自宅兼事務所の家賃や光熱費
「家事按分」で経費にすることができます
自宅兼事務所の家賃や光熱費  「家事按分」で経費にすることができます
最終更新日:
2019/11/7
 
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自宅で仕事をしているという個人事業主、フリーランスの方も多いでしょう。そうした場合、自宅の家賃や光熱費などが経費にできるのをご存知でしょうか? この場合、認められるのは「仕事に使った部分」ですが、節税できるのにしないのは、もったいない。どのように「按分」したらいいのかを含めて、解説します。

「家事按分」とは何か?

ここでいう経費は、正確には「必要経費」のこと。事業を行って所得を生み出すために「必要な経費」で、所得税の計算の際には、これを収入(売上)から差し引くことができます。すなわち、経費が多ければ多いほど、課税所得(これに税率を掛けて税額を算出します)を下げることができ、節税になるというわけです。

 

仕入れにかかった費用や事務用品、仕事用に借りている事務所の家賃などが経費として認められることは、誰にもわかるはず。でも、自宅を仕事場にしている場合にも、その家賃や光熱費などの「家事関連費」を経費として落とすことができるのです。これを知らない人が、結構いるようです。

 

もちろん、自宅は普段の生活にも使っていますから、全額を計上するわけにはいきません。「生活か・仕事か」の割合のことを「家事按分」と言って、後者について、経費にすることが認められているのです。それは知っているけれど、「どれくらいを計上していいのか判断できないので、経費にはしていない」という人も、中にはいます。

経費にできるのは、どんなもの?

個人事業を円滑に進めていくためには、「経費にできるものは、すべてする」のが鉄則。“グレー”だからと除外するのは、考えものです。しかも、按分の仕方は「え、そうなの?」という、ある意味ルーズな世界でもあります。

 

まず、どんなものが家事按分の対象になるのかから考えてみましょう。主なものとしては、さきほどから述べている家賃、水道代、電気代、ガス代のほか、通信費(電話代、インターネットの料金)、車の購入費用やガソリン代などが該当します。

 

自宅が賃貸ではなく、持ち家の場合はどうなるのでしょうか? 残念ながら、住宅ローンの元金返済分は、経費にはなりません。その代わり、建物の減価償却(※1)費、固定資産税、住宅ローンの金利部分、火災保険の保険料などは経費の対象です。車の購入費についても、減価償却費や、ローンを組んでいる場合には、やはりその金利部分が計上できます

 

※1減価償却
建物、機器、設備などの固定資産は、年々価値が減少していく。その目減り分を費用として計上すること。

どのようにして按分するのか?

次に、問題の「按分」です。その目安を、家賃を例に説明しましょう。例えば、40㎡の賃貸マンションのうち、24㎡の部屋を仕事に使っていた場合、仕事用のスペースは、全体の60%ということになります。家賃が12万円ならば、その60%は、7万2000円。この分を経費計上することができるのです。

 

しかし、「いや、私は仕事部屋以外でもノートパソコンに向かう」「リビングのクローゼットを資料置き場にしている」「そもそもうちはワンルームだ」といったケースも少なくはないはず。このような場合は、どのように考えればいいのでしょう?

 

実は、家事按分に「こう分ける」という明確な基準は設けられていません。今説明したのは、あくまでも「目安」。あえて言えば、按分の比率は「自由に決めていい」のです。とはいえ、「だったら、私は家賃の9割を経費にする」という行動は、お勧めできません。そこには、税務署を納得させるだけの「合理的な理由」が必要になるからです。

 

電気料やインターネット料金ならば、使用量や使用時間、車のガソリン代なら、仕事のために走行した距離などが、それに当たるでしょう。ちなみに、「不正な」経費の積み増しが税務署に指摘された場合、追徴課税(※2)というペナルティを課せられる可能性がありますから、注意しましょう。

 

なお、仕事用の事務所を別に借りている場合には、その家賃や光熱費などは、全額経費にできます。そこで寝泊まりしても、「仕事がなければ借りていない」という状況にあるのならば、問題ありません。

 

では、そういう事務所を借りていて、自宅にも仕事を持ち帰っている場合、自宅の家賃などは家事按分できるのでしょうか? 答えは「YES」です。この場合、仕事をしている時間は自宅兼事務所に比べて短くなるでしょうから、按分の比率は低くなると思われますが、ゼロにする必要はないのです。

 

述べたように、家事按分による経費がどこまで認められるのかは、「その割合で、税務署を納得させられるかどうか」と言い換えることができます。問題なく申告したうえで、できるだけ多くの節税メリットを確保するために、経験のある税理士の力を借りるのも1つの方法だと思います。

 

※2追徴課税
申告漏れや脱税の目的で、本来支払うべき税金よりも納税した金額が少なかった場合に、追加で税金を支払うこと。加算税(過少申告加算税、重加算税など)と延滞税がある。

まとめ

自宅で仕事をしている人は、「家事按分」で賢く、確実に節税したいもの。経費がどこまで認められるかの判断には、専門家のサポートが有効です。

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