住民税非課税世帯とは?2026年の判定基準・給付金をわかりやすく解説

[取材/文責]長谷川よう

「住民税非課税世帯かどうか」は、給付金の受給資格・各種保険料の減免・奨学金の基準など、生活に直結する多くの場面で判断基準となる重要な概念です。

2026年(令和8年度)からは、均等割が非課税になる所得ラインが大幅に引き上げられます。単身の場合、給与収入の目安が従来の約100万円から約170万円以下に変わるため、新たに非課税世帯に該当する方が増える見込みです。

2024〜2026年には政府による低所得者向け給付が続いており、「非課税世帯かどうか」は従業員・事業主を問わず関心の高いテーマです。本記事では、住民税非課税世帯の定義・2026年の最新判定基準・給付金情報と、経営者・個人事業主が実務で押さえるべきポイントをわかりやすく解説します。

1. 住民税非課税世帯とは

ここでは、住民税非課税世帯の基本的な定義と仕組みについて解説します。

住民税非課税世帯とは、世帯全員が住民税を課税されていない世帯のことです。住民税には「均等割」と「所得割」の2種類があり、それぞれに非課税の基準が設けられています。

 

均等割と所得割の違い

住民税の仕組みを理解するうえで、均等割と所得割の違いを把握しておきましょう。

種類 概要 標準税率
均等割 所得に関わらず一定額を課税 4,000円(市区町村3,000円+都道府県1,000円)
※別途、森林環境税(国税)1,000円が徴収されるため、実質的な負担は年5,000円。なお、住民税非課税世帯は森林環境税も免除されます(従来通り)
所得割 前年の所得に応じて課税 10%(市区町村6%+都道府県4%)

「住民税非課税世帯」とは、所得割・均等割の両方が非課税の世帯を指します。均等割のみ課税(所得割は非課税)の世帯は「住民税非課税世帯」には含まれないのが一般的です。

 

関連記事:住民税に地域差があるのはなぜ?住民税はいつから給与天引きされる?

非課税世帯が増えている背景

近年、物価高騰対応の給付金の対象が「住民税非課税世帯」に絞られていることから、この概念が広く注目されています。また、2024〜2026年にかけて政府が実施する給付金施策でも、住民税非課税世帯が主な受給対象となっています。

2. 2026年の住民税非課税の判定基準

ここでは、2026年度(令和8年度)の住民税非課税の判定基準について解説します。

 

均等割が非課税になる所得基準

均等割の非課税基準は市区町村によって異なります。主な基準は以下のとおりです(2026年度の住民税は2025年の所得で判定)。
令和8年度(2026年度)税制改正により、住民税均等割の非課税ラインが大幅に引き上げられました。単身世帯では給与収入ベースで約170万円、夫婦・子1人世帯では約280万円が目安です(参考:総務省・財務省・内閣府資料)。

対象者 年収(額面)の目安 合計所得金額の条件
障害者・未成年者・寡婦・ひとり親 約204万円未満 135万円以下
単身(扶養なし)一般市区町村 約163万円〜170万円以下
(令和8年度改正後)
約95万円〜112万円以下
単身(扶養なし)東京都特別区など 約170万円以下
(令和8年度改正後)
約112万円以下
扶養1人(配偶者等) 約218万円以下
(令和8年度改正後)
約145万円以下
扶養2人(配偶者+子1人) 約280万円以下
(令和8年度改正後)
約188万円以下

住民税は前年の所得をもとに課税されるため、2026年度の住民税は「2025年1月〜12月の所得」で判定されます。たとえば、令和8年度改正後は、2025年の給与収入が約170万円以下(単身・東京都特別区)であれば、2026年度の住民税は非課税となります。

 

所得割が非課税になる所得基準

所得割の非課税基準は全国一律です。

世帯状況 合計所得金額の上限
単身(配偶者・扶養親族なし) 45万円以下
配偶者または扶養親族あり 35万円×(本人+扶養親族数)+10万円 以下

所得割と均等割の両方が非課税になることで、「住民税非課税世帯」として取り扱われます。

 

