「低所得世帯」や「ひとり親世帯」の受験費用を補助する方針へ | MONEYIZM
 

「低所得世帯」や「ひとり親世帯」の受験費用を補助する方針へ

こども家庭庁は10月22日、「低所得世帯」や「ひとり親世帯」に対して、子どもの受験費用の一部を補助する方針であることを明らかにしました。
 

今回補助の対象となる子どもは中学3年生と高校3年生で、高校受験、大学受験の模試や受験などにかかる費用を補助する方針です。自治体の手続きなどを考慮した上で、2024年度からの開始が予定されています。

受験費用の補助金額は最大でも「5万円ほど」の見通し

今回、受験費用の一部補助で検討されている内容は、以下のとおりです。
 

●中学3年生

∟模試費用の補助

●高校3年生

∟模試費用の補助、大学入学共通テスト(1万8,000円ほど)、大学の受験料(国立は1万7,000円ほど、私立は3万5,000円ほど)の補助

※それぞれ受験することが条件

そして、子どもの受験費用が補助される世帯は、以下のとおりです。

●ひとり親

∟「児童扶養手当」を受け取っている世帯

●低所得世帯

∟「住民税非課税」の世帯
 

「児童扶養手当」とは、離婚や死亡などによってひとり親として生計を立てている世帯のサポートを目的としており、子どもが18歳に到達して以降、最初の3月31日までの間に手当を受け取れる制度のことです。
 

一方で「住民税非課税」には、生活保護を受給していたり、前年の合計所得が一定以下であったりする世帯が該当します。
 

政府はこれまでも低所得世帯に対して、給食費や修学旅行費、大学の入学金、授業料などの一部補助を行っていましたが、高校受験や大学受験などのサポートが不十分との指摘から、新たに受験費用を対象とした補助が検討されました。
 

低所得世帯の子どもは親の所得が少ないことから進学率が下がることで、就職先の選択肢が狭まり、子ども世代の世帯所得も低くなる「貧困の連鎖」が今も問題視されているのです。
 

こども家庭庁は、このような「貧困の連鎖」などの問題を踏まえて、低所得世帯の受験費用の一部を免除して教育格差を解消することで、進学機会の確保につなげることとしています。
 

今回の受験費用の一部補助については、具体的な制度設計を2023年度の補正予算案に反映させ、2024年度から補助を開始する見通しです。

澤田泰弥
神奈川横浜市を中心に活動しているWebライターの澤田です。2023年3月にFP3級を取得、2023年7月にFP2級を取得しました。新しく身につけた専門知識を活かし、あなたの悩みを解決できるわかりやすい記事を目指しています。
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