追徴課税とは?請求項目と払えない場合の問題点、実例を解説 – マネーイズム
 

追徴課税とは?請求項目と払えない場合の問題点、実例を解説

追徴課税とは確定申告に不備があるなどし、本来払うべき税金よりも少ない額を納税していた場合に課せられる附帯税のことです。基本的には請求された際に速やかに支払うべきですが、手元にお金がなくすぐに追徴課税を払えない人もいるでしょう。今回は追徴課税の概要や項目、払えないとどうなるのかを事例とともに解説します。

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追徴課税とは

追徴課税の概要

追徴課税は税務調査などで売上の申告漏れや無申告などが指摘された際に、本来納めるべき税金を納める行為です。申告漏れの場合は差額を納税し、無申告の場合はすべてを納税します。ただ、税務調査ではなく自分で確定申告の不備に気づいた際に修正申告して納税しても追徴課税と同じ扱いです。
また、状況によっては本来納めるべき税金以上に税金を納めなければなりません。これは納税が遅れていることに対するペナルティや不正行為に対する罰金的な意味合いがあります。どのような納税を求められるかは、状況により変わり、税務署の指示に従わなければなりません。

基本的には一括での納付

基本的に追徴課税を請求された際は一括で納付する必要があります。税金は状況に応じて分割納付が認められることがありますが、追徴課税の場合は分割納付を認められません。分割で納付できない理由は、支払いの遅れている税金であるためです。期日通りに納める税金であれば、ある程度は分割を認められるかもしれません。しかし、追徴課税は本来納めるべき税金が遅れている状態であるため、早急な納付を求められます。

不服申立も可能

もし、追徴課税が請求されることに納得できないならば、不服申立が可能です。修正申告で不足している税金を支払わず、税務署に対して再審査を求める手続きです。税務署は何かしらの理由をもとに追徴課税を請求してきますが、その内容が誤っている可能性もあります。そのため、再審査してもらい税務署の誤りが認められれば、追徴課税の請求は取り下げられます。

追徴課税として請求される税金

本来納めるべき税金との不足額

納めている税金と本来納めるべき税金の差額です。基本的には修正申告を行なっているため、申告時に判明した不足額を納めます。修正申告は自分たちで確定申告書を作成するため、納税額はすぐに把握できます。事前に算出しておいて現金を確保することが可能です。

延滞税

税金を期日までに納付していない場合は、納付期日の翌日から納付日までの日数に応じて延滞税が課されます。延滞税の原則は、納期限までの期間及び納期限の翌日から2カ月を経過する日までの期間については、年「7.3%」と「延滞税特例基準割合+1%」のいずれか低い割合を適用」で、2022年の割合は2.4%です。また、納期限の翌日から2カ月を経過した日以後については、年「14.6パーセント」と「延滞税特例基準割合+7.3パーセント」のいずれか低い割合を適用で、2022年は8.7%です。延滞税特例基準割合は毎年変動しており、納期限の翌日から2カ月が経過したかどうかでも割合が変動するので、毎年国税庁の情報を参照しましょう。

利子税

利子税は何かしらの理由で税金の納付が間に合わなかった際に納付の延長を申請し、それが認められた際に課される税金です。納付が遅れてしまうことを自己申告した場合でも、ペナルティとして利子税が課されます。こちらも税金の納付が遅れている状況には間違いありません。そのため、期日までに税金を納めている人達と差別化するために、この税金が設けられています。

加算税

税金の納付が遅れてしまうと、ペナルティとして課されるのが加算税です。加算税は行政制裁のような意味合いを持つもので、状況に応じて以下の4種類が適用されます。

過少申告加算税

期日内に確定申告はしたものの、申告額が納めるべき税金よりも少なかった場合の追徴課税です。「本来納めるべき税金との不足額」の10%を納めます。ただし、期日内の申告額と50万円のいずれか多い金額を超える部分については15%を納めます。

