税理士コラム | 税理士紹介25年、税理士紹介のパイオニア「税理士紹介センタービスカス」

税理士 紹介ビスカス > 税理士コラム

税理士コラム

吉田信康税理士事務所ブログ

税理士は「後ろ向き」の人種 その5
2008.10.31

ところで相談を受けた税理士の友人に対して
「勉強になるから株買ってみたら。」
「日本経済の別の見方ができるよ。」
と薦めてみました。
「儲かるかどうかは当然自己責任だよ。」
と念を押しておきましたが・・・。

意外に株など買った経験のない税理士が多いものです。
「賭け事はキライだから。」
「先祖からの家訓だ。」
そうハッキリいう方も多いです。
実は以前は東京税理士会の証券関係の研修講師もやったことさえあります。
「株も買った経験もないのに、株式の税務が分かるはずないでしょ。」
これ私の持論です。

同じ理屈で
「会社も経営したこともないのに、経営コンサルタントなんかできるはずがない。」
「人も雇ったことがないのに人事コンサルタントなんかできっこない。」
そう本当に思っています。

「とにかく人生勉強だから。」
迷っている友人に最後にそう言ってあげました。
でも損しても恨まないでください・・・。
まあ立派な税理士になるための授業料です!?


税理士は「後ろ向き」の人種 その4
2008.10.30

「今株は買い?」
「どの銘柄買ったらいいの?」
ここ数日、親しい税理士仲間数人から聞かれました。
難しい質問です。
でもブログなんか!?でこの答えは言いません。
いろいろ自信のある銘柄もあるのですが・・・。(残念!)

「こんなに暴落して大丈夫?」
心配していただいてか、これも聞かれました。
残念ながら、私は今1株も持っていません。
どんなに下がっても気楽なものです!

以前は株を当然数銘柄持っていたこともありましたが、
実は数年前、「証券仲介業」の免許を持った時、
すべて株を売却しただけでなく、それこそ口座もすべて廃止しました。
法律により厳しい制約を受けるからですね。
税理士として、この証券仲介業の免許を持ったのは、
多分日本初!第一号!!だったと思います。
残念ながら、昨年証券取引法が改正され、
金融商品証券取引法に変更されたのをきっかけに、
その免許も返還してしまいました。
なぜ辞めたかというと、やはりあまりに法律が厳しくなりすぎて、
とても税理士業の片手間にはできないと判断したからです。

この「証券仲介業とは」や、それ以外にもいろいろ書きたいこともありますが、
やはり辞めたとはいえ守秘義務がありますので、ブログでは公表できないのです。
これは真面目なお話なのでネタにはできません。
あしからず・・。


税理士は「後ろ向き」の人種 その3
2008.10.29

「税理士としてキチンと過去の経理内容を見る責任があるのではないか!」
「正しい申告をして始めてお客様から報酬をいただくからこそ、
過去のことをよく聞いているのだ!」
そろそろ、この業界の方々より、そう反論がきそうですね。
非常に保守的な業界ですからね!?

しかし、こんなことをいろいろ申し上げるのは
私が以前証券会社という「前しか見ない」特異な業界にいたからでしょうか。
ちょうど今のご時勢ではないですが、
まさに「これから株が上がるだろうか。下がるだろうか?」
常に将来を考えている業界でしたらね。
それこそ朝刊を昼頃読んでいたら
「何今頃やっている!」って上司から怒鳴られる業界でしたから!?

それに対して、税理士業界は非常に過去のことにこだわります。
業界の集まりでも昔話をすることが、皆大変お好きです。
本当に一週間前の朝刊をまだ読んでいるような・・・!?

しかし、この業界がどうあれ、この業界に飛び込んだ当初、
どうもなじめなかったものです。
本当に、経営者と向きが違うのではないか。
だから話がかみ合わないのだと本当にそう感じていました。

確かに今独立してお客様から報酬を頂けるのは、
過去の適正な経理処理に基づく、適正な申告をしてさしあげているからです。
でも、それは税理士として当然のこととして、
過去のデータを踏まえ、それを分析して経営者に対して
必要なこれからのアドバイスがどうできるか、
それを考えるようにしています。
誰よりも会社の内容が分かっているものが、
経営者と向きを同じにして一緒に考えてあげようと・・・。

・・・しかし、これから株式相場や日本経済はどうなるのでしょうか。
心配で寝られません・・・。


税理士は「後ろ向き」の人種 その2
2008.10.28

「後ろ向き」という過激な言葉なのですが、
実はこのお話は、私が講習会の講師をやる時のネタなのですね。
たまには私自身のネタバラシでもしましょうか。

どういう意味だかお分かりになりますか?
これ講習会の最後あたりにやると、結構ウケます。
「なるほど!」
と感心されてしまうのですね。

まず、この「後ろ向き」というのは、「否定的」とか、「消極的」とか
ネガティブな意味ではありません。
でも、講習会での受講者は必ずそう確信しているのですね。
このあたりも、この業界人として反省すべき点だと思っています。

