マイナンバーが
個人事業主の税金と業務に与える影響とは

マイナンバーが  個人事業主の税金と業務に与える影響とは
公開日:
2019/03/26
最終更新日:
2019/08/08
 
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2016年から開始されたマイナンバー制度。世間でも徐々に浸透し、今では多くの人が認知するものとなっています。しかし、マイナンバーが何に使われるのか、どのような影響を与えるのかについて知らない人も少なくないのではないでしょうか。今回は、マイナンバーが個人事業主の税金や業務などに与える影響について解説します。

マイナンバー制度とは

マイナンバーが個人事業主の税金と業務に与える影響を見ていくためには、まずはマイナンバー制度がどのようなものかを確認する必要があります。まずは、マイナンバー制度の概要を見ていきましょう。

 

マイナンバー制度は2016年から開始された制度で、原則、すべての個人または法人(設立登記法人)にマイナンバーが付与されています。しかし、個人と法人では、制度の内容が異なります。

 

まずは、番号です。法人には13桁の法人番号が、個人には12桁の個人番号が付与されます。しかし法人と個人でマイナンバーの最も大きな違いは、利用目的です。法人の場合は、利用目的に制限はありません。つまり法人のマイナンバーは、何に使っても自由です。

 

一方、個人のマイナンバーについては利用に制限があり、税務や社会保障、災害対策のみ利用できます。それは、個人のマイナンバーが重要な個人情報で、漏洩や悪用を防ぐ必要があるからです。そのため、法令に定められた目的以外の取得や利用は制限され、また、管理する人も制限されます。

 

個人事業主にとっての関心事は、税務に個人のマイナンバーが利用されていることでしょう。そこで、次からは個人事業主のマイナンバーと税務について見ていきましょう。

マイナンバーで個人事業主の業務が増える

個人のマイナンバーは税務の分野でも利用されています。そのため、確定申告書などの税務署提出書類には、マイナンバー(個人番号)を記載する必要があります。そのほかにも、仕事内容や従業員がいるかどうかなどで、マイナンバー関連でやることが増えてしまいます。具体的な業務には、支払調書などの業務があります。

支払調書に気を付けよう

ライター(原稿料)や講演料、コンパニオン、モデル、外交員などの一定の仕事を外注する場合には、その金額などにより、通常の外注とは違い、所得税の処理をする必要があります。

 

まず、報酬を支払う際は、支払う報酬から、源泉税を差し引いた金額を相手に支払います。次に、その天引きした源泉税は、翌月などに所轄の税務署に納付します。さらに、源泉徴収した報酬がある場合は、1年間の支払金額により、マイナンバーが記載された支払調書を税務署に提出する必要があります。

 

正式には「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」という書類になりますが、そこには支払った相手のマイナンバーと支払者である自分のマイナンバーを記載する必要があります。支払調書にマイナンバーを記載するためには、報酬の支払者である個人事業主は、外注先からマイナンバーを通知してもらう必要が出てきます。

 

そこで、問題になるのが、本人確認です。通知を受けたマイナンバーが本人のものかどうかを確認する必要があります。本人確認には、番号確認と本人確認(身元確認)の2つが必要です。

 

マイナンバーカードがある場合は、マイナンバーカードの提示を受けます。マイナンバーカードは、裏面にマイナンバーが記載されており、表面には個人の基本4情報である氏名、住所、生年月日、性別の記載と顔写真もあるため、本人確認書類になります。マイナンバーカード1枚で番号確認と本人確認(身元確認)の2つがあるので、このカードの提示のみで問題ありません。

 

マイナンバーカードがない場合は、マイナンバーの通知カードと運転免許証やパスポートなど写真が貼付された身分証明書の2つの書類の提示が必要です。

従業員を雇った場合はマイナンバーが必要

事業が大きくなる場合や業種によっては、個人事業主が従業員を雇うことがあります。この場合もマイナンバーの業務が増えることになります。

 

従業員を雇うと、上述した外注の報酬と同じように、毎月の給料から源泉税や社会保険料などを天引きし、その天引きした源泉税や社会保険料を翌月などに納付する必要があります。また、年末には年末調整を行い、源泉徴収票を作成します。これらの業務にも、マイナンバーが必要になります。

 

具体的には、税務署に提出する「源泉徴収票」(従業員に渡す源泉徴収票にはマイナンバーの記載不要)や市区町村などの自治体に提出する「給与支払報告書」、その他にも社会保険の各種書類に、従業員や給料を支払う個人事業主のマイナンバーを記載する必要があります。そのため、従業員からも外注先と同じように、マイナンバーの提示を受ける必要があります。

 

このように、マイナンバーの活用により、個人事業主の業務は大幅に増加することになります。

マイナンバーの注意点

個人事業主がマイナンバーを取り扱うには、いくつか注意点があります。ここからは、マイナンバーの注意点を見ていきましょう。

マイナンバーの管理には注意が必要

見てきた通り仕事内容などによって、個人事業主は、外注先や従業員からマインナンバーの提示を受けます。提示を受けたマイナンバーは重要な個人情報のため、他に漏洩してはいけません。そこで、しっかりとした管理が必要です。パソコンなどでマイナンバーを管理する場合は、ウイルス対策をしっかりと行う必要があります。また、マイナンバーを管理しているパソコンは外部に持ち出さない、パスワードなどでアクセス制限を行うなどの対策が必要です。

 

従業員などがいる場合は、マイナンバーなどを取り扱う区域を区分する必要があります。企業の場合はICカードなどで入退室を管理しますが、個人事業主はそこまでは難しいので、仕事場と別の部屋にする、パーテーションなどで仕事場と区切るなどの対策が必要となります。

マイナンバーでe-Taxができる

見てきた通り、個人事業主にとってマイナンバーは、負担になることが多いです。しかし、中にはメリットになることもあります。それが、e-Taxです。実は、2019年1月より、マイナンバーを使ったe-Tax利用の簡便化が行われています。マイナンバーを使ったe-Taxには、すでにマイナンバーを取得している人と取得していない人で次の2つの方法があります。

①マイナンバーカード方式(すでにマイナンバーを取得している人)

マイナンバーカード方式では、今まで必要だったe-Taxの開始届出書の提出やe-TaxのID、パスワード、電子証明書の登録などが不要です。確定申告書等作成コーナーまたはe-Taxソフト(WEB版)から確定申告を行います。マイナンバーカードとICカードリーダーがあれば電子証明書の登録などが必要なく、比較的すぐに申告等データを作成し送信できるため、かなり確定申告が楽になります。

②ID・パスワード方式

ID・パスワード方式の場合は、税務署で職員との対面で本人確認を行います。その際にe-Taxの開始届出書の提出やe-TaxのID、パスワードを受け取ります。この場合は、e-TaxのID、パスワードが必要ですが、逆に、マイナンバーカードとICカードリーダーの準備が不要です。確定申告書等作成コーナーから確定申告を行います。こちらも、かなり確定申告が楽になる方法です。

まとめ

マイナンバー制度は、法人だけでなく、個人事業主にも大きな影響を与えます。個人事業主であっても、外注先や従業員のマイナンバーを取得する必要があります。また、個人情報の漏えいを防ぐためにも、しっかりとした管理をすることも求められます。ぜひ、この記事を参考に、マイナンバーに対する認識をしっかり持つようにしましょう。

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