【会社員・個人事業主向け】
会社設立の流れを徹底解説

【会社員・個人事業主向け】  会社設立の流れを徹底解説
最終更新日:
2019/6/26
 
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起業ブームにより、会社設立の注目度が高まっています。介護事業など業種によっては許認可の申請に法人格が条件の場合があります。しかし、必要書類の作成などの複雑な手続きをクリアしなければなりません。そこで、開業後の事業活動をスムーズにする株式会社設立、合同会社設立の流れについて徹底解説します。
 

会社設立のながれ
  • 商号(社名)を決める
  • 会社の印鑑 を作る
    代表者印(法人実印)、銀行印、社印(角印)
  • 発起人の印鑑証明書 を入手する
  • 必要な書類を用意する
    登記申請書、登録免許税納付用台紙、定款、資本金・出資金の払込証明書 など
  • 公証役場で定款認証 を受ける
  • 出資者の銀行口座に資本金•出資金を振り込む
  • 法務局 に申請する
開業後に必要なこと※一部
開業届 提出
(税務署と自治体に提出)
社会保険
開始手続き
許認可の申請
(登記簿謄本を用意する)
法人口座の開設
(金融機関を選ぶ)
物件を探す
(自宅開業の場合を除く)
創業融資
申し込み

「会社設立の流れ」と「開業後に必要なこと(一部)」

会社設立と開業手続きの方法

会社設立の流れ

法務局で法人格して認められることをゴールに会社設立の流れを見ていきましょう。

(1)商号を決める

商号は会社の明暗を左右することもあり、慎重に決める必要があります。また、株式会社や合同会社など法人の組織形態もこのタイミングで決めましょう。

(2)会社の印鑑を作る

会社の印鑑はおもに次の通りです。

  • 法務局に申請する「代表者印=法人実印」
  • 銀行印
  • 社印=角印

法律上、銀行印や社印の作成は義務付けられていませんが、経理業務の効率化などのために代表者印と別にすることをおすすめします。

(3)発起人の印鑑証明書を入手する

会社設立の書類作成には、創業メンバーである発起人の実印と印鑑証明書が必要になります。

(4)必要書類を用意する

会社設立の必要書類はおもに次の通りです。

  • 登記申請書
  • 登録免許税納付用台紙
  • 定款
  • 資本金・出資金 の払込証明書
  • 発起人の決定書(「東京都渋谷区」など定款で本店所在地を最小行政区画までしか記載していない場合に限る)
  • 取締役の就任承諾書(複数の取締役がいる場合は、別途「代表取締役の就任承諾書」が必要)
  • 取締役の印鑑証明書 (ただし、取締役3名以上で構成される取締役会設置会社は代表取締役の印鑑証明書のみ必要)
  • 印鑑届書(代表者印の登録台紙)
  • 登記事項(商号、資本金、本店所在地など)を記載した「OCR用申請用紙」または「CD-RかFDの磁気ディスク」
(5) 公証役場で定款認証を受ける

株式会社、一般社団法人、一般財団法人は定款について公証人の認証(承認) を受ける必要があります。収入印紙代4万円が免除される電子定款をおすすめします。なお、合同会社は定款認証が不要です。

(6) 定款認証後に出資者の銀行口座に資本金・出資金を振り込む

振込履歴の記載された通帳コピーが資本金・出資金の払込証明書となるためです。たとえば、山田太郎がお金を振り込む場合、「ヤマダタロウ」で印字され、出資者が確認できることがポイントになります。

(7)法務局に申請する

本店所在地を管轄する法務局 (電話やインターネットで確認可能)で申請をし、承認されれば会社設立が完了します。

開業手続きですべきこと

会社設立後、次の開業手続きが必要になります。

(1)税務上の手続き

税務署と自治体に対して開業届 を提出する必要があり、法人が事業活動をしていることの証明書になります。

(2)社会保険の開始手続き

法人の場合、役員1人でも社会保険は強制加入です。

(3)許認可の申請

法務局から入手した登記簿謄本などを用意して許認可の申請をしましょう。

公的手続き以外にすべきこと

事業遂行で必要なことについて説明します。

(1)法人口座開設

法人口座の入出金に必要であり、金融機関を慎重に選ぶ必要があります。

(2)物件探し

特に会社員が起業する場合、法人の場所を「新たに物件を探す」または「自宅にする」の選択は重要です。

(3)創業融資の申し込み

飲食店など初期投資が多額になる業種は創業融資による資金調達の成否が事業の明暗を分けます。専門家に事前相談するなどして早めに対策を立てましょう。

コスト・機会損失を最小限にする会社設立

会社設立のやり方でコストや機会損失の度合いが違ってきます。機会損失とは、「〇〇をしなかったことにより得られなかった利益」のことを指し、事業開始の遅れによりチャンスを逃すことは避けたいところです。