・・・あまり引っ張らずに、このあたりで正解を言っておきましょう。
「後ろ向き」というのは、文字通り、「過去しか見ていない」という意味
なのですね。
未来を考える仕事ではなく、過去を扱う仕事だからでしょうか。
例えば、今頃ですと平成20年8月期の決算の申告時期ですね。
平成20年8月期の決算を依頼に来られているお客さんと税理士が話している時に、
通常は税理士の目は、「平成19年9年から平成20年8月」までを見ています。
「平成19年12月のこの支出はなんですか?」
「平成20年1月の勘定科目は・・」
という具合に、まさに「過去しか見ていない」のです。
個人の確定申告のお話の方が分かりやすいですか。全部昨年のことですからね。

もし、そのお客さんが輸出関連企業だったらどうでしょう。
申告より何よりも、これからの為替相場とその影響に興味があるはずです。
また通常の経営者でもそうです。
過去の勘定科目がどうのこうのより、これからの経営をどうするかに
当然興味があるはずですね。

この点本当に税理士は海より深く反省すべき点だと思っているのです。
つまり、「税理士は過去しか見ていないし、経営者は将来しかみていない。」

本当に「海より深い」ギャップがあるのです!


税理士は「後ろ向き」の人種 その1
2008.10.27

この世界的な金融経済の破綻
そして株価大暴落の際に、いつまでも昔のバブル時代のお話を
続けていたら、なんて「KY」な税理士と思われてしまうかもしれませんね。

こんな大事な局面の時こそ、少しカバンのお話をお休みにして、
これからのことを話してみましょうか。
ただ、ここで私が金融経済のお話をしても、また誰も読まないでしょうから、
軽くこの業界の裏話をしておきましょう。

まず「これからのお話」という意味当然お分かりになりますね。
「これだけ株が大暴落したら、株は買い時だろうか?」
「これだけ株が大暴落したら、私の株はどうしたらよいの?」
「為替がこれだけ円高になったら、輸出産業はどうなる?日本経済はどうなる?」
などなど、普通の常識的な感覚をお持ちの方なら
皆誰でも心配に思うはずなのですね。
でも、「この業界方々」はどうもこういうお話に無頓着なのですね。
苦手といっていいのでしょうか。

これは私自身永年疑問に思っていたのですが(!?)、
税理士の集まりに参加して、経済の議論や、株価の動向など
まったくといっていいほど話題になりません。

ではどうしてでしょうか?
こういう(また過激な)ことをいう税理士は私くらいかもしれませんが、
解説してみましょう。

理由は、
この業界の人々は本当に「後ろ向き」 (!?)の人種だからなのです!


かばんの真実 その30
2008.10.24

当時の金融機関を「詐欺師」呼ばわりするのは
ちょっと言い過ぎかもしれませんね。
クレームが来る前に、一応少しだけ(!)反省しておきましょうか・・・。

でも、最近読んだ本で 「逆転を呼ぶ気功仕事術

10.24%20%E9%80%86%E8%BB%A2%E3%82%92%E5%91%BC%E3%81%B6%E6%B0%97%E5%8A%9F%E4%BB%95%E4%BA%8B%E8%A1%93.jpg


というのがあります。
著者は大畑敏久氏で今急成長している「外為どっとコム」の社長さんです。
気功に興味があったといいうより、副題の「外為どっとコム躍進の秘密」というのに
つられて買ったのですが、非常に面白かったです。

この方は、東大を卒業して東海銀行(一澤帆布の長男と一緒ですね)に勤めて、
バブル当時の池袋と神戸支店の支店長を経験しているのですね。
まさに暴露本かもしれませんが、「当時は皆が狂っていた・・。」
と振り返っています。
「銀行間の激しい貸し出し競争に勝たなければ生き残れないと思っていたから、
胡散臭さを感じても気付かないふりして貸しまくった・・。」
バブル時代の裏話でしょうか・・・。

私もバブル時代の証券会社を経験していますし、生き証人(!?)です。
当時の新人研修は、必ず中小企業の株価算定を教わりました。
(多分今もどこの金融機関でも、やるとは思いますが・・・)
会社の決算書が2期分あれば、簡便的にすぐ株価を計算されるように
誰でも研修で叩き込まれます。

