麻布台ヒルズが開業!概要・建設費・住宅費用・経済効果を解説 | MONEYIZM
 

麻布台ヒルズが開業!概要・建設費・住宅費用・経済効果を解説

2023年11月24日、「六本木ヒルズ」や「虎ノ門ヒルズ」など、都心を中心に大規模なビル開発をしている「森ビル」が「麻布台ヒルズ」を開業しました。
 

本記事では、「麻布台ヒルズ」の概要や歴史、経済効果などについて紹介します。
 

※記事の内容は2023年12月10日時点の情報を元に作成したものであり、現在の内容と異なる場合があります。

麻布台ヒルズとは

麻布台ヒルズとは、都市開発を手掛ける不動産企業「森ビル」が建設し、2023年11月24日に開業した複合施設のことです。
 

麻布台ヒルズ内にある「森JPタワー」のビルの高さは330メートルで、大阪にある高さ300メートルの「あべのハルカス」を上回り、日本で最も高いビルとなりました。開発の発端は、1989年に設立された「街づくり協議会」までさかのぼり、開発には35年以上の月日を費やしています。
 

また、麻布台ヒルズは、前述した森JPタワーを中心に住宅やオフィス、ホテル、商業施設などが入る複数のビルで構成されていて、年間来街者数は3,000万人ほどを想定されています。
 

 

麻布台ヒルズの概要は、以下のとおりです。
 

施設名 麻布台ヒルズ
所在地 東京都港区虎ノ門5丁目 麻布台1丁目および六本木3丁目の各地内
敷地面積 約6万3,900m²
延床面積 約3万7,100m²
住宅戸数 約1,400戸
階数 ・麻布台ヒルズ森JPタワー 64階
・麻布台ヒルズレジデンスA 54階
・麻布台ヒルズレジデンスB 64階
高さ ・麻布台ヒルズ森JPタワー 約330m
・麻布台ヒルズレジデンスA 約240m
・麻布台ヒルズレジデンスB 約270m
・ガーデンプラザA、B、D 約41m

コンセプト

麻布台ヒルズのコンセプトは、「緑に包まれ、人と人をつなぐ『広場』のような街」です。
 

森ビルは、テクノロジーが進歩し、働き方や暮らし方、生き方が大きく変化する時代の中で都市の本質を「そこに生きる人」とし、人々が人間らしく生きられる都市作りを目指して「麻布台ヒルズ」を建設しました。
 

そして、人間らしく生きられる都市に必要な要素として、「緑」と「健康」をイメージしたのです。
 

圧倒的な緑に囲まれている麻布台ヒルズでは、自然と調和した環境の中で多様な人々が集まり、それぞれが人間らしく生きられるコミュニティの形成を目指しています。
 

また、森ビルは環境に優しい街づくりにも力を入れており、麻布台ヒルズの建設では「都市の低炭素化」「生物多様性の保全」「省エネルギー化」なども考えられています。

開発経緯

麻布台ヒルズの開発プロジェクトは、「都市とはどうあるべきなのか」「都市の本質とはなにか」という問いからスタートしたと言われています。
 

開発当初、麻布台ヒルズの計画地は、高台と谷地が入り組んだ高低差のある地形で、細分化された敷地には、小規模な木造住宅やビルが密集していたそうです。
 

そして、これらの地域に対し、「都市インフラの整備」や「防犯防災面においての都市機能の更新」などを実現するため、立場や事情の異なる300人の権利者とさまざまな議論を重ねたと言います。
 

麻布台ヒルズの開発経緯の概要は、以下のとおりです。
 

●1989年:「街づくり協議会」の設立
●1993年:「虎ノ門・麻布台地区市街地再開発準備組合」の設立
●2017年:国家戦略特別区域法に基づく区域計画の認定、都市計画の決定
●2018年:「虎ノ門・麻布台地区市街地再開発組合」設立が認可
●2019年:着工
●2023年:開業

麻布台ヒルズの経済効果

麻布台ヒルズは、2万人の就業者、3,500人の居住者、そして年間3,000万人の来街者を見込んでおり、六本木ヒルズ同様に数百億円以上の経済効果が見込まれています。 

