「新型コロナ」対策でもらえる10万円の給付金には
課税されるのか? 高所得者対策は?

「新型コロナ」対策でもらえる10万円の給付金には  課税されるのか? 高所得者対策は?
公開日:
2020/04/21
最終更新日:
2020/05/08
 
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新型コロナウイルス感染症緊急経済対策として打ち出されていた国民向けの現金給付は、「1人当たり10万円」で決まりました。ところで、もらえるのはいいけれど、このお金には、所得税がかかってくるのでしょうか? 一方、「全国民一律給付」となると、特に生活に困っていない富裕層も、同じく10万円を受け取ることになります。「そういう人たちには、あとで課税して返してもらう」という話もありますが、そんなことが可能なのでしょうか? 「コロナ給付金と税」について解説します。(4月20日現在の情報を基にしています)

「住民票」を基に支給

緊急経済対策として、「本当に困っている人を手厚く支援する」というコンセプトで導入予定だった「世帯に30万円の現金給付」は撤回され、「全国民に1人当たり10万円を支給する」ことになりました。その支給(受取)方法も、徐々に固まってきたようです。

 

受給者の特定は「住民基本台帳」をベースに行われます。「全国民」と言いましたが、日本国内に住民票を持つ外国人も対象となる方向です。具体的には、基本台帳に登録された世帯に世帯全員の氏名が記載された申請用紙が送付され、代表者がそれに振込口座などの必要事項を記入して返送すれば入金される、という郵送方式が基本になります。このほか、ネットによる申請や、必要に応じて自治体窓口などでの対応も検討されているようです。

今回の給付金は非課税です

では、この10万円には税金がかかるのか? 政府は、急激な収入減などを支援するという給付金の目的も考慮して、非課税としました。

 

税法上、この給付金は「一時所得」として扱うことが可能です。一時所得とは、「営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得」(国税庁)のことで、具体的には、①懸賞や福引の賞金品、②競馬や競輪の払戻金、③生命保険の一時金(業務に関して受け取るものを除く)や損害保険の満期払戻金など、④法人から贈与された金品(業務に関して受け取るもの、継続的に受け取るものは除く)――などが該当します。

 

この一時所得には、基本的に50万円の特別控除額が設けられている(50万円までなら課税されない)ので、たとえ10万円がこれにカウントされたとしても、それだけでは税金はかかってきません。ただ、今述べた他の所得、例えばたまたま生命保険の一時金を受け取っていたような場合には、その金額と合算されて課税される可能性があります。それは問題だという判断から、最初から非課税扱いにしたわけです。

「103万円の壁」にも影響しない

なお、パートやアルバイトの場合、年収が一定水準を超えると税金が発生したり高くなったりする「年収の壁」を意識して働くことが、珍しくありません。例えば、最も低い壁は「103万円」で、これ以内なら所得税は非課税、越えれば課税対象になります。給付金を受け取ったために、この壁を越えてしまった、などということはないのでしょうか?

 

これも、今回の給付金が非課税扱いとなったことで、気にする必要はなくなりました。10万円の給付金の受給そのものに関しては、税金の支払いは発生しない、というのが結論です。

「高所得者からは年末調整で返してもらう」は、可能なのか?

一方、今回の現金給付が「所得制限を設けず、一律10万円」とされたことに対しては、「富裕層、高所得者や、収入の変わらない公務員、年金生活者までお金が配られるのはおかしい」という批判があります。国家財政が厳しい折に、総額12兆円強の国費(これも税金です)を投入することになるわけですから、そういう声が上がるのも当然と言えるかもしれません。

 

これに対して、「今はスピード重視だから、とりあえず支給したうえで、高所得者からは年末調整で返してもらえばいい」といった意見があります。年末調整はサラリーマン(給与所得者)が対象ですから、個人事業主などは確定申告の際に調整する、ということが想定されているのでしょう。

 

ただし、その具体的な方法について、国が方策を検討しているという情報は、今のところ伝わっていません。それどころか、麻生財務大臣が「(そうした調整は)手間暇がかかる」「事後回収は困難」と述べるなど、現実的には難しいとする指摘もあります。

 

所得で線を引いて、高所得者に多く課税する仕組みは、簡単に作れるのか? まず問題になるのは、「どこで線を引くか」ということです。ちなみに、「所得が1000万円」というのは、今の日本ではかなり限られた人たち、というイメージになるのではないでしょうか。もちろん、それも1つの案ではありますが。

 

さらには、所得金額による「傾斜」をどうデザインするのか。同時に、あくまでも「10万円の給付を返してもらう」わけですから、「10万円以上回収」したらフェアではないことにも、注意が必要です。

 

政策の「公平性」を実現するために、政府には知恵を絞ってもらいたいと思いますが、なかなかハードルの高い課題であることは、事実のようです。

5/8追記

5/1に総務省の特別定額給付金のサイトが公開されました。
申込方法は郵送とオンライン申請(マイナンバーカードを持っている方)になります。
https://kyufukin.soumu.go.jp/ja-JP/

まとめ

新型コロナウイルスによる「1人10万円」の給付は、非課税です。ただ、今後高所得者からの回収が議論されるかもしれません。給付の方法なども含めて、最新情報に注意してください。

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