セールストークとしては
「社長!御社の株価は高すぎますね!これでは相続税が大変です。
株価を下げるには、利益を抑えて、配当をゼロにすればいいのですよ・・・。」
というような具合で、あたかも税制の専門家のごとく説明するのですね。
「利益をゼロにするには・・・。」といって自社の商品を勧めるのです。

やはり、税理士でもないものが税を切り売りしているような気が正直していました。
それがきっかけで税理士を目指すようになった訳です。

実は他にも税理士を目指した理由がたくさんあるのですが、
それもよく皆様に聞かれることなので、またブログネタですね。
いずれまた。お楽しみに・・・


かばんの真実 その29
2008.10.23

老人の弱みにつけ込むのが、今話題の「振込み詐欺の集団」です。
相続税に苦しむ方につけ込むのが、
当時の「相続コンサルタントの集団」ではなかったかと思うのです。
・・・こんな過激なことを言うのは私くらいでしょうかね。

でも、冷静にバブル当時のことを、思い返していただきたいのです。
当時は確かに「相続破産」というものすごい言葉が社会問題になりました。
ここで相続コンサルタントといっても、「自称」が就く方々です。
税理士ではないものが、相続についてよく分からない弱い立場の方々に対して
相続対策で・・・」という過激な(脅しの!?)セールストークが
大変流行った時代です。

まず銀行です。
「借金をすれば、マイナスの財産ですので相続対策になります・・・」
建築会社では
「借金してアパートを建てれば相続対策になります・・・」
保険会社では「借金で一時払い保険に加入すれば・・・」
証券会社では、「自社株を引き下げるには・・・。」
皆必死な異常な時代だったのではないでしょうか。
浮かれていた・・といってはいいすぎでしょうか。
本当に当時の銀行マンのバックには、ゴルフ会員権のパンフレットが入っていた・・・。

10.23%20%E3%82%B4%E3%83%AB%E3%83%95%E5%A0%B4.jpg

「相続対策のために当行で融資しますので、
関連会社の〇〇ゴルフサービスで会員権を・・・。」
もう猫も杓子も相続対策・・・・。


かばんの真実 その28
2008.10.22

ここ数日、「株価が暴騰して困っている」お話を続けていますが、
ここでまず勘違いされては困るのですが、
この今のご時勢にそう思わないとは思いますが、上場企業の株式ではありません。
「公開されていない」中小企業の株価なのですね。
でも暴騰しても喜ぶ人もあまりいないのです。いっそのこと、
「税務署が値上がりした値段でいつでも買い取ってくれる仕組みがあればよい」
のですが、税務署の買取の値段ではなく、あくまで評価額なのですね。
いつこれが評価されるかというと、やはり相続時、つまり所有者が亡くなって
初めて付けられる値段なのですね。だからこそ困るのです。

流動性のない中小企業の株価を10億円と評価されてしまって、
その税額が仮に3億円だとすると本当に困ってしまいます。
それでも税務署は「キャッシュで納めろ!」といってきます。
現金がないとなれば、「延納」といっていわゆる借金も認められますが、
いずれは払わなければ困るのですね。
これに本当に困っている相続人の方も多かったように思います。
いっそのこと商売をやめてしまって土地ごと売却してしまおうか
というご相談も多くありましたね。

でも一澤帆布のように代々商売をやっているとその土地を
なかなか離れなれないものです。

10.22%20%E6%96%B0%E5%AE%BF%E9%AB%98%E5%B1%A4%E3%83%93%E3%83%AB2.bmp

やはりその商売もその土地にあってこそという会社ばかりでした。
それよりも、やはり「寺内貫太郎」のような頑固な経営者が多く、
オレの目の黒いうちには!」という方も多かったように思います。

でもこんなに困っている方々に対して、
この当時のバブル時にはもっと困った方々が出てきました。
もう振り込み詐欺の集団(!?)より達の悪い人たちです・・・?

今だから言えるお話をちょっと内緒で(!?)してみましょうか。


かばんの真実 その27
2008.10.21

15年位前のお話なのですが、
以前新宿のある会計事務所に勤めていたことがありました。
私のつらく苦しかった修行時代のお話です。
その事務所は近隣の商店主がメインの顧客でした。

新宿西口は今では高層ビルで有名ですが、
戦後は駅前に広い空き地と、かつては浄水場なんかもありました。

そのあたりでご自分の土地をもって商売をされていたお客さん達は、
戦後商法が改正されて、皆こぞって会社を設立していました。

バブルの頃、新宿地区はまさに地上げの対象にもなり、
土地が高騰しました。多くは売却され買い替えなど税法上の特例を使って
郊外に移転していきました。
しかし、問題なのはその土地の上で代々商売をやっていた方々です。
個人で所有している土地が高騰しているのですが、
会社で建物を所有していたから、難しい問題が起きてしまいました。

