【事業を10年継続させる】会社を作りたいと 思ったら決めるべき4選 | MONEYIZM
 

【事業を10年継続させる】会社を作りたいと
思ったら決めるべき4選

「会社を作りたい」

商号など実際に決めるべき重要項目はたくさんあります。そのため、どの項目から着手したらよいのか迷うかもしれません。しかし、会社設立よりも事業継続のほうが困難です。その視点に立って「決めるべき4選」を選びました。それでは、詳しく見ていきましょう。

決めるべき4つのこと

動機を明確にする

リスクを冒して起業するのには動機があるはずです。たとえば、「過去に苦労した経験を生かして世の中に貢献したいなどの社会的意義」や「会社員時代の何倍の収入が欲しいなどの営利目的」など、できるだけ明確にすることが大切になってきます。情熱の裏付けとなるためであり、業績悪化などでも会社を継続させるモチベーションにつながります。

起業ネタを決める

起業ネタとは、これから始める事業内容のことを指し、最初に決めないと先に進めません。しかし、ニーズのない業種を選ぶなど決め方を間違えると会社を継続させることは難しいでしょう。

ビジョン・理念を決める

動機を明確にするだけでは取引先などの利害関係者の心を動かすのに不十分です。たとえば、営利目的だけで起業しても自己中心的な考えが通用しないのはもちろん、社会的意義だけが動機で収入確保が困難なら金融機関は融資をしません。そのため、社会的意義と収入の裏付けのあるビジョン・理念を決める必要があります。

 
例)ソフトバンクグループ

  • ミッション:情報改革で人々を幸せに
  • ビジョン:世界の人々から最も必要とされる企業グループ
  • バリュー:努力って、楽しい。

 

ミッションの「人々を幸せに」が社会的意義であり、ビジョンの「必要とされる企業グループ」が収入の裏付けになります。

ビジネスモデルを決める

事業を継続させるためには利益とキャッシュが必要であり、イメージ図は次の通りです。

(出典:中小企業庁)

現金預金などの元手の資産を運用→利益の獲得→キャッシュの確保→資産の再運用」のサイクルを繰り返して、利益とキャッシュを生む仕組み作りがビジネスモデルを決めるポイントになります。

起業ネタの決め方の基本

「会社は作りたいが、何をしたらよいのか分からない」という起業志望者は存在します。そこで、起業ネタの決め方の基本について説明します。

いつでも・どこでも・じっくりと練ることができる

起業ネタは場所と時間に関係なく、いつでも練ることができます。たとえば、会議の合間の休憩時間やトイレの中などで事業内容が思いつくケースがあります。また、別の例として、リラックスした環境で「デザイン」という起業ネタを「名刺に特化したデザイン」とより明確にすることも可能です。

会社員時代の経験値が起業ネタになる

会社での業務内容の経験値が起業ネタになりやすい傾向にあります。弁護士法人から独立した弁護士が典型的な例でしょう。独立前に実務経験を積み、開業に至るケースがほとんどです。

 

また、会社員時代の経験値は一つの業種とは限りません。たとえば、最初の就職先は営業担当、独立直前の業務内容がシステムエンジニア(SE)の場合、「営業+SE」としてシステムエンジニアの集客コンサルティングとして起業することも可能です。

時間とお金の投資軸から起業ネタを考える

会社員時代の経験値以外でも、カルチャー教室などにかけた時間とお金の多さが起業ネタになります。本当にやりたいことだった可能性があり、モチベーションの持続につながるためです。たとえば、会社の経理担当者がカウンセリングの勉強に時間とお金を投入すれば、カウンセラーとして独立する第一歩になります。

機能会社と事業会社を選択する

会社を作る当初は時間やお金などの制約があるため、事業内容も一つに絞るのが現実的でしょう。そのため、起業ネタは「機能会社」または「事業会社」の選択がポイントになります。

  • 機能会社:コンサルティングやデータ入力など形のないサービスを提供する会社
  • 事業会社:自社名でのサービス運営や商品・製品などのプロダクトの製造販売など形のあるサービスを提供する会社

 

2つの会社についてネットショップを例に見ていきましょう。

 

サイトに商品登録を代行するのが機能会社です。設備投資などの先行投資が少額であり、ヒット商品などにより売上が爆発的に伸びることもなく、ローリスクローリターンなのが特徴です。

 

一方、商品を仕入れて販売するのが事業会社です。商品の購入代金などの先行投資が多額で、健康食品などがブームになれば売上も急増し、売れ残れば損失も多額になります。つまり、ハイリスクハイリターンなのが特徴です。

 

ただ、2つの会社の選択はケースバイケースであり、本人の好みとそれぞれ会社の特徴を吟味することが大切になってきます。

利益とキャッシュを生む仕組みづくりのポイント

起業当初の仕組みのポイントは「収益-費用=利益」の確保に注力すべきでしょう。利益の確保こそキャッシュの源であり、事業活動の最初の関門になるためです。

集客ツールを作る

売上の確保には集客が必須です。そのため、起業前に仕事用の名刺はもちろん、自社サイトを作るなどの営業ツールが必要になります。また、会社員時代に起業ネタに関するノウハウ提供のSNSを発信して、独立後の集客につなげたケースがあります。

 

一方、フランチャイズ契約によりお金を投入して、集客ツールを築く時間と本社ブランドを買い取る方法もあります。取り扱う商品やサービスの認知度がすでにあるため、集客までの時間を短縮することができます。

安価な仕入ルートを確保する

売上だけが利益を確保する手段ではありません。仕入や経費などのコストダウンもキャッシュの源になり、安価な仕入ルートの開拓がポイントになります。たとえば、輸入雑貨の購入につい卸売業者を通さず、製造元から購入できれば仕入原価は低く抑えられます。また、別の例として、オフィス用の空調設備などを知り合いから適正価格より安く購入できれば経費削減につながります。

誰かと組んで相乗効果を生む

スーパーの野菜売り場で「人参+カレールー」を近くに陳列するなど相乗効果を生む販売方法は起業家にも応用することができます。たとえば、独立系ファイナンシャルプランナーが相続セミナーで集客するために、税理士と組んで付加価値をつけることが可能です。

同業他社の事例を知る

起業前に集客ツールや仕入ルートをじっくりと考えることは大切ですが、ひとりでは限界があります。そのため、同業他社の事例を生かしたほうが有利です。たとえば、Web制作をクラウドサービスよりも安価で受注する業者が存在するかもしれません。

 

事例を知る最短距離は多種多様な業種と付き合いのある税理士などの専門家です。まずは下記のサイトをご覧いただくことをおすすめします。

まとめ

会社を作る前にすべきことでは、「起業ネタ」と「利益とキャッシュを生む仕組み作り」が最初の関門になります。起業しようと思い立ったら、時間や場所に関係なく事業内容を考える習慣を身に付け、専門家など他の人の知恵をどん欲に吸収する気構えが大切になってきます。

阿部正仁
TAX(税金)ライター。会計事務所で約10年間の勤務により調査能力を身に付けた結果、企業分析の能力では高い定評を得、法人から直接調査を依頼される実績も持つ。コーチングスキルを活かした取材力で、HP・メディアでは語られない発言を引き出すのが得意。
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