個人事業主が納める税金一覧と
納付スケジュールについて解説

個人事業主が納める税金一覧と  納付スケジュールについて解説
公開日:
2020/03/25
最終更新日:
2020/03/30
 
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個人事業主は自治体から送られてくる確定申告をした所得税以外の納付書に記載された税金を事前に把握できていないと予定外の支出になりかねません。そこで、資金繰りの管理に役立てるために、個人事業主が納める税金一覧と納付スケジュールについて解説します。

個人事業主が納める税金とは

個人事業主が納める税金の種類について説明します。

所得税・住民税

個人事業主や給与所得者などを問わず、すべての個人に対して課税所得金額に税率を掛けた所得税と住民税が課税されます。

(1)課税所得金額

課税所得金額は「収入金額-必要経費(給与所得者の場合は給与所得控除)=合計所得金額」から基礎控除などの生活費に相当する所得控除を差し引いて計算します。

(2)税率

所得税と住民税の税率は次の通りになります。

①所得税

累進課税により課税所得金額に比例して税率は高くなり、複数の税率(5%~45%までの7段階)を掛けて計算するのが特徴です。

 

例)課税所得金額が650万円の場合

  • 税率5%:195万円×0.05=9万7,500円
  • 税率10%:135万円×0.1=13万5,000円
  • 税率20%:320万円×0.2=64万円
  • 所得税額:9万7,500円+13万5,000円+64万円=87万2,500円
引用:国税庁

 

②住民税
課税所得金額に対して一律10%の税率が適用されます。

個人事業税

個人事業税は70種類の法定業種が課税対象です。「合計所得金額-事業主控除290万円(年間)=課税所得金額」に対して一律3%~5%の税率を掛けて計算します。

消費税・地方消費税

前々年の課税売上高が1,000万円を超える個人事業主は課税事業者に該当するため、預かった消費税から支払った消費税を差し引いた残額を納付しなければなりません。

国民年金・国民健康保険

個人事業主は給与所得者のように社会保険が給与天引きされない代わりに国民年金と国民健康保険を自分で納める必要があります。2019年度の国民年金は月額1万6,410円です。

 

一方、国民健康保険は自治体ごとに計算方法が異なり、次の年齢ごとに区分されます。

 

  • (1)40歳未満:医療分+後期高齢者支援金分
  • (2)40歳以上65歳未満:医療分+後期高齢者支援金分+介護分
  • (3)65歳以上75歳未満:医療分+後期高齢者支援金分

 

また、医療分・後期高齢者支援金分・介護分ごとの国民健康保険は次の合計額になります。

 

  • (1)所得割:所得額×料(税)率
  • (2)資産割:固定資産税額×料(税)率
  • (3)均等割:加入者数×均等割額
  • (4)平等割:一世帯あたりいくらと計算

 

東京23区の国民健康保険の料率と算定方法は次のURLをご覧ください。

固定資産税・自動車税・軽自動車税

個人事業主は保有資産ごとに次の税金が課税されます。

 

  • (1) 土地・家屋・償却資産(車を除いた事業用の動産):固定資産税(固定資産評価額×税率1.4%)
  • (2) 三輪以上の小型自動車、普通自動車(特殊自動車を除く):自動車税(税額表を参照)
  • (3) バイクや軽自動車等:軽自動車税(税額表を参照)

主な税金の納付スケジュール

税金を滞納すると延滞税などのペナルティーがあり、納税証明書を取得できないなどということがあるため、資金繰りの管理に納付スケジュールを考慮する必要があります。

確定申告(3月15日※2020年は4月16日)までに納付する税金

個人事業主の所得税は確定申告の提出期限(3月15日)までに納付するのが原則になります(ただし、2020年は4月16日)。振替納税やクレジットカード納税の場合の納付日は次の通りですので、納付期限に間に合うように注意が必要です。

 

  • (1) 振替納税:4月下旬(2020年の場合は4月21日※延長され5月15日)
  • (2) クレジットカード納税:カード引落日

6月から年4回納付する税金

給与天引きされない代わり、ほぼ4等分した住民税を6月から4回にわたって自分で分割納付します。自分で納付することを「普通徴収」、給与天引きされることを「特別徴収」といいます。普通徴収の納付日は6月末、8月末、10月末、翌年1月末(土日祝日の場合は次の平日)になります。ただ、6月末までに一括納付するなど住民税の前倒し納付も認められています。