どういう問題が発生したかお分かりですか。
会社に借地権という目に見えない巨額の財産が生じてしまったのです。
借地権というものは、税務上大変難しいお話です。
これはまた、いずれブログネタ(!)なのですが、
簡単に言えば、「建物を会社名義で持っていると
土地を所有しているのと同じくらいの値段に評価されてしまう」
のです。

私の担当している会社は皆これに悩んでいました。
普通の会社でも、株価を正式に評価すると
10億円以上にもなってしまうケースが本当にありました。
バブルの頃「相続破産」という言葉がありましたが、
まさにそれに該当するような会社ばかりでした。

一澤帆布のように利益が出続けて株価があがるのではなく、
その所有する財産(ここでは借地権)が値上がりして
結果的に会社の株価が上がってしまったお話です。


かばんの真実 その26
2008.10.20

先週までで株価が100倍になるような夢のようなお話をしましたが、
どうもこのあたり、なかなかご理解いただけないようです。
すいませんがもう少し脱線して、株のお話を続けましょうか。

上場企業の株式が2倍や3倍になることはよくあります。
しかし、未公開の会社の価値が本当に100倍になるようなこともあるのです。
本人にしてみたら、宝くじにあたったような思いかもしれませんが、
より確実に利殖で儲けようというお話なら、株式会社を設立して、
その価値を上げることなのですね。

ただ、一澤帆布のように数十年間も増収増益をすることが前提となります。
こういう会社は、本当に株式公開でもしたら本当に100倍どころか、
1000倍やそれ以上になることもあります。
数年前のITバブルの時に株長者が多数輩出されました。
ホリエモンも一時期、個人金融資産が数千億円!なんて騒がれましたね。

10.20%20%E3%83%9B%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%83%A2%E3%83%B3%E6%9C%AC.bmp

ただバブルのように泡と消えてしまったホリエモンでは
ちょっと例としてよくないでしょうね。
株式公開までしなくても、未公開企業の価値が
10億円以上になることは本当にあります。

ではまだよくご理解いただけない方のために、
具体的に私が経験したことでご説明していきましょう。


かばんの真実 その25
2008.10.17

では一澤帆布の株価はいったいいくらになったのでしょうか?
昨日机上の空論ながら、10年で7倍になったお話をしましたが、
ある書籍ではこの会社は
25年間売上が伸び続けている」
と出ていましたし、ある雑誌には
「会社は倍々ゲームで成長してきました。」
という社長さんのコメントもあります。
これは想像ですが、これは多分株価は数十倍になっていてもおかしくないのでしょう。

それには私なりの理由があるのですが、
どうもこの社長さん数字と言うか、税金にまったく無頓着の方のようです。
(大変失礼な発言でスイマセン。税金なんか考えているより
良いかばんを作ることに興味があるということです。)

先日この会社には関連会社が存在しないと説明しました。
私が顧問税理士なら、いわゆる節税策ということで、
「関連会社を設立しましょう。」と勧めたはずです。
一般論ですが、よく関連会社を多く作って、節税策を図ることも多いです。
(ただ、申し訳ないですがブログで節税策は詳細に公表しません。
国税庁の方が見ているかもしれませんからね!? 残念!!)

税金を気にしなければ、利益は会社に毎年内部留保され、
株価はどんどん上がっていったはずです。

本当に25年間増収増益の会社だったら、
1000万円の株価が10億円くらいに!?


かばんの真実 その24
2008.10.16

ここ数日株式市場が乱高下していますね。
証券マンだった頃はこんな時は眠られない日々が続いていました・・・。
今は株は持っていないので他人事のようです。
(持っている方。スイマセン・・。)

10.16%20%E6%9D%B1%E8%A8%BC%E3%80%80%E7%94%BB%E5%83%8F.bmp

このように上場企業の株式をお持ちだったら相続も説明しやすいのです。
中小企業の株式は、当然ながら毎日売買されるわけがなく、
値動きがしないわけですのでそんなに株価が上がるものなのでしょうか?