また、60カ国以上の国籍の生徒が在籍するインターナショナルスクールが施設内にあることから、スクール利用を検討する海外からの来訪者も多いと言えるでしょう。
 

このように、麻布台ヒルズは、国内外問わず多くの利用者が訪れることが想定されているため、大きな経済効果に期待できます。
 

麻布台ヒルズが及ぼす経済効果は、以下のとおりです。
 

●施設目当てに地方や海外からの来訪者が増える可能性がある
●自然を取り入れた居心地の良い環境を求めて居住する人が増える可能性がある

施設目当てに地方や海外からの来訪者が増える可能性がある

麻布台ヒルズ内にある主な施設は、以下のとおりです。
 

●住宅
∟森ビルの住宅事業ノウハウが蓄積された住宅
●オフィス
∟就業者数2万人を想定して設計された国際水準のオフィス
●クラブハウス
∟ワーカーの理想的な働き方を実現できるクラブハウス
●医療センター
∟慶応義塾大学のスタッフによる健康サポートを受けられる医療センター
●ホテル
∟国内最大級のウェルネス施設を備えたアマンの姉妹ブランドホテル
●インターナショナルスクール
∟60カ国以上の国籍の生徒が在籍するインターナショナルスクール
●商業施設
∟約150店舗が集結している商業施設
●アート展
∟多様なジャンル文化を楽しめるアート展

麻布台ヒルズの年間来街者数は3,000万人ほどを想定しており、さまざまな施設の利用を目的として、国内外問わず多くの方が訪れるでしょう。

自然を取り入れた居心地の良い環境を求めて居住する人が増える可能性がある

前述したとおり、麻布台ヒルズのコンセプトは、「緑に包まれ、人と人をつなぐ『広場』のような街」であり、森ビル自体も「立体緑園都市」構想を掲げています。
 

麻布台ヒルズの敷地内には、およそ320種類の植物が植えられており、自然と都会が共存した住み心地の良い環境が整えられています。
 

また、国際水準のオフィスやインターナショナルスクールなど、外国からの移住者も生活しやすい環境が構築されていると言えるでしょう。
 

他にも、森JPタワーは、建築物の環境性能を評価する国際認証「LEED」や、健康への配慮を示す「WELL」においてプラチナ予備認証を取得しており、環境や健康への配慮が国際水準を上回っています。
 

これらのことから、国内外からグローバルで活躍する優秀な人材が麻布台ヒルズに居住することで、大きな経済効果に期待できるでしょう。

麻布台ヒルズに関連する費用

最後に、麻布台ヒルズの「総事業費」と「住宅費用」について説明します。
 

麻布台ヒルズは、これまで森ビルが建設してきた建物と比べても、開業までに多額の費用がかけられています。

総事業費

麻布台ヒルズの開業までにかけられた総事業費は、およそ6,400億円です。
 

この金額は、森ビルが過去に建設した六本木ヒルズの総事業費およそ2,700億円の2倍以上に相当する金額で、麻布台ヒルズに対する森ビルの本気度が伝わります。
 

麻布台ヒルズは、東京ドーム1.7個分の面積を誇り、およそ3分の1を緑化しています。また、中央広場には果樹園が設けられ、みかんやサボン、レモンなど11種類の果樹をはじめハーブなどが栽培されています。
 

このような細かな部分へのこだわりが、総事業費が多額となった1つの要因だと言えるでしょう。

住宅費用

麻布台ヒルズには、4つのマンションが隣接されています。
 

●アマンレジデンス東京
●麻布台ヒルズレジデンス A
●麻布台ヒルズレジデンス B
●麻布台ヒルズガーデンプラザレジデンス
 

この中でも特に高額なマンションが「アマンレジデンス東京」で、最上階の住宅費用は推定価格200億円とされており、その他の部屋に関しても数十億円ほどに設定されているとのことです。
 

また、その他のマンションの予定賃料に関しては、2023年12月時点で「未定」とされています。
 

しかし、「麻布台ヒルズガーデンプラザレジデンス」に関しては、法人契約のみを対象とし、月額賃料56万円から120万円するとの情報もあります。

まとめ

今回は、麻布台ヒルズについて、概要や歴史、経済効果などを紹介しました。
 

麻布台ヒルズは、六本木ヒルズなどで知られる「森ビル」が2023年11月24日に開業させた日本で一番高い複合施設のことです。総事業費はおよそ6,400億円と、六本木ヒルズの2倍以上の費用がかかっています。
 

また、麻布台ヒルズには、住宅やホテル、インターナショナルスクール、医療センターなどさまざまな施設が入っており、国内外問わず年間3,000万人の利用者を想定していることから、六本木ヒルズ同様に数百億円以上の経済効果をもたらすと言われています。

澤田泰弥
神奈川の横浜を中心にライターとして活動しています。現在は将来のために金融分野の勉強をしており、2023年1月にFP3級を取得し、現在はFP2級取得を目指して奮闘中です。金融知識に詳しくない方でも、すぐに悩みを解決できるわかりやすい記事制作を心がけています。
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