世界の消費税率はどうなっている?ランキングから日本との違いを解説 | MONEYIZM
 

世界の消費税率はどうなっている?ランキングから日本との違いを解説

消費税を導入している国や地域は多く、その内容は多岐にわたります。消費税率も異なっていて、日本と同様に軽減税率の制度を導入している国もある状況です。今回は、諸外国等の消費税率をランキングで紹介し、消費税と公共サービスの関係についても解説します。

日本と世界の消費税

世界の平均税率は17.6%

財務省が発表する「諸外国等における付加価値税率(標準税率及び食料品に対する適用税率)の比較」を参考にすると、2023年1月現在でOECD加盟国、EU、ASEANの51ヵ国の平均税率は17.6%です。日本の消費税率は基本的に10%であるため、日本は世界の平均を下回っています。
なお、後ほどランキングで示しますが、日本の消費税率は平均を下回っているだけではなく、諸外国でも低い値です。10%を高いと感じる人は多いと思われますが、純粋な税率だけで評価すると、ランキング下位に位置する値であることを認識しておいてください。

消費税と付加価値税

消費税と似た概念の税金に付加価値税があります。日本では馴染みの薄い税金ですが、海外では付加価値税が利用されることも多く、税率を比較するにあたって理解することが重要です。
まず、消費税は「商品やサービスを消費すること」に対して課されます。そのため、日本での各種取引には、基本的に消費税が課される仕組みです。一部、行政サービスなど「消費」とはいえないものについては、消費税が課されません。
また、付加価値税は商品やサービスの価値が増加した事実に対して課されるものです。例えば、白米をおにぎり弁当にするなど、加工したことで生まれる価値に対して課税されます。より多くの価値を生み出した人ほど、多くの税金を負担する仕組みです。ただ、消費者は付加価値税の合計を支払うため、実質的な納税額としては消費税も付加価値税も同じものと考えて差し支えありません。

諸外国等の消費税率

消費税率ランキング

主要国の消費税率を高い順でランキングにまとめると以下のとおりです。
 

順位 消費税率 国名
1 27% ハンガリー
2 25% スウェーデン
25% ノルウェー
25% デンマーク
25% クロアチア
6 24% ギリシャ
24% フィンランド
8 23% アイルランド
9 22% ポーランド
22% イタリア
11 21% スペイン
21% オランダ
21% ベルギー
14 20% イギリス
20% フランス
20% オーストリア
17 19% ドイツ
18 18% トルコ
19 15% ニュージーランド
20 13% 中国
13% カナダ
22 10% ベトナム
10% 韓国
10% 日本
10% インドネシア
10% カンボジア
10% オーストラリア
28 8% シンガポール
29 7.70% スイス
30 5% 台湾
5% カナダ

※カナダについては、①連邦税である財貨・サービス税のみ課されている州、②財貨・サービス税に加えて、州税としての付加価値税も課されている州、③連邦・州共通の税としての付加価値税が課されている州が存在。なお、20位では③の類型であるオンタリオ州の税率を記載(連邦・州共通の付加価値税13%(うち州税8%))。

上記は消費税が導入されているすべての国々ではありません。財務省が公開している資料で取り上げられている国々に限られています。その点は上記のランキングを理解するにあたって、考慮するようにしてください。

世界最高の消費税率

世界最高の消費税率は、上記で示したとおりハンガリーの27%です。日本の消費税が10%であることを踏まえると、約3倍の消費税率が設定されています。また、世界の平均税率は17.6%であるため、これを踏まえても1.5倍程度の高い税率が設定されています。
ただ、ハンガリーには軽減税率が設けられていて、食品や医薬品など、生活必需品の消費税率は5%です。つまり、最高税率だけで比較すると世界最高ですが、実際に消費税を計算する際の税率は、支払内容によって変化します。
なお、EU加盟国は標準税率を15%以上と定めているため、そもそも日本より高い環境です。これに公共サービスの強化や軽減減税制度を組み合わせて、社会が成り立っています。