無申告加算税

事前に承認を受けていない状況で、期日内に確定申告をしなかった場合の追徴課税です。基本的には本来納めるべき税額に対して15%ですが50万円を超える部分は20%を納めます。なお、事前に承認を受けている場合は利子税となるため、追徴課税としての意味合いが異なるでしょう。

不納付加算税

源泉徴収で預かった税金を適切に納付しなかった場合に課される追徴課税です。自分自身が納める税金だけではなく、源泉徴収についても追徴課税が課される場合があります。なお、不納付加算税は、告知があった場合は源泉徴収として納めるべき税金の10%を、告知を予知せずに納付した場合は5%を納めなければなりません。

重加算税

売上を意図的に隠すなど不正行為によって脱税した場合に課される追徴課税です。税務署が「悪質」だと判断した場合に課されるもので、どのような状況下で課されるかは税務署の判断に委ねられます。重加算税は追徴課税の中でも重い処分であり、過少申告加算税・不納付加算税に加えて35%、あるいは無申告加算税に加えて40%を納めなければなりません。

追徴課税が払えないと差し押さえの対象になる

納付が遅れると財産が差し押さえられる

追徴課税を速やかに納付しないと「滞納状態」になってしまいます。滞納状態であると、税務署などは法律に基づいて財産の強制的な処分が可能です。処分を受けないためにも速やかな納付が求められます。ただ、差し押さえはいきなり実施されるのではなく、事前に督促状が届きます。督促状に記載されている期日までに追徴課税の滞納を解消しなければ、差し押さえが進められてしまうでしょう。

差し押さえられる可能性がある財産例

追徴課税の支払いができない場合は資産を差し押さえられる可能性があります。そのような処分を下されると、例えば以下の資産が差し押さえの対象となります。
 

  • 動産
  • 有価証券
  • 不動産
  • 債権

 

なお、税金の支払いに代えて差し押さえられるため、金銭的な価値が認められるものに限ります。また、本人が保有している財産のみが差し押さえの対象となり、家族が保有している財産は差し押さえ対象外です。

追徴課税が請求された実例

株式会社サンリオ

株式会社サンリオは2021年3月期までの5年間について約13億円の追徴課税を受け、2022年4~6月期に計上しています。こちらは株式会社サンリオの香港と台湾にある子会社の所得について、日本にある親会社と合わせて申告すべきだと指摘されたためです。株式会社サンリオは現地でしかできない事業であると主張していますが、国税庁はタックスヘイブンにより日本の税金を不当に減らしていると判断しました。なお、株式会社サンリオは追徴課税を全額納めているものの、租税回避の目的ではないと反論しています。現時点では納税していますが、反論が認められれば処分は取り消されます。
 

Netflix合同会社

動画配信サービス大手のNetflix合同会社は、2019年12月期までの3年間で、合計12億円の申告漏れが指摘されました。過少申告加算税を含む法人税などの追徴税額は約3億円と見られています。このようなことが起こった理由は、確定申告はしているものの、売上金額が不足していると判断されたからです。Netflix合同会社は日本映画の配信権をオランダ法人に譲渡しています。しかし、オランダ法人に妥当な金額が支払われていないと判断され、日本法人の売上として課税されるに至りました。

☆ヒント
正しく税金を納めていなければ追徴課税を課される可能性があるため、正確な確定申告が必須です。自分で気づいていなくとも誤りがあれば追徴課税を課されるため、これを予防するためにも顧問税理士を契約し、申告内容を精査してもらうと安心です。

まとめ

追徴課税は税金を正しく納めていなかった際に請求される追加の税金です。本来納めるべき税金との差額を納めるだけではなく、納付が遅れたことに対するペナルティとして複数の税金を追加で納めなければなりません。また、追徴課税は速やかに一括で納付する必要があり、期日に遅れると差し押さえを受ける可能性があります。

松崎ぶっち
立命館大学卒。
在学中に起業・独立などにあたり会計や各種監査などの法規制に対応するためのシステム導入ベンダーを設立。紆余曲折を経て多くのシステムを経験。
システム導入をされるお客様の起業活動を通じて得た経験、知見を活かし皆さんの気になるポイントを解説します。
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