難しい相続のお話の前に、
(おっと、またここで脱線か?)未公開企業の株式の価格について、
"脱力系で" 少し説明しておきましょう。

例えば1000万円のキャッシュを用意して資本金1000万円の株式会社を
設立したとします。
当然出来たばかりなら、1000万円の価値ですね。
これが明日急に1割上昇することはありません。当たり前ですが。

一年間頑張って営業活動して、1000万円の利益が出たとします。
そうするとキャッシュは理屈上2000万円になっているはずですね。
それなら株価が倍になったというとそうではなく、
そこから税金を払わなければいけません。
実効税率(要するに税率ということです)は40%とすると
400万円になります。
差し引いて600万円手元に残るから、結局元手の1000万円が
1600万円になった計算になります。
要するに、株価が一年で6割増しになったということになります。

では理屈の上ですが、例えば10年間1000万円ずつ儲かったとしたら、
手元には毎年600万円ずつ残り、株価は10年で7000万円!
何と10年で7倍にもなってしまうのです。
(分かりやすく説明しているつもりなので、
税法に詳しい方はつまらない突っ込みはヤメテください・・・。)
どうでしょうか。
未公開企業の株価も上がることがあると分かりやすくご説明した次第です・・・。


かばんの真実 その23
2008.10.15

一澤帆布の経営哲学は非常に参考になるものの、
一応専門家として、ここらで大変僭越ながら「突っ込み」も入れておきましょう。

このような職人気質というか、売上や利益にまったく無頓着な経営者の方には
仕事柄よくお会いします。
例えば、税理士として一生懸命作り上げた「決算書」や「試算表」など、
まったく興味がない方が・・・。(なんかグチになってきたような・・・)

こういう方に、税金や経営をあれこれ伝授するのは至難の業です。
「数字なんか信用しない。信じるのは自分の腕だ・・・。」
よくそう言われます。
職人さんだけでなく、板前さんなんかもそういう方が多いです。
「オレのやり方に間違いはない。信じるのはオレの舌だ・・・。」
普通のサービス業の社長さんでもたまにいますね。
いっそ数字がキライな方といった方がよいのか・・・。

でもちょっと待ってください。
会社にとってやはり大事な場面もあるのです。
「今の資金繰りは・・・。」というような具合で、必死に説得することもあります。

一澤帆布の社長さんは多分、そんな数字に興味のない方なのでしょうか。
(想像です。間違っていたらスイマセン。)

でも再三申し上げるように、時には専門家がキチンと説得する場面も
多分必要だったのでしょう。
特にこれからご説明していく相続のお話は、(なかなか説明しないけど・・)
やはり素人の方には分かりえないお話なのです。

自分の目の届くところで経営するために、「一社に集中して経営する」ことは
経営学の観点から正しいとは思います。
でもその会社が利益を連続して出し続けたら、一方で相続の観点から考えたら、
その会社の価値(株価)がとんでもなく上がってしまうということも
時には説明してあげるべきだったのでしょう。


かばんの真実 その22
2008.10.14

ここまで一澤帆布のことを調べてみて、私はまたユニクロを思い出しました。
ご存知の通り、この会社は製造部門を中国に移管して、
劇的な安売り戦略で、業績を伸ばしましたね。
私はこの会社のおかげで「フリース」なるものを知りました。

10.14%20%E3%83%A6%E3%83%8B%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%80%80%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B9.jpg

正直、私もオヤジルックよろしく、ユニクロで、
たまに1990円とか2990円のズボンなどを買うこともあります。
あの安さは確かに衝撃的ですね。

しかし、多分一澤帆布の社長さんは、
中国とかベトナムに製造拠点を持とうなんて、
今まで一度も思ったことはないのでしょう。

調べたところ、確かに作業場のビルを京都に新設しています。
これも京都以外に作ろうなんて思ったこともないと思います。
先日書きましたように、自分の目の届くところで必ず作業場を設けるはずです。
しかも、当然日本人の正社員を採用して、
的確に日本語で作業を指示するのでしょう。
自分の納得する商品を作らせるために。
多分ユニクロのように「1990円でカバンを売ろう」
何て頭の片隅にもまったく考えてもいないのでしょう。
これが「京都商法」というか「一澤帆布商法」なのです。

あるホームページで社長さんの書かれていた言葉。
これがすべてを表しています。
「僕は会社を広げていきたいとか、社員を増やしたいとか、売上を上げたいとか、
そういうことは全然気にならん。
そういう方向性で商売をやっていこうと考えたこともない・・・。」

見事な経営哲学です。


ガンバレ!焼酎メーカー!!
2008.10.10

食品偽装の問題が連日報道されています。
本当に国の責任がまだあいまいのまま、全国に「被害者」が
広がってきています。
今朝もテレビで放映されていました。
中小企業でもある蔵元にとっては死活問題になっているようです。
また焼酎に関わるビジネスの企業の方々にとっても
この「風評被害」は甚大だと思うのです。


ここで私は決意しました!
私がある蔵元の焼酎のファンであることを公表し、元気付けようと!
(少し大げさか・・)

正直に発表します。私のお気に入りの焼酎です。

10.10%20%E5%90%89%E5%85%86%E5%AE%9D%E5%B1%B1.JPG

鹿児島の西酒造というところが出している焼酎「吉兆宝山」です。
夏場はロックにして飲むと美味しいし、寒い時はお湯割りでもイケます。
私はたまに鹿児島からネットで買っていました。

