アメリカで初承認!ビットコインETFのメリットやデメリットを解説 | MONEYIZM
 

アメリカで初承認!ビットコインETFのメリットやデメリットを解説

ビットコインは代表的な暗号資産として認知されています。ビットコインの価格はさまざまな要因により変動します。ビットコインの価格変動に注目した金融商品として、このたびアメリカでビットコインETFが初承認され、大きな話題となっています。
ここでは、ビットコインETFの概要やメリットやデメリットを解説します。

そもそもビットコインETFとは?

ビットコインは国が発行するお金と同様に、商品代金などの支払いに使えます。一方で、ビットコインの価格はさまざまな要因により変動するため、投資対象にもなっています。例えば、10万円分のビットコインを購入し、12万円に価値が上昇した時に売却すれば、単純計算で2万円の差益を得ることができます。このように、今までの投資対象としてのビットコインは、ビットコイン自体を売買することで差益が獲得できるものでした。
 

現状、ビットコイン市場は比較的落ち着いています。ビットコインが登場してしばらくは、ビットコインの価格が上昇し続けたため、かなりの注目を集めました。しかし、その後は価格の下落や上昇を繰り返し、今までより差益を獲得しにくくなったことや、ビットコインが一般化したことなどが要因で、ビットコインへの注目は落ち着いています。
ところが、2024年1月に米証券取引委員会(SEC)がビットコインを対象としたETFの上場申請を初承認したことで、ビットコインがふたたび脚光を浴びるようになっています。
 

では、そもそもビットコインETFとはどのようなものなのでしょうか。
 

ETFとは上場投資信託のことで、東京証券取引所など証券取引所に上場している投資信託のことです。投資信託は、多くの人から集めたお金を、証券会社などの運用の専門家が株式や債券などに投資して運用する金融商品です。運用の専門家が運用するため、投資家は知識がなくても、投資できます。
 

ビットコインETFとは、ビットコインを対象とした投資信託のことです。専門的な知識がなくても、ビットコインに投資できるため、これまで以上にビットコイン市場にお金が流れることが予想されます。ただし、まだ日本ではビットコインETFを買えず、海外で取引する必要があります。
 

ビットコインETFのメリットとデメリット

米証券取引委員会(SEC)の承認を受けたことで、大きな注目が集めているビットコインETFですが、投資家にとってメリットだけでなくデメリットもあります。ビットコインETFのメリットとデメリットには、以下のようなものがあります。

ビットコインETFのメリット

ビットコインETFの代表的なメリットには、次の3つがあります。
 

・投資の専門家に管理を任せられる
ビットコインETFには、投資の専門家に管理を任せられるというメリットがあります。
ビットコインETFは、多くの人から集めたお金を運用の専門家がビットコインに投資して運用するため、ビットコインの値動きなどの知識がなくても投資できるので安心です。
 

・税金面
実は、ビットコインETFは税金面で大きなメリットがあります。これは、ビットコインの通常の売買とビットコインETFで、納める税金の計算方法が違うために生まれるメリットです。
 

ビットコインの通常の売買で得た利益は「雑所得」に分類されます。雑所得に分類された所得(利益)は、給与や事業など他の所得に合算され、税金の計算を行います。
 

所得税は、所得が高ければ高いほど税率が高くなる仕組みになっています。例えば、所得金額が500万円なら税率20%、1000万円なら33%というように、最高で45%まで税率が高くなります。
 

一方、ビットコインETFの分配金や譲渡益にかかる税金は、給与や事業など他の所得と分離して、一律で20.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%) になります。
 

そのため、ビットコイン売買で得た利益や、給与や事業などの所得金額が大きくなった場合は、ビットコインETFへの投資のほうが節税になります。
 

・ビットコインの信頼の拡大
ビットコインへの投資は一般的になってきたとはいえ、まだ信頼性に対して不安視する声もあります。しかし、ビットコインがETFとして取り扱われることで、一般の投資家にもビットコインが身近になり、投資する人や金額が増えることが予想されます。

ビットコインETFのデメリット

ビットコインETFの代表的なデメリットには、次の3つがあります。
 

・取引時間に制限がある
ビットコインETFのデメリットのひとつが、取引時間に制限があるということです。
ビットコインを現物で売買するケースでは取引時間に制限がなく、いつでも売買ができます。一方、ビットコインETFでは原則、ビットコインETFの取り扱いのある証券取引所の営業時間内しか、取引できません。休日や夜間などは、取引できないデメリットがあります。
 

・コストがかかる
ビットコインETFに投資をするには、手数料などのさまざまな費用がかかります。必要な費用の中で注意したいのが運用管理費です。
ビットコインの現物取引では運用管理費はかかりませんが、ビットコインETFでは運用管理費がかります。運用管理費は、投資しているビットコインETFの種類によって異なるので、投資前に確認しておく必要があります。
 

・元本保証はない
ビットコインETFで最も注意したい点が、元本保証がないということです。ビットコインETFは値動きがあるため、出資金額よりも価格が下がることも普通にあります。
これは、ビットコインの現物でも、ビットコイン以外の株式などの投資商品でも同じです。外的な要因によって価格が急変することもあるので、注意が必要です。

ビットコインETFの今後とは

ビットコインETFには、メリットもデメリットもあります。ビットコインETFに投資する際には、メリットとデメリットの両方をしっかりと理解しておく必要がありますが、さらに気になるのが、ビットコインETFの今後がどうなっていくのかということでしょう。
 

ビットコインETFは、まだ米証券取引委員会(SEC)で承認されたばかりなので、今後どうなるのかは予想しづらくなっています。しかし、これまでの流れからいくと、アメリカ市場で取引が一般化すれば、日本の市場でも承認されることも多いです。そのため、ビットコインETFの取引が、日本国内でも承認される可能性も十分あるでしょう。
 

もし、日本国内でビットコインETFが承認されれば、ビットコインブーム(暗号通貨ブーム)が再来する可能性があります。
 

また、ビットコインETFを積み立て対応や新NISAで買えるようになれば、さらに投資する人が増えることが予想できます。多くの人が参加し、価格が上昇する前にその金融商品に出資しておけば、利益が多く得られます。
 

ビットコインETFの今後に、注視しておく必要があるでしょう。

まとめ

ビットコインETFとは、ビットコインを対象とした投資信託のことです。ETFとは、上場投資信託のことです。運用の専門家が運用するため、投資家は知識がなくても、投資することができるので、人気のある金融商品です。
 

2024年1月、米証券取引委員会(SEC)がビットコインETFを承認したために、世界中で大きな注目を集めています。日本では、まだビットコインETFが承認されていませんが、承認されれば、ビットコインの市場は大いに活発化することでしょう。
 

ビットコインETFには、メリットもデメリットもあるので、その両方をしっかりと理解しなければなりません。積み立て対応や、新NISAへの対応など、対応状況によって、さらに注目度が高まる可能性もあります。ビットコインETFに乗り遅れないよう、ビットコインETFに今から注目しておく必要があるでしょう。

長谷川よう
会計事務所に約14年、会計ソフトメーカーに約4年勤務。個人事業主から法人まで多くのお客さまに接することで得た知見をもとに、記事を読んでくださる方が抱えておられるお困りごとや知っておくべき知識について、なるべく平易な表現でお伝えします。
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