少子化や未婚率の上昇などに伴い、家族のいない「おひとりさま」が増えています。そういう方が相続を迎えると、相続人がいない状態に置かれることになります(この状態を「相続人不存在」と言います)。遺産を受け継ぐ人がいない場合、その遺産は最終的に国のものになります。最高裁判所によると、2021年の1年間で政府の国庫に帰属された遺産は647億円にのぼり、過去最高額となったことがわかりました。
そもそも相続人不存在とは
相続人不存在とは、亡くなった人(被相続人)の財産を相続する人がいない状態をいいます。具体的には、法定相続人という民法で決められた相続人がいない状態、もしくは法定相続人がいても何らかの理由で彼らが相続をしない、できない状態のことを指します。
相続人不存在は、次のような場合に発生します。
- ①相続人の資格を持つ親族がいない
- ②相続人の全てが「相続放棄」をした
- ③相続人の全てが権利を失った
- ④相続人が行方不明の場合
詳しくは「相続人がいない「おひとりさま」の遺産はどうなる?生前にできることは?」をご覧ください。
相続人不存在の場合、遺産の行方は?
相続人不存在の場合、遺産はどこに行くのでしょうか。
まず最初に遺産を引き継ぐ可能性があるのは、亡くなった人が生前に遺言書を作成していた場合、その遺言書で指定された人や団体が財産を相続することになります。
遺言書がない場合は、被相続人と特別の縁故がある「特別縁故者」が財産分与の申立てをすることができます。「特別縁故者」とは内縁の妻・夫や、介護に携わっていた人などのことを指しますが、縁故関係の証明となる資料などを家庭裁判所へ提出する必要があります。
もし、遺言書も無く、特別縁故者の申し出も無かった場合、最後は国庫に入ることになります。つまり、相続人不在の遺産の最終的な行き先は「国」ということになります。
相続人がいない場合、遺産の全ての手続きを完了させるには、最低1年くらいかかると言われています。
法定相続人がいないことが事前に分かっている場合には、お世話になった人や興味関心のある団体に財産を渡す遺言書を作るなど、早めの準備が必要です。
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