外貨預金とはどんなもの?外貨預金の内容やメリット・デメリットを解説 | MONEYIZM
 

外貨預金とはどんなもの?外貨預金の内容やメリット・デメリットを解説

資産運用の手段のひとつに、外貨預金があります。日本の預金よりも利率が高いことも多く人気がありますが、仕組みをよく知らず、外貨預金を始めるのに不安な人も多いのではないでしょうか。
 

ここでは、外貨預金の内容やメリット・デメリットについて解説します。

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【円安で影響大!】預けたドルを引き出すと、外貨預金に税金はかかる?確定申告は?

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外貨預金とはどんなもの?

はじめに、外貨預金とはどのようなものかを、見ていきましょう。外貨預金とは、日本円を米ドルやユーロなどの「円以外の外国の通貨」に換えて預金することをいいます。資産形成のひとつとして注目されています。
 

日本の銀行口座では日本円を預け入れたり、引き出したりします。一方、外貨預金では、日本円をそのまま預け入れたり、引き出したりできません。いったん、円を外貨に交換して預け入れます。引き出す際も外貨として引き出し、円換算した金額が戻ってきます。
 

外貨預金は原則、日本の預金口座と同じように、日本の金融機関を通じて口座を開設します。アメリカやイギリスなどの主要国であれば、多くの金融機関で外貨預金の口座を開くことができますが、主要国以外の場合は取り扱っていない金融機関もあるので、注意が必要です。
 

また、外貨預金にも普通預金や定期預金などの種類があるので、自分に合った預金を選ぶことも可能です。

外貨預金の3つのメリット

外貨預金とは、日本円以外の外国の通貨に換えて預金することをいいます。日本円の預金でいいのではないかと思う人もいるでしょう。実は、外貨預金が選ばれているのには、メリットがあるためです。
 

ここでは、外貨預金のメリットを3つご紹介します。

日本円よりも高い金利や為替差益を得られる

外貨預金が選ばれている理由のひとつが、日本円よりも高い金利や為替差益を得られる可能性が高いことです。例えば、ある大手銀行の日本における普通預金の金利が0.001%であるのに対し、米ドルの外貨普通預金の金利は0.010%です。つまり、外貨預金の金利は国内の金利の10倍に上ります。これは大きなメリットです。
 

また、円安の場合に預金を引き出すと、為替差益を得られます。例えば、1ドル=100円の時に100ドルを外貨預金に預け入れた場合は、日本円で100ドル×100円=10,000円を預け入れたことになります。
 

後日、1ドル=120円の時に100ドルを外貨預金から引き出した場合は、日本円で100ドル×120円=12,000円を引き出すことになります。つまり、同じ100ドルを外貨預金に預け入れ引き出すだけで、差し引き2,000円の為替差益を得ることが可能です。

分散投資ができてリスク分散になる

資産運用の方法には株取引や投資信託など、さまざまなものがあります。それぞれの方法には、メリットもデメリットもあります。例えば、株取引の場合、出資している会社が倒産すれば、価値が0円になる危険性もあります。そのため、1つの資産運用のみを行うのは危険です。資産運用をする場合は、分散投資を行うことが基本です。
 

分散投資とは、複数の商品に分けて資産運用することです。分散投資をすれば、たとえ1つの商品で赤字がでても、ほかの商品の黒字で相殺できます。
 

このように、分散投資にはリスクの分散や資産の保全のメリットがあります。特に、外貨預金の場合、主要国であれば破綻する危険性も低いので分散投資に有効です。

外貨預金は比較的安心できる投資商品である

上述した通り、外貨預金は比較的安心できる投資商品です。特にアメリカやヨーロッパなどの先進国であれば、国の経済や金融機関が破綻することがないため、外貨預金の価値が大幅に減少することはありません。その点で、株式や投資信託よりも安心できる投資商品といえます。
 

