NTTドコモとマネックス証券、資本提携で新たな金融サービスモデル構築へ | MONEYIZM
 

NTTドコモとマネックス証券、資本提携で新たな金融サービスモデル構築へ

10月4日、NTTドコモはマネックスグループおよびその子会社であるマネックス証券との資本提携契約を発表しました。この提携の主要な目標は、資産形成サービスを中心に据えた新しい金融サービスモデルの構築です。発表によれば、NTTドコモはマネックスグループと資本提携し、マネックスが新たに設立する持株会社に485億円の出資を行い、その下でマネックス証券を来年1月に子会社化するようです。

資本提携の舞台裏、中間持株会社設立で新たな時代の幕開けか

4日の夕方、都内で行われた記者会見において、NTTドコモの井伊基之社長は「ネット証券特有のサービスやノウハウとNTTドコモの幅広い顧客基盤を活用し、手軽で容易な資産形成サービスを提供し、今後は生成AIなどのテクノロジーを活用して証券サービスを進化させていきたい」と発言し、マネックスグループの松本大会長は「日本中の個人に対し、NTTドコモと協力して最高の資産形成サービス提供の実現を楽しみにしている」とコメントしました。
 

NTTドコモは、個人の投資家が増加傾向にあるなかで、2024年1月から実施される優遇税制「新NISA」の拡充に注目し、個人の投資家向けの事業に積極的に参入する計画を立てました。
 

この提携において、両社はスマートフォン決済と連携し、ポイントサービスを共有化するなど、協力関係をさらに深める予定です。また、次世代の金融商品を共同で開発する計画も進行中です。
 

NTTドコモは、スマートライフ事業の一環として、決済分野としては「dカード」と「d払い」などのサービスを提供しており、これに投資、融資、保険などのFinTechサービスを組み合わせています。今回の提携により、マネックスグループおよびマネックス証券と協力し、投資分野へ本格的に参入する方針です。
 

携帯通信業界の主要なプレイヤーであるKDDI、ソフトバンク、楽天はすでにグループ内に証券会社を保有しており、NTTドコモが新たに本格的に市場に参入することで、日本の証券業界が一段と激化する見込みです。
 

現在、国内ネット証券2強のSBI証券と楽天証券は、9月30日以降、日本株の売買手数料を無料にしており、マネックス証券はライバルとの手数料競争では劣勢にあります。
 

またNTTドコモは金融の経済圏では遅れをとっていたこともあり、両社の資本提携による今後のシナジー効果が注目されます。
 

今後、マネックス証券は株式移転の方法によって中間持株会社を設立する計画です。
 

この中間持株会社は、マネックス証券の全株式を取得するために株式の移転を行います。その後、マネックスグループは、中間持株会社の一部の普通株式をNTTドコモに譲渡し、同時に中間持株会社はドコモを割当先として新たな普通株式を発行する予定です。中間持株会社の議決権所有割合は、マネックスグループが約51%、NTTドコモが約49%となります。
 

NTTドコモとマネックスグループは、協力して中間持株会社を通じてマネックス証券の運営に取り組む予定です。
 

この計画の実行予定日は2024年1月4日であり、この日を境に中間持株会社の名称は「ドコモマネックスホールディングス株式会社」となる予定です。

鈴木林太郎
金融ライター、個人投資家。資産運用とアーティスト作品の収集がライフワーク。どちらも長期投資を前提に、成長していく過程を眺めるのがモットー。Webメディアを中心に米国株にまつわる記事の執筆多数。
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