2024年春闘は賃上げ率5%超えの企業多数!マイナス金利政策も解除へ?

2024年の春季労使交渉(通称:春闘)で、労働組合が掲げる賃上げ率の要求方針「5%以上」を多くの企業が超えることがわかりました。製造業に至っては、80%以上が労働組合の賃上げ要求に対して満額もしくは、それを超えると回答しました。
物価上昇に応じて賃上げが進み、実質賃金がプラスに転じれば、日本のマイナス金利が解除される可能性がみえてきます。
2年連続の大幅賃上げで、“実質賃金マイナス”脱却の可能性は? 2024年春闘の展望
賃上げの回答額は昨年超え!日銀内でマイナス金利解除を容認する流れが広がる
今回の春季労使交渉で回答された企業の賃上げ率は、約30年ぶりの高水準であった昨年を超える勢いです。特に製造業での賃上げ回答が顕著で、52の主要労働組合すべてが基本給を底上げするベースアップに相当する賃金改善をするとしています。回答額は平均14,780円と、昨年を上回っています。
労働組合の賃上げ要求に対して応えている企業は製造業だけではありません。例えば、コロナウイルスの影響が大きかった外食業でも高水準の回答が出ています。王将フードサービスは11.5%、ゼンショーホールディングスは12.2%と、賃上げ要求を大きく上回っています。
1月時点の2024年の賃上げ率は、民間予測だと全産業で3.85%と、昨年実績の3.5%を0.3%上回る見込みです。しかし、今回の労使交渉でさらなる上方修正が相次いでおり、ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査部長は「全体平均で平均5%の賃上げ率もあり得る」としています。
昨年も賃上げは進んだものの、それ以上の物価高で実質賃金はマイナスでした。1月の民間試算では、2024年の賃上げ率が3.6%を超えればプラスに転じるとしています。高い賃上げ率を維持できれば、低迷していた日本経済が改善されていくでしょう。
また、このまま賃上げが進めば、日銀が行っているマイナス金利政策が解除されるかもしれません。物価上昇に伴った賃金上昇が進み、経済の好循環が回り始めていると日銀が判断する可能性があるためです。日銀内でもマイナス金利解除を容認する意見が広がっており、18日~19日の金融政策決定会合で議論が行われる予定です。
もしマイナス金利解除が決定されれば、諸外国との金利差が縮まって為替市場が大きく動く可能性があります。2024年は市場が大きく動く年になるかもしれません。
▼参照サイト
日銀、マイナス金利解除議論へ 賃上げ集計見極め判断【日本経済新聞】
大手賃上げ、5%超相次ぐ 人材確保に配分【日本経済新聞】
株価大幅続落と日銀マイナス金利政策解除後の不確実性【野村総合研究所】
青山学院大学教育人間科学部卒。在学時からFP2級を取得し、お金に関わるジャンルを得意とするライターとして活動。その後、上場企業へ入社し、Webマーケティング担当として従事。現在はお金ジャンルを得意とする専業ライターに転身。「お金の知識は知ってるだけで得する」という経験を幾度もしており、多くの人にお金の基本を身につけてもらいたいと思い執筆を続けている。
新着記事
人気記事ランキング
-
【まだ未定】政府の全国民一律2万円給付金とは?対象者・支給時期・申請方法まとめ
-
【最新動向】ガソリン税「暫定税率」12月廃止の可能性は?与野党合意に向けた最新協議と価格変動・代替財源の論点解説
-
ふるさと納税「ポイント還元」2025年9月30日で廃止へ!寄付者・自治体への影響と今後の活用法を解説
-
税務署に狙われる?相続税の「うっかり」申告漏れ財産ベスト3
-
補助金・助成金は課税対象?確定申告・会計処理まで完全ガイド
-
相続税対策としての生命保険の「非課税枠」とは その使い方と注意点を解説
-
【2025年参院選後】与党過半数割れと今後の政策・日本政治の行方
-
2025年8月トランプ関税まとめ|日本企業への影響と今からできる対策
-
【2026年施行】子ども・子育て支援金はいくらもらえる?対象・計算方法・申請をわかりやすく解説!
-
あなたの資産は守れる?【2025年】金融所得課税強化の影響と対策を解説