初めて資産運用をする場合やリスクの低い資産運用を行いたい場合には、外貨預金が適しています。

外貨預金の3つのデメリット

他の資産運用の商品と同じように、外貨預金にはメリットとともにデメリットもあります。外貨預金を始める際には、デメリットをしっかりと把握しておかなければなりません。外貨預金の代表的なデメリットは、次の3つです。

ペイオフの対象ではない

外貨預金を始める際に注意しなければならないのが、外貨預金はペイオフの対象ではないということです。
 

ペイオフとは、簡単にいうと、金融機関が破綻した場合に口座に預け入れた現金が保護される制度のことです。預金口座を作成すると、預金者と金融機関と預金保険機構の間で、自動的に保険契約(預金保険)が結ばれます。
 

万が一、預金している金融機関が破綻した場合には、預金保険機構から預金者に預金していた現金が支払われるので、預金者は損失を被ることはありません(ただし、通常の普通預金の場合、1金融機関で元本1,000万円までの制限があります)。
 

しかし、ペイオフの対象となるのは、日本の銀行の国内支店にある日本円預金のみで、外貨預金はペイオフの対象外です。預金したお金が戻ってこない危険性があることはリスクのひとつとして覚えておきましょう。

損失が出る可能性もある

円安の場合には、為替差益を得られます。しかし、反対に円高の場合には、為替差損になります。
 

例えば、1ドル=100円の時に100ドルを外貨預金に預け入れた場合は、日本円で100ドル×100円=10,000円を預け入れたことになります。後日1ドル=90円の時に、100ドルを外貨預金から引き出した場合は、日本円で100ドル×90円=9,000円を引き出すことになります。
 

つまり、同じ100ドルを外貨預金に預け入れ引き出しても、差し引き1,000円の為替差損を被ることになります。外貨預金を引き出す場合には、損がでない相場で引き出すなど、常に為替レートに気をつけなければいけません。
 

また、円高でなくても、日本円と外貨を交換する際には為替手数料がかかります。手数料は、低く抑えられていることが多いですが、頻繁に取引を行う場合などは、注意が必要です。

確定申告や納税が必要

外貨預金で利息や為替差益などの利益がでた場合には、税金に注意しなければなりません。それぞれについて、見ていきましょう。

・利息

日本の金融機関における外貨預金の利息には、合計20.315%の税金がかかります。ただし、利息が入金されるときに自動で税金が差し引かれている(源泉徴収)ため、確定申告は不要です。

・為替差益が出た場合

為替差益には税金がかかりますが、予約レートがあるかどうかによって、課税方法は異なります。予約レートがある場合は、利息と同じくあらかじめ税金が差し引かれているため、確定申告は不要です。
 

一方、予約レートがない場合、為替差益は「雑所得」に該当するため、確定申告が必要になります。ただし、会社員の場合で、ほかに副業がなく、為替差益が20万円以下の場合は、確定申告不要です(住民税の申告は必要)。

・為替差損

為替差損が出た場合は税金がかからないため、確定申告も不要です。ただし、他の雑所得の黒字がある場合は、その黒字と為替差損を相殺できるので、確定申告をしたほうが良い場合もあります。

まとめ

外貨預金とは、外国の銀行口座に現金を預け入れる資産運用の方法です。外貨預金は原則、日本の金融機関を通じて口座を開設します。現金を預け入れる際も引き出す際も、日本円と外貨を両替する必要があります。
 

外貨預金には、日本よりも高い金利や為替差益を得ることができる、分散投資ができるなどのメリットがあります。しかし、ペイオフの対象ではない、税金がかかるなどのデメリットもあります。
 

外貨預金を始める際には、あらかじめメリットとデメリットをしっかり理解しておくことが重要です。
 

長谷川よう
会計事務所に約14年、会計ソフトメーカーに約4年勤務。個人事業主から法人まで多くのお客さまに接することで得た知見をもとに、記事を読んでくださる方が抱えておられるお困りごとや知っておくべき知識について、なるべく平易な表現でお伝えします。
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