非常に低い消費税率が適用されている国

非常に低い消費税率が適用されている国としては台湾やカナダが挙げられ、5%となっています。日本の標準税率の半分であり、平均税率の3分の1程度です。
台湾では、1986年に消費税である「営業税」が導入され、それ以降は制度が変化していません。日本では消費税率の上乗せがありましたが、台湾では政党間の折り合いがつかず、現在でも同じ税率が使用されています。
カナダは、全土で適用される税率が5%であり、それ以外にも一部の州で課される「地方消費税」のようなものが存在します。地域によっては消費税の合計が、15%になる可能性があるため、その点は注意しなければなりません。
 

消費税率と公共サービスの関係性

一般的に消費税率が高いほどサービスが充実

一般的に、消費税率が高いほど公共サービスは充実しています。消費税によって国の財源が潤うため、そのお金を活用して、公共サービスを提供する流れです。
例えば、消費税率の高いEU諸国は「高福祉・高負担」の仕組みが整っています。多くの消費税を納める必要はありますが、教育費や医療費、高齢者に対するサービスなどが無料もしくは格安で提供される環境です。消費税率が高いほど、生活に密着した支出が軽減されるため、トータルで評価すると消費税が高いことの恩恵を受けられます。
ただ、このような社会サービスはすべての人が恩恵を受けられるとは限りません。例えば、公共サービスが充実していても、それを使うことなく亡くなる人や転居してしまう人がいるでしょう。負担だけを背負う人は一定数いるはずです。このようなサービスは「万が一への備え」という側面もあると理解すると良いでしょう。

軽減税率との組み合わせも多い

上記で紹介したとおり、消費税率は国によって大きく異なります。ただ、ここで紹介した値は標準税率であり、軽減税率についても考慮しなければなりません。
軽減税率とは、生活必需品など、特定の支払いにおいて消費税率を軽減する制度です。
例えば、日本では標準税率が10%ですが、食料品の購入などは8%となり、医療・学費などは非課税となります。このように、生活に直結する特定の支払いについて、消費税率が軽減される仕組みが軽減税率です。
ヨーロッパを中心とした標準税率が高い国々は、軽減税率を組み合わせているケースが多くあります。標準税率だけでは、税率が高く消費が滞ってしまうため、これを避ける狙いです。日本のように2種類だけではなく、複数の消費税率が設けられている国もあります。

諸外国等を踏まえて日本の消費税を評価

日本の消費税率は10%であり、諸外国の平均税率を下回っています。単純な税率だけで考えると、諸外国よりも税金の負担は少なく、生活しやすいと評価できるはずです。平均税率を遥かに下回り、ランキングでも下位に位置します。
しかし消費税は租税の一種であり、逆進性や他の税が高くなってしまうといった問題も挙げられ、国民負担と公共サービスの充実は国全体の問題となっています。消費税を始めとした国民負担の仕組みやバランスをどのように保つべきか、公共サービスをどのように運用するべきかは、国としての課題であり国民一人ひとりが考える必要があります。

☆ヒント
消費税や付加価値税は多くの国々で導入されていて、税率には大きな違いがあります。意外にも日本は低いですが、税金を考慮しないと企業運営では無駄な支出が生じてしまいます。消費税を含めて、納税額を最適化するためにも、顧問税理士に相談できると安心です。

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世界の消費税率!日本の消費税は高い?低い?

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まとめ

世界の消費税率について解説しました。日本では少しずつ消費税率が高まり、高いと感じている人は多いかもしれません。ただ、純粋な税率だけで評価すると、日本の消費税率は極端に高いとは言い切れません。
ただ、消費税率が高い国では、公共サービスが充実しているなどのメリットがあります。日本はいくつもの公共サービスが提供されているため、それを加味すると、消費税率が極端に高い国ではないでしょう。

松崎ぶっち
立命館大学卒。
在学中に起業・独立などにあたり会計や各種監査などの法規制に対応するためのシステム導入ベンダーを設立。紆余曲折を経て多くのシステムを経験。
システム導入をされるお客様の起業活動を通じて得た経験、知見を活かし皆さんの気になるポイントを解説します。
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