毎月納付する税金

国民年金と国民健康保険は毎月納付しなければなりません。ただ、住民税と同じように前倒し納付も可能です。国民年金を前納するメリットは次の通りです。

(1)国民年金前納割引制度が利用できる

例)2019年度分の国民年金を前納した場合

  • 1年分の前納:3,500円割引
  • 6ヵ月分の前納:800円の割引
  • 2年分の前納(2019年4月分から2021年3月分):14,520円の割引
(2)前納した全額が所得控除の対象になる

その他の税金の納付時期

消費税・地方消費税、個人事業税などの納付スケジュールは次の通りです。

 

  • (1)消費税:3月31日※2020年は4月16日(振替納税は4月下旬※2020年は5月19日)
  • (2)個人事業税:第1期8月31日、第2期11月30日
  • (3)固定資産税:市区町村や年度ごとで異なり、4期に分けて納付する

    例)2019年度の東京23区の場合

    • 第1期:6月30日
    • 第2期:9月30日
    • 第3期:12月31日
    • 第4期:2月29日
  • (4)自動車税・軽自動車税:5月31日

予定納税(税金の前払い)も考慮する

所得税の予定納税

原則、事業所得や不動産所得などにかかる年間所得税が15万円以上の個人事業主が予定納税の対象になります。年間所得税の3分の1相当額を次の納付日までに納付します。

 

  • 第1期:7月31日
  • 第2期:11月30日

 

たとえば、年間所得税30万円の場合、3分の1相当額の10万円ずつ(計20万円)を第1期、第2期の納付日までに納付しなければなりません。

消費税の予定納税

年間消費税60万円以上の個人事業主が予定納税の対象になります。年間消費税60万円超500万円以下の場合、納付日と計算方法は次の通りになります。

納期等の区分 法定納期限 振替納税 計算方法
中間1回目 8月31日 9月下旬 年間消費税の6分の12相当額

各種税金の免除制度

前年よりも売上高が激減するなどにより納税するのが困難な場合、免除制度の利用が可能です。そこで、各種税金の免除制度のアウトラインについて説明します。

所得税の予定納税

業績不振などにより、実額計算での見積所得税が前年分の申告納税額に満たない可能性がある場合、「所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請手続」に予定納税額の減額が認められています。提出期限は次の通りです。

 

  • 第1期・第2期の減額:7月15日
  • 第2期のみの減額:11月15日

国民年金

本人や配偶者(世帯主を含む)の前年所得(1月から6月までに申請される場合は前々年所得)が一定額以下の場合などにより、国民年金を納めることが困難な場合、免除になる制度です。一定額以下とは前年所得(または前々年所得)が次の金額以下の場合を指します。

免除額 前年所得(または前々所得)の範囲
全額免除 (扶養親族等の数+1)×35万円+22万円
4分の3免除 78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
半額免除 118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
4分の1免除 158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

個人事業税

個人事業主が個人事業税の免除が受けられる主なケースは次の通りです。

(1)高額な医療費の支出があった場合

「合計所得金額×20%-25万円<医療費(保険金等による補てん部分を除く)」の場合、次の個人事業税が免除できます。

医療費-合計所得金額×5%×個人事業税の税率(3%~5%)=免除額

(2)納税者または扶養親族等が障害者である場合

次の2つの条件を満たす場合、障害者一人当たり5,000円(特別障害者は1万円)の個人事業税が免除できます。

  • 合計所得金額が370万円以下であること
  • 納税者または扶養親族等が障害者であること

国民健康保険

会社都合により離職(退職)した個人事業主には、国民健康保険料を免除できる制度があります。給与所得を30%とみなして国民健康保険料を計算するため、ほぼ70%が免除されます。免除期間は退職日から翌年3月までになります。

まとめ

個人事業主が納税スケジュールを管理するポイントは①納める税金の種類②税目ごとの納付日を把握することに尽きます。そのため、自分の年商や業種はもちろん、前年の年間所得税などから予定納税の対象になるかどうかも知っておく必要があります。
また2020年は新型コロナウィルスの影響で延期になっているものもあり、また納税が困難な場合には特例として国税の換価の猶予が認められていますので合わせて確認しておきましょう。

▼参考URL

阿部正仁
TAX(税金)ライター。会計事務所で約10年間の勤務により調査能力を身に付けた結果、企業分析の能力では高い定評を得、法人から直接調査を依頼される実績も持つ。コーチングスキルを活かした取材力で、HP・メディアでは語られない発言を引き出すのが得意。
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