実はこれは新聞報道されたとおり、「薩摩宝山」を作っている蔵元です。
残念ながら「不正流通米を使っているという可能性がある」ということで
「薩摩宝山」は現在自主回収されています。
私の飲んでいる「吉兆宝山」は、東京でもよく居酒屋で見かける「富乃宝山」
とともに、この同じ蔵元が作っているものです。
ただ生産ラインが違うということで、自主回収の対象にはなっていません。

でも蔵元さんはここ数日新聞の全面広告を使って、謝罪しながらも
農薬などの残留は基準以下であることを発表しています。
それを読む限り、国に責任があるものの、まさに被害者だと思うのです。

ただお陰で、今まではネットで売れ切れの時が多いのですが
常時買えるようになりました。
ファンとしてはうれしいのですが、風評被害にゆれる蔵元酉酒造に
中小企業の代弁士応援団でもある一税理士として
心よりエールを送りたいと思います。

がんばれ 酉酒造!  ガンバレ ジャイアンツ!?


巨人・阪神 天王山決戦!
2008.10.09

カバンのお話で一人で勝手に盛り上がっていたら
プロ野球は大変なことになっていました。
ジャイアンツの歴史的な逆転優勝!を直前にし、
東京ドームに急遽応援に行ってきました。

超満員の球場で、ものすごい熱気です。
観客も皆ユニフォーム姿で、しかも妙にトラのユニフォームが
目立ちます。
・・・それもそのはず、なんと三塁側のタイガースの大応援席のすぐ横でした。

でも、どうもあのお揃いのユニフォーム姿、個人的には引いてしまう
のですね。
サッカーのJリーグもそうですが、おソロのユニフォームで、
組織だった応援。
「なんか違うぞ?」
巨人の星の世代の長年のファンとしては思います。
小学生の頃、新聞勧誘員からやっと手に入れたチケットで、
後楽園の外野席でわくわくしながら見ていた頃を思い出します。
静かな応援でした。皆ヒットが出ても、「いいぞ!長島!!」と心の中で
叫ぶくらいで、あとはせいぜい拍手くらいでしたね。
広島カープが笛や太鼓を使ってからでしょうか・・・。

・・てなオヤジっぽい昔話を思い出しているうちに
ジャイアンツのイ・スンヨプの先制タイムリーが出ました!
「いいぞ!」
思わず拍手しましたが、周りの熱狂的なタイガースファンから怒号も
聞こえます・・・。
ここで喜んでいるとケンカでも売られそうです・・・。

でも思わずビールを頼み、「ウマイ!」至福のときです。

10.9%20%E5%B7%A8%E4%BA%BA%E9%98%AA%E7%A5%9E%E6%88%A6.JPG

写真は満塁で迎えたそのイ・スンヨプの打席です。
ジャイアンツファン暦40年の私の動物的感!?でしょうか。
何となく打つような感じがしていました。

ラミネスの試合を決定づけるダメ押しホームランが出て、
またおいしいビールがすすんでしまいます。
これは歴史に残るゲームでしょう。
この試合を目の当たりにでき、本当にファン冥利につきます。

と喜びながら帰ろうとしますが、周りのタイガースファンは
大変な荒れようです。
「アホ!ボケ!!」
東京人にとっては、聞くに堪えない恐ろしい関西弁で騒いでいます。
ニヤニヤしていると、胸倉つかまれて、道頓堀まで!?
投げ飛ばされそうです。
ということで心の中では喜びにあふれながら、かなり早足で球場を
あとにしました。
恐るべしタイガースファン!

でも世の中の不景気なお話や株大暴落など一瞬忘れさせてくれた
本当にナイス・ゲームでした。
がんばれジャイアンツ


かばんの真実 その21
2008.10.08

次にものを売る方にとって、非常に参考になるお話を。
価格設定のお話です。
価格をみてみると、
人気のトートバックで10,500円、ショルダーバックで13,650円です。
ファッションにあまり詳しくない私でも、若干高いのではないかと思います。

10.8%20%E4%B8%80%E6%BE%A4%E5%B8%86%E5%B8%83%E3%82%AB%E3%83%90%E3%83%B3%E5%86%99%E7%9C%9F%EF%BC%88%E3%83%A4%E3%83%95%E3%82%AA%E3%82%AF10%EF%BC%89.jpg

でも社長さんはこう豪語されます。
「使っていて値打ちがなかったと言われたことは一度もない。」
つまり、「値段」ではなくまさに「値打ち」にこだわっているのでしょう。
この「値打ち」こそ、この「京都商法」の秘密があるのではないかと思います。
これも、製造直売だからできることなのです。

