになっているからです。利用の際には、よく確認しましょう。

「バス旅行」も対象?

県民割は、新型コロナの感染拡大防止の観点から近隣旅行を主としていたため、宿泊単体または日帰り旅行が主な割引支援の対象でした。今回の全国旅行支援は、公共交通機関と宿泊がセットになった旅行プランも対象となり、説明したように、宿泊単体商品よりも割引上限額が高く設定されています。
 

これには、旅行会社が販売するダイナミックパッケージ(航空券+宿泊)や、バス周遊旅行、寝台列車、夜行フェリーなどを利用する旅行も含まれます。一方、新幹線などの交通チケットを単体で購入した場合や、マイカーによる旅行(高速料金・ガソリン代)などは、割引の対象にはなりません。

“ローカルルール”を確認しよう

繰り返しになりますが、キャンペーンの対象地域は全国に広がったとはいえ、内容は一律ではない部分があります。旅行に行きたい場所を決めたら、割引の条件などをよく確認するようにしてください。
 

まとめ

現在、県民割のエリアを拡大した全国旅行支援が実施されています。最大で1人1泊1万1,000円得するキャンペーンですが、自治体によって割引条件などが違うため、利用に際しては内容をよく確認してください。なお、政府は12月20日までとなっている「旅行支援」の延長を検討中ですから、今後の情報にも注目です。

マネーイズム編集部
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