借入金90億円の返済迫るビッグモーター、大手コンサルが再生計画に助言

中古車業界の大手ビッグモーター(東京・港)による保険金の不正請求問題により、顧客離れが続いています。再建の道を模索するなか、先月から大手コンサルティング会社デロイトトーマツグループのデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー(以下、DTFA)が経営の立て直しに携わっていることが判明しました。
追い詰められたビッグモーター 打開策は果たしてあるのか
中古車業界を揺るがす不正請求問題の影響を受け、中古車販売大手のビッグモーターが厳しい経営状況に立たされています。保険金の不正請求事件により、顧客の信頼を大きく失ったことから、中古車の販売台数は大幅に減少しました。この状況を脱するため、同社は経営再建に向けた取り組みを行っています。そのなかで、DTFAが重要な役割を担っていることが分かりました。
ビッグモーターは8月17日、外部の専門家からのアドバイスを受けていることを認める一方、具体的な関与先はの明らかにはしていません。同社は7月25日の記者会見で、販売台数や買取台数が通常時と比べて半分に減少していると発表しました。これに伴い、ビッグモーターはDTFAに、収入確保や資金調達の方法などに関する助言を仰いでいるとみられます。
中古車情報サイト「グーネット」や「カーセンサー」は、不正問題発覚後、ビッグモーターの中古車情報の掲載を取りやめるなど、業界内での影響が拡大しています。
信用販売大手のジャックスも自動車ローンの新規受付を全店舗で停止し、ビッグモーターの信用低下が広がり、ビッグモーターの集客や収益が一段と減少する可能性も浮上しています。
資金繰りの面でも影響が出ており、8月18日の返済期限が迫る借入金90億円について、銀行団は借り換えに難色を示しています。こうした厳しい経営状況から、ビッグモーターはDTFAの意見を取り入れ、経営再建を急ぐ姿勢を見せています。
DTFAはファイナンシャル・アドバイザリー・サービス(以下、FAS)の分野で高い専門性を有しており、日本経済新聞の記事によると「2023年4~6月期の日本関連のM&A(合併・買収)助言ランキング」で国内5位となっています。
主に企業の財務に関するアドバイスやサポート、M&A(企業の合併・買収)や資本提携に関するサポートを提供しています。
ビッグモーターはDTFAの支援を受け、経営再建に取り組んでいますが、FASの専門領域であるM&Aの可能性も浮上しているとみられ、ビッグモーターを巡る中古車業界の再編や戦略的提携など、今後の展開に注目が集まっています。
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