税務調査は怖くない!
調査の流れと注意点、指摘事項があった場合の対応法
税務調査は怖くない!  調査の流れと注意点、指摘事項があった場合の対応法
最終更新日:
2019/5/6
 
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これまで税務調査を受けたことがない人は調査の流れがよくわからず、どのような準備をしておけばよいのか不安に思っていることでしょう。

 

この記事では、一度も税務調査を受けたことがない人にもわかりやすく調査の流れを解説します。この記事を読めば、過大な心配をする必要がないことをおわかりいただけると思います。

税務調査の流れとチェックを受けるポイント

税務調査は平均1~2日

税務調査は概ねパターンが決まっています。税務調査を受けるにあたり、まずは税務署から事前に日程調整の連絡が来て、日程の打ち合わせを行います。その際、一般的には約束した日の午前中から調査官が事務所に来ることとなるケースが多いです。

 

初日の午前中は、まずは最初の挨拶と事業概要の説明を求められます。法人の場合には代表者、一般的には社長からの説明を求められますが、個人事業主の場合にはほとんどの場合事業主からの説明を求められます。

 

その後、帳簿のチェックや領収書と帳簿の付け合せ、仕訳のチェックと調査が進行していきます。調査の最後に、指摘事項があれば指摘を受け、内容に納得できれば追徴される税額の納付書を渡されますので、納付書と現金を持って金融機関で納税すれば税務調査は完了という流れとなります。

 

小規模な法人の場合には概ね2~3日間で調査が終了するのが一般的ですが、個人事業主の場合には医院や士業の事務所などのように大規模な事業を営んでいるのでない限り1日、長くても2日間で終了するのが一般的です。

税務調査の際にチェックを受けるポイント

税務調査の際に高度な会計理論や税法の解釈で争いとなることは中小零細企業でも稀ですし、ましてや個人事業主の税務調査ではまずないと言って良いでしょう。

 

大抵は収益・費用が今年に属するか来年に属するかという期ズレの問題や資料の不備、減価償却資産を一括して損金として計上しているといったミスの是正や交際費が事業と関係がないのではないかというような指摘が多いです。

 

このような指摘は専門的な知識がない人であっても理解しやすいですし、質問すれば税務署の職員が丁寧に教えてくれます。また、どうしても自分だけで税務調査に対応するのは不安だという人は、税務調査の立会だけを税理士に依頼することも可能です。

 

ただし、税理士と個人的に親しく、普段から経理内容を相談しているという間柄であればともかく、税務調査の立会のみの依頼は申告内容がわからないため引き受けたくないという税理士も多いでしょう。引き受けてくれたとしても、詳しい申告内容がわからない税理士では税務調査の現場で十分な対応を行うことは困難です。

 

税務調査で指摘を受けた場合、納得するかどうかを即答する必要はありません。「専門家と相談してからお返事します」と伝え、後日税理士と相談してから対応することも可能です。まずは税務調査には自分で対応し、納得のできない指摘を受けた場合に税理士に相談するという方法を検討しても良いでしょう。

 

また、最近の傾向として、以下のような指摘を受けることが多いようです。

 

<外注費>

本当に外注費としての実態があるのかどうかという観点から調査や質問を受ける傾向にあるようです。

 

たとえば、実態がないにもかかわらず知人に外注したことにして裏でキャッシュバックを受けたりしていないか、または給与として処理すべきものを外注費として計上していないかどうかという調査が行われています。

 

全く実態のない外注費を計上するのは論外ですが、給与として処理すべきものを外注費として計上すると、消費税の課税仕入の額が増加しますし、源泉徴収も行わないことになってしまいますので、税務調査で指摘を受けるとそれらの是正を行うことになります。

 

<Suicaの利用明細>

これまでは、多額でない限りSuicaにチャージした金額の全額を交通費として処理しても差し支えありませんでした。しかし、最近は交通費に限らず、小売店や飲食店でもSuicaを利用して支払いをすることができます。

 

中には交通費として計上したSuicaを利用して私的な買い物や飲食をする人がいるようですので、最近の税務調査では「今回は深く追求しないけれど、次回からは利用明細を保存しておいてください」と指導されることが増えています。

 

Suicaにチャージする金額が多い人は、今からでも利用明細を保存しておいたほうがよいでしょう。

税務調査対応のポイント

日程の調整は遠慮なくお願いしましょう

税務調査は犯罪捜査ではありませんから、調査官に必要以上に遠慮する必要はありません。特に、日程や時間の調整には快く応じてくれますので、遠慮なく申し出ましょう。

 

調査官は普段の仕事場の環境を確認したいと考えていることが多いため、原則として事業の所在地への訪問を求めます。ご自宅で開業している場合には事前に片付けをしておいた方が良いでしょう。帳簿を持って税務署に訪問したい、顧問税理士の事務所で調査を行ってほしいという人がいますが、提案しても承諾してもらえる可能性は低いです。

 

ただし、個人商店などを営んでおり、店舗にはお客様が頻繁に出入りするため調査には適していないなど、合理的な利用がある場合には例外的に承諾してもらえることもあります。

 

また、調査官にお茶や食事の提供をする必要があるのかと心配される人が多いのですが、調査官は飲食の提供を受けることができません。食事も近所で済ませるか、持参しますので事前に準備する必要はありません。

手元に必要な資料は複製しておくと便利

税務調査の際、調査官が現場で確認できる資料の量には限界がありますから、資料を税務署に持ち帰って調べたいというケースがあります。法人の場合にはコピー機で資料をコピーして持ち帰る調査官が多いのですが、個人事業主の事業所にはコピー機がない場合も多いでしょう。

