【仕訳のポイント】企業が非常食を買ったときの取り扱い

8月30日から9月5日まで「防災週間」に指定されています。毎年9月1日(関東大震災の日)は「防災の日」として全国で防災訓練が行われています。ニュースでごらんになった方も多いのではないでしょうか。ということで、今日は防災にちなんで企業が非常食を買ったときの処理についてお話いたします。
大手企業などでは地震などの大規模災害に備えて、全社員が社内で長期間生活できるだけの非常食を用意しているところが多くあります。また、中小企業でも社員のために、缶詰や水など当座の非常食を備蓄するようになってきました。
しかし非常食は、数年間から数十年といった長期間の消費期限を有するものが多く、結果として保管期間が数年に渡ることになることから、税務処理の仕方に迷う場合があります。
通常、販売や業務をするために必要な道具・物品のうち、未使用の状態で保管してあるものは「貯蔵品」として扱います。貯蔵品として処理する場合、法人税では実際に事業の用に供した場合、つまり、道具や物品を使用、消費等した時点で損金に算入することになっています。
ただし、消費税ではたとえ貯蔵品であっても購入時の仕入れ税額控除が認められていますので、購入時に費用処理した後、期末等において未使用保管分を貯蔵品に資産計上する方法が一般的です。
非常食もこの貯蔵品と性格が似ていますが、法人税法上、購入時の損金算入が認められています。それは、非常食は消費することではなく、備蓄すること自体が目的であり、備蓄した時点で事業の用に供したといえるからです。さらに、非常食は一般に消耗品と扱われる「食料品」であるため、減価償却資産や繰延資産としても扱われません。 従って、非常食を購入した場合は、購入時に消耗品費として処理をすることができます。
ちなみに、消費期限が迫ってきた非常食は新しい非常食と入れ替えることになりますが、特に中小企業などでは古い非常食を捨てずに社員に配っているケースがあります。この場合、一部の社員にのみ大量に配付したり、まだ十分に消費期限の残っている非常食を配付した場合、その非常食が現物給与と認定される恐れがありますのでご注意ください。
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