大阪府はこれまで所得制限があった高校授業料の無償化について、公立・私立ともに所得制限を撤廃し、2024年度から高校3年生を対象に段階的に実施し、2026年度には全学年の無償化を目指す方針を明らかにしました。親の所得に加え子の人数に制限はなく、府内すべての生徒を対象とするようです。
高校に加え公立大の授業料も所得制限のない“完全無償化”へ
高校授業料無償化とは、高校の授業料を軽減する「高等学校等就学支援金制度」を指します。授業料の保護者負担を軽減するため、国が2010年からスタートした制度です。2020年の改正で支給対象を、公立高校に加えて私立高校に通う生徒にも拡大し、多くの高校生が利用できる制度となりました。支援金は直接学校に支払われ、授業料が無料もしくは一部負担となります。支給条件には、世帯年収約910万円未満という所得制限があります。
大阪府はこれまでも高校授業料の無償化を進めてきましたが、世帯年収の制限により対象が限られていました。
2024年より段階的に従来の所得制限をなくし、全世帯を無償化の対象とした場合、現在中学1年生の生徒は、高校3年間の授業料が保護者の所得に関わらず、すべて無償となる見通しです。
また、現在は無償化の対象外となっている関西の高校に通う府民についても対象とする方向で、今後関西1府4県や高校側とも制度設計について協議するとしています。
また高校の授業料無償化に加え、公立大の授業料の無償化についても、2024年度から順次進める方針で、府は高校や大学の授業料の無償化に必要な予算は年間430億円ほどになると見込んでおり、その財源として2023年度で復元が完了する予定の「減債基金」の積立金に充てている費用や、各自治体の貯金にあたる「財政調整基金」の一部を使用するとしています。