 

ほとんどの場合、資料を貸してほしいと依頼されることとなりますが、請求書や見積書など、手元にないと困る資料もあります。しかし、貸し出すことができないとなると、調査官が毎日事業所に来て資料を調べなければいけませんし、納税者も毎日それに対応しなければいけませんから、お互いに大変な思いをすることになります。手元にないと困る資料は、事前にコピーやスキャンをしておくと便利です。

ミスは指摘前に修正しよう

税務申告にミスがあり、過少に申告してしまった場合には、税務署に指摘されてから修正するより自分から修正したほうが少ないペナルティーで済みます。

 

税務調査の連絡があり、過去の申告書を見直している際にミスを発見することは多いのですが、その際には税務調査の前に修正申告をしましょう。どうしても税務調査前に修正申告が間に合わない場合、調査の延期をお願いするのも一案です。

税務調査が入りやすい状況

収益に対する費用の割合や内容が同業他社とは異なる

一般的に、同じような事業を営んでいる事業者の収益に対する費用の割合や内容は類似しています。したがって、収益に対する費用の割合や内容が同業他社と比較して大きく異なる場合には、その理由の確認のために税務調査の対象となる可能性があるでしょう。

開業してから3年ほど経過している

開業したばかりの時期は、一般的にはあまり利益が出ているとは言い難い状況にあります。また、経理処理にも気合が入り、適正に処理されていることが多いでしょう。そのような時期に税務調査を行っても、調査官にとって実りのある結果が得られるとは言えません。

 

しかし、事業を始めてから3年ほどが経過すると、順調な事業であれば徐々に利益が出始めているでしょうし、また経理処理にも少し油断が出ているかもしれません。また、一般的には事業を開始してから2年間は消費税が課税されませんが、事業者によっては3年目から消費税を申告するための帳簿も作成しなければいけません。

 

したがって、開業してから3年ほど経過した事業者は税務調査の対象になりやすいと言われています。

数年にわたり事業所得を赤字で申告している

事業により発生してしまった赤字は、同年の給与所得から差し引くことが可能です。もちろん、きちんと事業を営んだ実態があり、結果的に数年にわたり赤字なのであれば問題ありません。

 

しかし、中には実態がないにもかかわらず、事業を営んだことにして自宅の家賃や携帯電話代、交通費や私的な交際費を経費として計上することで給与所得に課税された税金の還付を受けようとする人がいます。数年前にもこの方法による脱税を指南したコンサルタントが摘発されました。

 

一般的には、数年にわたり赤字の事業を継続する人は多くありませんから、本当に事業の実態があるのかどうか確認する目的で税務調査の対象になることがあります。

 

また、給与を受け取ることなく個人事業のみを営んでいるにもかかわらず、数年にわたり事業が赤字の場合、どうやって生活しているのだろうと調査官でなくても疑問に思うでしょう。長期間にわたり赤字の申告をしている人の中には、所得隠しや経費の水増しにより脱税をしている人がいる可能性もありますので、そのような事実がないことを確認するために調査対象となることがあります。

他にも色々!税務調査が入りやすい理由

税務調査の対象になりやすいケースをいくつかご紹介しましたが、他にも以下のような場合には税務調査の対象となる可能性があります。しかし、収益を隠したり、費用を水増ししているのでない限り、税務調査を受けたからといって特に問題はありませんから、あまり神経質になる必要はないでしょう。

<売上がいつも1,000万円ギリギリ>

消費税の課税対象となる売上が1,000万円を超えた場合、その2年後は消費税の納税義務者となります。したがって、毎年売上が900万円前後…という場合には、悪意をもって消費税が課税されない範囲まで所得を隠している可能性があります。

 

また、期ズレなどの指摘を受けた場合には、それが原因で非課税事業者だと思っていた年が課税事業者となることもあります。悪意であれミスであれ、売上が1,000万円を超えた場合には消費税の納税義務が発生しますので、それを確認するために税務調査をすることがあります。

<税務署からの問い合わせに回答していない場合>

税務調査に至らなくても、税務署から書面で問い合わせが来ることがあります。税務署からの再三の問い合わせにも回答しない場合には、税務調査の形で確認に来ることがあります。

<医療費控除の額が大きいにもかかわらず所得が高い>

医療費控除は治療の必要がある支出に限定されますので、美容整形(大怪我などに伴うものを除きます)や歯科矯正などは対象となりません。したがって、医療費控除の額が大きい場合、一般的には重い病気にかかっていることが多いです。

 

それにもかかわらず所得が高い場合には、医院への支出が本当に医療費控除の対象となる支出なのかどうか確認するために税務調査の対象となることがあります。

まとめ

税務調査は申告内容を確認するために行うものですので、悪質な所得隠しや架空経費の計上などを行っていない場合には心配する必要はありませんし、仮にミスがあったとしても強く責められることはないことをご理解いただけたと思います。

 

逆に言うと、税務調査の心配をする必要があるほど事業規模が大きくなったり、収入・支出が多額になった場合には税理士との顧問契約を検討することを強くお勧めします。

千葉勇人
早稲田大学商学部に在学しながら会計事務所に勤務、その後経営学修士を取得し、記帳代行業・海事代理士業を営む。
自分自身が個人事業主・同族企業の会社役員として法人税・所得税・消費税・相続税を「自分ごと」として日々取り扱っている経験をいかし、皆様にとって有意義な情報をご提供します。
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