森のレンタル「フォレンタ」と固定資産税の関係について解説 – マネーイズム
 

森のレンタル「フォレンタ」と固定資産税の関係について解説

老若男女問わず、いまキャンプブームが到来しています。新型コロナウイルス感染症の影響で密閉した空間が敬遠されていることもあり、アウトドアでレジャーを楽しむスタイルが選択されているのも一因です。今回は、キャンプ地として森をレンタルする「フォレンタ」について詳しく解説していきます。

キャンプブーム到来と「森のレンタル」という新しい形

いまなぜキャンプがブームなのか?

かつてキャンプといえば、公営のキャンプ場に鉄板や食材を持ち込んでキャンプするスタイルが主流でした。テントや調理器具も本格的なものではなく、簡易的なものを使っていた方も多いのではないでしょうか。しかし、現在ではスポーツ用品店などにも本格的なキャンプ用具が取り揃えられており、より自然のなかに入っていくスタイルのキャンプが流行しているようです。
 

なかには自分一人で全ての準備をして、一人の時間を自然の中で楽しむ「ソロキャンプ」を満喫する方もいます。芸能人がアップしているYouTube動画の影響もあり、女性でもソロキャンプを楽しむ方が増えており、今後ますますキャンプブームが拡がることが見込まれる状況です。
 

ブームの背景にはやはり、新型コロナウイルス感染症の影響があると思われます。密閉空間でレジャーを楽しめない方たちが、開放感を求めアウトドア、特に自然のなかにシフトしていったことが考えられます。

森のレンタル「フォレンタ」とは何か?

キャンプをするにあたって、まず確保しなければならないのが「キャンプ地」です。公営のキャンプ場であれば、比較的簡単にキャンプ地が確保できます。しかし現在のように、より自然の中に入り込んでいくスタイルではそうはいきません。他人の山に勝手に入っていくことはできませんので、事前に山の所有者に許可を貰わなければなりません。
 

キャンプ地の確保の手間が面倒だと感じる方のなかには、山の一部または全部を購入して自分の所有地にしてしまう方もいるほどです。ただ、この方法だとある程度まとまった購入資金が必要になりますし、取得した山は自己責任において管理しなければなりません。固定資産税等の維持費用も発生しますのでそう簡単ではありません。
 

そこで考え出されたのが「フォレンタ」という新しいビジネススタイルです。

「フォレンタ」をすることのメリットとは?

森林所有者からみた「フォレンタ」のメリット

「フォレンタ」とは「フォレスト=森林」を「レンタル=賃貸」するという日本初のサービスとして、「forenta」社が提供する森林レンタルサービスです。
 

森林の所有者側からみた「フォレンタ」を利用するメリットを挙げてみましょう。

・遊休中の森林を利用して収入を得ることができる

樹木の生えていない土地であれば別ですが、森林がある山全体を賃貸して収入を得ることはなかなか難しいことです。アパート賃貸業のように、キャンパーが求める「森林」を賃貸物件とすることで、安定した賃貸料収入を得ることが可能となります。
 

・賃貸するにあたっての管理が比較的楽にできる

アパートであれば、賃貸物件を維持管理するための手間が割とかかるものです。その点「フォレンタ」であれば、森林を定期的に巡回するだけで済みますので、空き時間に副業的な感覚で管理できます。
 

・リピートにより森林を使う側のマナーが向上する

一回利用するだけのユーザーであれば、時にマナーの悪い行動をしても「どうせもう来ないから」で済ませてしまうかもしれません。しかし「フォレンタ」は年間契約で何度もキャンプ地を訪れることになります。マナーの悪い行動はできませんので、必然的に利用者のマナーが向上することにつながります。

利用者側からみた「フォレンタ」のメリット

「フォレンタ」という仕組みは、利用者にとってもメリットが多いのが特徴です。
 

・森林を取得する必要がない

先にも述べたように、年間で何度もキャンプに訪れる方のなかには、山の一部あるいは全部を買い上げてしまう方もいます。自己所有の山であれば自由にキャンプができるからです。しかし「フォレンタ」であれば、森林の一部を年間通して賃借できますので、山林を所有するのと同じ効果があります。
 

・年間契約なのでキャンプの都度、キャンプ地を借りる必要がない

「フォレンタ」は一定の敷地を「年間○○円」という形で、継続して借りられます。一旦借りてしまえば、いつでもキャンプが楽しめるので「一回いくら」という形でその都度キャンプ地を確保する必要がありませんので、手間が省けます。
 

・自分だけの空間を確保できる

公営や私営のキャンプ場の場合、どうしても他の利用者と共用しなければならない部分が出てきますし、静かな空間を楽しむこともなかなか難しいでしょう。その点「フォレンタ」であれば、ご自身が空間を丸ごとレンタルしているので他の利用者が入ってくることはありません。自分だけの空間をゆっくり楽しむことが出来ます。

「フォレンタ」にもデメリットはある

森林を所有すると「固定資産税」が課税される

森林の所有者にとっても利用者にとってもメリットの多い「フォレンタ」ですが、デメリットもあります。
 

一般的に、土地には「固定資産税」という市区町村民税が課税されます。山林についても例外ではなく、土地としての固定資産税が課税されます。山林にかかる固定資産税の計算方法は以下の通りです。
 

山林の固定資産税=山林の課税標準額(固定資産税評価額)×1.4%

 
例えば、山林の課税標準額が1,000万円であった場合、1,000万円×1.4%=年間14万円の固定資産税が課税されることになります。
 

固定資産税は「その年の1月1日現在の所有者」に対して課税されます。「フォレンタ」を始める前から山林を所有している方であれば、「フォレンタ」をするしないに関わらず、継続して税負担をしています。「フォレンタ」により税負担を賃貸収入で穴埋めすることができます。これから山林を取得し「フォレンタ」のビジネスに参入することを検討している方の場合、固定資産税の負担を考慮しなければなりません。

管理運営するのは山の所有者の仕事

もう一つ忘れてはいけないのが「森林の管理」です。「forenta」社は森林の所有者と森林の賃借人を仲介する位置づけでしかありません。賃貸借契約や実際の維持管理を手伝ってくれるわけではありませんので注意してください。普段から山仕事をしており、副業的な感覚で維持管理をしている方であればさほど負担にはならないかもしれません。しかし、森林に対する知識を持たずに新規参入を検討している方にとっては、意外と負担になります。
 

住んでいる場所が所有する森林から離れていると、定期的に山の維持管理に通わなければなりませんので、結果的に近くに引っ越さなければならないという事態も想定できます。また、森林の維持管理にかかわる知識を持っていなければ、維持管理業務を外部に委託する必要があります。結果として、自分自身で管理する方より必要以上の経費がかかり採算性が落ちるというデメリットが生じます。
 

いずれにしても、儲かるからという安易な気持ちで始めるべきではありません。

まとめ

新型コロナウイルスの流行はまだまだ終息する兆しが見えません。それに伴い、周りからの感染を受けない自分だけの空間である「フォレスタ」というビジネススタイルは今後ますます普及することが予想されます。ビジネス参入を検討している方は是非、周辺知識を身に着けたうえで検討するようにしましょう。
 

橋本玲子
行政書士事務所経営。宅地建物取引士、知的財産管理技能士2級取得。遺言執行や成年後見などを行う一般社団法人の理事も務めている。
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