20代の5人に1人が「終活」をスタートさせている 早めに準備を始めるメリットとは

[取材/文責]マネーイズム編集部

いわゆる終活に取り組んでいるかどうかを聞いたところ、20代でも2割近くの人が「している」と回答した――。ある調査でこんな実態が明らかになり、注目されました。背景にはどんな理由があるのか、早い時期から終活を始めるメリットは何なのか、考えてみます。

「遺言書の作成」も

終活を意識する若い世代

調査を行ったのは、名古屋市を中心に、関東、中部、関西地方で葬儀事業などを展開する株式会社ティア(本社:名古屋市、冨安徳久社長)。全国の20代~70代の男女1,500名を対象に、“葬儀”に対する意識と実態について、インターネットを使って聞いたものです(2024年3月27日公表)。

特にメディアで注目されたのは、「終活」に対する回答結果でした。「あなたは現在ご自分の最期の準備(いわゆる終活)をしていますか?」という問いに対して、全体で22.3%が「している」と答えたのですが、まだ終活は先の話と思われる20代でも、そう回答した人が19.6%に上ったのです。

ちなみに、「終活をしている」という人の割合は、50代まで2割弱でほとんど変わらず、60代になると25.2%、70代では34.0%に高まる結果となっています。60代以降でその割合が高まるのは、当然といえるでしょう。この調査結果は、むしろ「終活は高齢者だけのものではない」という実態を明らかにしたといえます。

どんな終活をしているのか

ところで、ひとくちに終活といっても、いろいろなとらえ方があります。20代は具体的にどんな行動をしているのでしょうか? 調査では、次のような結果になりました。

以下の「%」は20代でその行為を行っている人の割合、「(%)」は全体の中での割合です。

項目 割合(20代|全体)
遺言書の作成 5.2%(3.6%)
エンディングノートの作成 4.0%(4.5%)
家族との話し合い 5.6%(8.3%)
親しい人へのメッセージの準備 2.8%(2.1%)
生前整理 2.8%(6.7%)
デジタルデータの整理 2.4%(2.9%)
相続の準備 2.4%(3.1%)
葬儀の準備 1.2%(1.6%)

など

「遺言書の作成」が全体を大きく上回っているのをはじめ、終活に対する意識の高い人は、若いころから着実に準備を進めていることがうかがえます。

20代で終活を始める理由

この調査でもう1つ特徴的だったのは、「葬儀の実施意向」についての結果でした。「配偶者や親が亡くなったら葬儀をしたい」と思っている人が多い半面、自分の葬儀に関しては、「してもらいたくない」という回答が多数を占めたのです。

「配偶者が亡くなった後、配偶者の葬儀をしたいですか?」という問いに「はい」と答えたのは、全体の76.2%、同じく「親が亡くなった後」については73.2%でした。ところが、「自分が亡くなった後、葬儀をしてもらいたいですか?」では、逆に「いいえ」が61.1%に達しました。20代では、64.4%が「いいえ」と回答しています。

自分の葬儀をしてもらいたくない理由も様々だと考えられますが、経済面などで家族に迷惑をかけたくない、という思いがあるのは確かでしょう。20代から終活を始める人が少なくないのにも、このような感情が反映しているものと思われます。

死後のことを「タブー視」する傾向は薄れ、「終活」という言葉も一般化しました。また、昔に比べると、今の若い世代には、「自分のことは自分で決めたい」という意識が高まっているといわれます。そうした社会状況の変化も、終活の早期スタートに結びついているのかもしれません。

早めに終活を始めるメリットは

不測の事態に備えられる

人間の寿命を正確に予測することはできません。若いときから終活を始めていれば、不測の事態に確実に備えることができます。それは、いざというときの家族の負担軽減を図るだけでなく、日々暮らすうえでの自らの安心につながるでしょう。仕事などに集中できる環境づくりにも役立ちます。

ライフプランを描ける

終活に取り組むことは、人生そのものを考えることにつながります。客観的に自分を見つめることにより、より具体的なライフプランを描くことが可能になるはずです。プランの設定が速いほど、それを実現するための選択肢も豊富になります。

身の回りの物を整理できる

終活のポイントの1つが「生前整理」、要するに不要な物を減らすことです。事実、残された家族が苦労するのが、遺品の整理なのです。若いころから「断捨離」の習慣をつけておけば、人生を通じて身軽な暮らし方を実践することができます。

家族とのコミュニケーションを広げる

終活は、家族とのコミュニケーションを広げる機会にもなります。実際に今回紹介した調査では、終活の手段として「家族との話し合い」を挙げる人が多くいました。

また、自分の終活は、家族の行く末を考えることにもつながります。家族でコミュニケーションが取れれば、なかなか切り出しにくい親の終活について、話を聞く機会も増えるでしょう。親の相続を円滑に進める効果も期待できます。

まとめ

もはや終活は高齢者だけのものでなく、20代から始める人も多くいます。終活は自分の人生そのものを客観的に見つめることにつながり、身軽な生活を実現できる、といった家族の負担軽減や将来の安心にもつながります目に見える効果も期待できます。「早すぎる」と思わずに、できることから始めてみてはいかがでしょうか。

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