もし、これが製造だけしかやらない会社だったら、
多分、卸会社から「高くて売れないので安くしろ。」と必ずいってくると
思います。
それを社長は絶対に言われたくないのです。
デパートに卸さないのはそのためなのでしょう。
デパートに卸すとなると、実際には卸値をかなりたたかれることなります。
デパートとしてみれば「天下の〇〇屋で売らせてあげるのだから、安く卸せ。」
と必ずいってくるはずです。
そうなると1万円で売るものの原価を、例えば3000円くらいに抑えなければ
利益が出てこないということになります。
デパートに限らず、通常の卸売りをするとなると流通コストやマージンが
入ってくるので一般的にはそうなるはずです。

よって、もしデパートに卸すようなことをすると、
見栄えだけ似たような帆布にして、糸も2回縫うところを1回にするとか、
経費の削減を図るために、どこかに手を抜かざるをえなくなるから
そんなことは絶対にやりたくないわけです。

代々守り続けてきた一澤帆布の丁寧な仕事をし続けるには、
それなりの製造コストを維持する必要があるのです。
だからこそ、価格設定を自由にできる製造直売にこだわっているのです。

非常に参考になるお話です。お分かりになっていただけますか。


かばんの真実 その20
2008.10.07

自分の商品が有名デパートで売られることは、
作り手にとって大変名誉なことだと思うのです。
私もある飲食関係の会社の顧問を引き受けた時、
その社長さんは「いつかデパ地下で売ってみたい。」と
夢を語っていました。

10.7%20%E3%83%87%E3%83%91%E5%9C%B0%E4%BE%A1.jpg

しかし、一澤帆布はなぜ京都一店舗にこだわるのでしょうか?
これは4代目の確固たる経営哲学なのです。
あくまで製造直売にこだわるのです。
本当に一澤帆布は、京都にある自前の工場で作っていて、
下請けの製造部門も、販売部門の関連会社すら持っていません。

社長は、
自分の目の届く範囲の仕事をしているのが一番間違いなく、確かだ。」
そう思っているのです。
事実、一社で一人の社長さんがすべてを取り仕切っています。

またこれも有名なお話ですが、売り場の横に社長夫妻の机があります。
店からお客さんがあふれかえるほどなのに、敢えて売り場を拡張せず、
売り場の横に机を設けて社長夫妻が陣取っているのです。
これは、修理サービスやお客さんの細かな注文、時にはクレームなどに
応じて、お客さんの動向や商品ニーズをつかむためなのです。

以前ご紹介した牛乳瓶配達用のカバンあれが改良されて、
その結果、大ヒット商品であるトートバックに進化しました。

やはり、これも製造直売だからできる絶大なメリットなのでしょう。


かばんの真実 その19
2008.10.06

一澤帆布の「売り切れ御免」「日本のルイ・ヴィトン
という言葉と、さらに「京都商法」ということが話題になりました。
これもマスコミに何度か登場したお話です。

これだけ売れ続けているのであれば、デパートに卸しをしないかとか、
店を出さないかという話が来ることを誰でも想像つくと思います。
私が、高島屋のやり手バイヤーだったら、
本当に社長のところに日参してでも出店を勧めていたでしょう。

10.6%20%E6%96%B0%E5%AE%BF%E9%AB%98%E5%B3%B6%E5%B1%8B%E3%80%80%E7%94%BB%E5%83%8F.bmp

また銀行の凄腕支店長だったら、
「もっと売り上げるために、いくらでもお金をお貸ししますから、
地方に工場を作りませんか」とか、
それこそ今なら「中国ベトナムに工場でも作りませんか」
という提案をするでしょし、
敏腕証券マンであれば会社の上場を勧めるし、
有能経営コンサルタントであったなら、拡大経営を勧めたでしょう。

でもこの4代目はすべてお断りしたのです。
なぜだかお分かりになりますか。
この点、経営哲学として非常に興味を持ちました。

マスコミもこの点よく理解していなかったのではないかとも思います。
単に京都にこだわるから「京都商法」ではないと思うのです。
これから申し上げることは、この不況を乗り切る処方箋でもあり、
まさに実践「カバン経営学」です!


