「新型コロナ給付金」は、「特定の世帯に30万円」から
「全国民1人当たり10万円」に。5月中に支給開始か

「新型コロナ給付金」は、「特定の世帯に30万円」から  「全国民1人当たり10万円」に。5月中に支給開始か
公開日:
2020/04/17
 
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新型コロナウイルス感染症に関する経済対策の「目玉」である、国民への現金給付について、政府は従来の「収入が減って厳しい状況に置かれた世帯に、一律30万円を支給する」というやり方を撤回し、「全国民に1人当たり10万円を給付する」という形に改める方針を明らかにしました。支給開始は「5月中を目指す」としています。最新の情報に基づいて、ポイントをまとめました。(4月16日現在)

給付は「世帯」から「個人」に

従来の「現金給付」は、「要件(新型コロナウイルス感染症の影響で、収入が一定の指標を下回っている)を満たした『世帯』に対して、一律で30万円の給付を行う」というものでした。例えば単身者でも4人家族でも、決められた要件を満たした場合には、支給金額は同じ30万円、という仕組みになっていました。

 

新たな方式では、給付の対象が「世帯」ではなく、「個人」になりました。単身者は10万円、4人家族だったら、各個人に10万円ずつ支給され、世帯の合計では40万円がもらえることになります。

 

従来方式は、こうでした。

所得制限は設けない

従来方式では、要件を満たさなければ、給付は受けられないことになっていました。そのため、対象となる世帯は、全体の2割程度と試算されていたわけです。

 

これに対して、新たなやり方では、給付は「全国民」に広がります。与党内には、「所得制限を設けるべきではないか」という意見もあったようですが、結局、そうした制限などは設けない一律給付で決着しました。

 

ちなみに、「国民1人当たり10万円支給」のために、補正予算の組替えで必要になる財源は「12兆円超」と報じられています。これは、日本の人口約1億2,500万人から単純計算した数字。逆に言えば、全国民一律給付を前提に予算を組み替えます、ということです。

「わかりにくさ」「実情との乖離」は解消される?

従来の30万円給付の要件は、(Ⅰ)世帯主の月収が、新型コロナウイルス感染症発生前に比べ減少していて、かつその月収が一定額(世帯人数によって異なる)以下になっているか、(Ⅱ)世帯主の月収が、新型コロナウイルス感染症発生前に比べ1/2以下になっていて、その月収が一定額(同、Ⅰの倍額)以下になっている場合――というものでした。

 

この要件については、まず「給付の対象になるのかならないのか、わかりにくい」という批判がありました(当初案よりは簡略化されたのですが)。加えて、「特に生活が苦しい低所得者層を集中的に支援する」とうたいながら、本当に厳しくなっている人たちに必ずしも給付が行き渡らない、といった問題も指摘されました。

 

中でも批判されたのは、要件を検討する基準が「世帯主の月収」とされたことです。これだと、共働きの妻のパート収入がゼロになっても、世帯主の夫の収入状況が要件を満たさなければ、支給対象にはならなくなってしまいます。この要件については、その後、「世帯主である夫が病気などで収入が乏しく、妻の収入で生計を維持する」場合などには、世帯主以外の収入を考慮する、という修正が施されました。しかし、それでも次のような矛盾は残りました。

 

  • 夫婦と子ども1人の3人世帯で、世帯主である夫の月収が30万円から21万円に減った→×支給されず(ただでさえ、ギリギリの生活なのに)
  • 夫と妻の2人世帯で、世帯主である夫の月収が20万円から15万円に減った。一方、妻にも20万円の月収があり、こちらは「コロナ前」と変わっていない→〇支給対象(共稼ぎでよかった)

 

「全国民1人当たり10万円支給」としたことで、「はたして自分は支給対象なのか?」という「わかりにくさ」は解消されました。細かな要件を定めたことによる不合理も、一応なくなりました。

新方式で「損」をするケースもある&「ズル」はできなくなった

さきほど説明したように、今度の施策に必要な財源は、12兆円に上ります。従来方式のために計上されていたのは4兆円ですから、国民全体が受ける恩恵は大きく広がりましたが、個別に見ると、「前のほうがよかった」というケースがありえます。

 

具体的には、単身者と2人世帯。従来方式の要件を満たしていた場合、いずれも世帯として30万円を受け取れたのですが、新方式だと単身者は10万円、2人世帯は合わせて20万円と、減額になってしまうのです。

 

一方、従来方式だと、仮に「コロナ」の影響をそんなに受けておらず、年収ベースでは去年と変わっていなかったとしても、例えば次のような「技」を使って30万円をもらうことが、理論上可能でした。この方式の要件の1つは、今年2~6月の任意の月(自分で選べる)の月収が、前年同月より減っていること。ある月の月収だけを意図的に前年同月よりも減らし、それを基にして申請したとしても、支給対象になれたのです。

 

しかし、新しい方式では、こうした要件自体がなくなりましたから、このような「不正まがい」の余地も消えました。

給付は5月中にスタート?

報道によれば、政府は、この10万円給付を盛り込んだ2020年度補正予算案を、4月20日に閣議決定し、27日に国会に提出する方針です。2009年に、やはり全国民を対象に配った「一律給付金」は、行政側の本人住所などの事前確認に手間取り、支給まで3ヵ月程度かかりました。その前例を踏まえて、今回は市区町村への自己申告制(申請)となるようで、政府は「5月中の給付開始を目指す」としています。

 

ただ、具体的な申請方法や、給付の仕方などについては、これから決定されることになります。

まとめ

「新型コロナ」経済対策の現金給付が、「所得制限なしの1人当たり10万円」で「決着」しました。今後明確になる申請方法などの情報に注目していきましょう。

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