資本金を適正額に設定する

資本金とは、出資を受けた金額のことを指し、会社の体力、規模、信用を示す指標であり、優遇税制の基準にもなります。たとえば、設立時に資本金1,000万円以上なら消費税の課税事業者となり、初年度から納税しなければなりません。そのため、免税事業者として節税するためには、資本金1,000万円未満で設立するのが鉄則です。

適切な物件を選ぶ

物件の場所はコストまたは機会損失の度合いに影響し、物件探しの基本は次の2通りになります。

  • コスト重視:裏路地など家賃の安い場所(Web制作など立地場所に左右されづらい業種向き)
  • 機会損失の回避重視:立地場所がよく、高めの家賃には目をつぶる(飲食店などリアル店舗向き)

青色申告を申請する

青色申告とは、複式簿記で記帳した帳簿から正しい所得金額や法人税を計算して申告することを指します。もう一つの方法の白色申告よりも申告内容の信ぴょう性が高いため、税制上の特典が設けられています。その一つが「繰越欠損金」であり、初年度の赤字分を翌年度以降10年間の所得金額から控除することができます。たとえば、1期目の赤字が300万円とします。青色申告の場合、2期目の黒字が400万円なら所得金額は「黒字400万円-1期目の赤字300万円=100万円」に相殺可能です。しかし、白色申告の場合、赤字300万円を翌年度以降に利用できません。

役員報酬を適正額に設定する

役員報酬の設定額 は事業活動に影響します。その一つが支給額に課税される税金や社会保険などのコストです。

会社設立をスムーズにするポイント

会社設立から事業活動の開始までの間を最短にするポイントを解説します。

事業目的の決め方

事業目的の決め方にはルールがあり、法務局で認められないと会社設立の時期が遅れてしまいます。登記官の審査を通過するポイントはおもに次の通りです。

(1) 明確性

明確性とは、誰が見ても理解できる目的のことを指します。特に最近の用語を事業目的とする場合は注意が必要です。たとえば、「バリアフリーに特化した〇〇業」とした場合、バリアフリーという用語が浸透する以前なら、登記官によって通過しないケースがありました。もちろん、「サービス業」など抽象的な表現も明確性に欠き、「障害者福祉サービス業」などと具体化する必要があります。

(2) 適法性

「殺人請負業」など違法な内容はもちろん、「税理士業」など他の法律(この場合は税理士法)に触れる場合も事業目的として不適格です。

法人口座開設を確実にする方法

法人口座開設を確実にするためには銀行に信用を得ることが必要であり、具体的なポイントは次の通りです。

(1)資本金・出資金は一定額以上

あまりに少額の場合には事業に必要な自己資金が不足していると判断されるためです。

(2)シェアオフィスまたはバーチャルオフィスを本店所在地にしない

簡単に移転できる環境であり、振り込め詐欺などの犯罪の温床になると考えられるためです。

(3) 会社の電話は固定電話が鉄則

銀行は携帯電話よりも固定電話のほうが信用できると考えているためです。

まとめ

会社設立の目的は事業活動を円滑にするためであり、手続き自体に労力をかけすぎてしまうのにも問題があります。確かにすべての手続きを自力ですれば、手数料の削減につながりますが、経営者なら外部にお金を支払ってでも、時間とノウハウを買い取る考え方が求められます。まずは専門家の無料相談サービスを活用してはいかがでしょうか。

阿部正仁
TAX(税金)ライター。会計事務所で約10年間の勤務により調査能力を身に付けた結果、企業分析の能力では高い定評を得、法人から直接調査を依頼される実績も持つ。コーチングスキルを活かした取材力で、HP・メディアでは語られない発言を引き出すのが得意。
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