かばんの真実 その18
2008.10.03

先日「行列のできる!ブログ税理士事務所」のお話をしましたが、
私の熱心なブログファン(いるの!?)なら、
これから私が何を言いたいのかもうお分かりですね。

そうです!一澤帆布こそが
元祖 「行列のできる!カバン製造販売所
なのです。今も行列ができるそうです。

10.3%20%E4%B8%80%E6%BE%A4%E5%B8%86%E5%B8%83%E3%80%80%E8%A1%8C%E5%88%97.bmp

再三ご説明している丁寧な「ものづくり」の基本姿勢から
熱烈なファンを増やしたと思います。
しかし、私の調査結果(!?)ですが、
正直ラッキーな時代の後押しもあったかもしれません。

一澤帆布は代々広告宣伝を特にしてこなかったのですが、
十数年前に若い女性向けの雑誌「nonno」などに
集中して取り上げられました。
マスコミの影響力は強大ですし、
今の若い女性の方々の購買力はすさまじいものがあります。
その結果、遠方から大挙して駆けつけ、店の商品を買いあさってしまう
くらいで、店の商品がすべて買いつくされ、仕方がないので
閉店したことも
何度もあったそうです。
またそれが話題になり、マスコミにも再三登場します。
それでまた、さらなる購買意欲を煽る結果となったのです。
日本のルイ・ヴィトン」と、この頃から呼ばれるようになりました。

私はここで中野の名店「ラーメン青葉」を思い出しました。
ここも行列ができることで有名です。
しかも、麺がなくなるとその日は閉店です。
確かにおいしく魚介スープが絶品で、私も青葉ファンの一人なのですが、
両店とも、この時代に「売れ切れ御免」の見事な戦略です。
(行列のできる!ラーメン屋のお話もまたそううちに・・・)


かばんの真実 その17
2008.10.02

明治の創業以来、一澤帆布の代々の当主は、
「とにかく丈夫で長持ちする商品を作ること。」
に徹底的にこだわってきたようです。

例えば、手で持つ柄の部分の縫い合わせに関していえば、
普通布製のバックならこのあたりから痛んでくると思いますね。
それで、通常2本縫えば十分なところを、わざわざ3本の糸で縫っています。
しかも、糸の結び目に関して、ミシンの返し縫い(こっちの方が簡単でしょう。)
では目が汚くなり、また使っていて擦り切れやすくなるというので、
わざわざ手で結んで、小槌や金槌で叩いて、さらに接着材で
止める処理までしています・・・。

10.2%20%E5%B0%8F%E6%A7%8C%E3%81%A7%E6%95%B4%E3%81%88%E3%82%8B.jpg


もう参りましたね。そこまで丁寧な仕事をしているのです。
しかも、その仕事を支えているのが一澤帆布の職人達でした。
4代目が引き継いだときは10人程度だったのが、
20数年経って70人ほどの大所帯になっていました。
しかも全員が正社員。アルバイトもいません。
ましてや派遣社員などもいないのです。
これも、「偽装派遣でものを作っている」どこかのメーカーの社長さんに
お伝えしたいお話ですね

社長とこの職人達との絆もかなり深かったようです。
社長が解任された時、前にご説明した生地卸会社と同様、
70数名の社員も全員残らず辞め、社長についていってしまいます・・・。
(この解任のお話もそのうちに・・・)


かばんの真実 その16
2008.10.01

これに対して、この4代目の社長さんの取った行動はすばらしいです。
生地卸会社との強力な関係を築き上げていきます。
あるメーカーに5段階もある厚みの布のすべてを糸から選別して織らせ、
一澤帆布の専用使用にして、しかも色も独自の色に染めさせてもいます。

10.1%20%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%BC%E5%9B%9B%E8%89%B2%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%83%83%E3%82%AF.jpg

写真は現在の信三郎帆布のHPからですが、
こんなにキレイでカワイイカバンも作っているのです。
これ以上の開発のお話は企業秘密だと思いますが、
この開発に相当努力されたのだと思います。

その結果、生地卸会社との絆はそうとう深くなったのだろうと想像がつきます。
その理由は、その後4代目は相続問題でなんと解任されてしまうのですが、
その生地卸会社も、この4代目についていってしまうくらい
かなり密接な関係だったからです。
(この解任のお話はあとでご説明します。)

これでは同業他社が太刀打ちできないというのも納得できるでしょう。
服飾メーカーが、同じような製品をつくることが過去何度か
あったらしいですが、この良質な材料が確保できないということと、
次にご説明する職人の技能という
圧倒的な二つの参入障壁により、
結局は2、3年で消えていったということです。

そこまで天然素材にこだわったことで、さらに顧客のこころをつかんでいきます。
化学繊維全盛のこの現代に、天然繊維の帆布を素材にしていることで、
まず目新しいということがいえますが、実際に使っているうちに柔らかくなり、
馴染んでくる点など、化学繊維にはない天然繊維自体の風合い
楽しむことができるのです。
そういったことで新たなファンを開拓していったのだと思います。


メディア掲載情報
全国の書店にて好評発売中!