個人事業主・フリーランスの場合の計算方法

個人事業主の合計所得金額は「事業収入-必要経費」で計算されます。売上が多くても経費が多ければ所得が低くなるため、確定申告の内容が住民税非課税かどうかの判定に直結します。青色申告特別控除(最大65万円)を適用することで、課税所得を圧縮できます。

3. 住民税非課税世帯への給付金(2024〜2026年)

ここでは、近年実施されている低所得者向け給付金の概要を解説します。

 

2024年度(令和6年度)の給付金

2024年度は物価高騰対応として、住民税非課税世帯に対して以下の給付が実施されました。

給付の種類 給付額 備考
低所得者給付金(非課税世帯) 10万円 均等割のみ課税世帯も対象
子ども加算 子ども1人あたり5万円 18歳以下の子どもを扶養している世帯
定額減税の調整給付 1万円単位で算出 所得税・住民税の定額減税の恩恵を受けられない低所得者が対象

 

2025〜2026年度の給付金動向

2025年度以降も、政府は物価高対応の経済対策として低所得者向け給付金の実施を続けています。給付の対象・金額・申請方法は年度ごとに変わるため、お住まいの市区町村のウェブサイトや広報誌で最新情報を確認してください。

給付金の受取には、自治体からの案内通知に従った手続き(振込口座の登録など)が必要です。住民税非課税世帯に該当するかどうかは自治体側で把握しているため、対象者には個別に通知が届きます。

4. 経営者・個人事業主が押さえる実務ポイント

ここでは、経営者・個人事業主が住民税非課税に関連して知っておくべき実務ポイントを解説します。

 

①特別徴収税額通知書の確認(毎年5〜6月)

従業員を雇用している事業者には、毎年5〜6月頃に市区町村から「特別徴収税額の決定通知書」が送付されます。この通知書には各従業員の住民税額が記載されており、税額が「0円」の従業員が住民税非課税に該当しています。

住民税の特別徴収(給与からの天引き)は6月から翌年5月の12回に分けて行います。税額が「0円」の従業員については天引きが不要ですが、通知書の内容は必ず確認してください。

 

②従業員から住民税(非)課税証明書を求められた場合

従業員が給付金の申請や行政手続きのために「住民税(非)課税証明書」を必要とする場合があります。この証明書は市区町村の窓口またはコンビニ(マイナンバーカード利用)で取得できます。会社(雇用主)が発行するものではないため、取得先は本人に案内するようにしましょう。

 

③自身(経営者・個人事業主)が非課税世帯かどうかの確認

経営者や個人事業主自身も、事業所得が少ない年には住民税非課税世帯に該当する場合があります。確定申告で申告した所得金額が非課税基準以下であれば、給付金の対象になる可能性があります。

特に廃業直後・開業初年度・売上が著しく落ちた年などは、前年の確定申告書の控えで合計所得金額を確認してみましょう。判断に迷う場合は、税理士に相談することをおすすめします。

 

④役員報酬と住民税の関係

法人の代表者(役員)の住民税は、一般的に「普通徴収」(自分で納付書を使って納付)となります。役員報酬を低く設定している場合、役員自身が住民税非課税になるケースもあります。また、役員報酬は給与所得控除の対象となるため、実際の給与収入と合計所得金額は異なる点に注意してください。

5. まとめ

住民税非課税世帯とは、世帯全員が住民税(均等割・所得割)を課税されていない世帯のことです。2026年度の判定は前年(2025年)の所得に基づき、単身・東京都特別区では令和8年度改正後は給与収入約170万円以下が目安です(単身・東京都特別区の場合。※改正後の基準による目安。市区町村により異なる場合があります)。

2024〜2026年にかけて政府の低所得者向け給付が続いており、従業員や経営者自身が対象になる可能性があります。経営者・個人事業主として押さえるべき実務ポイントを以下にまとめます。

・毎年5〜6月に届く特別徴収税額通知書で従業員の住民税額(非課税かどうか)を確認する
・住民税(非)課税証明書の発行は本人が市区町村で取得する(雇用主発行ではない)
・自身の事業所得が少ない年は住民税非課税世帯に該当する場合がある
・判断に迷う場合は税理士に相談する

(2026年4月時点の情報に基づく)

会計事務所に約14年、会計ソフトメーカーに約4年勤務。個人事業主から法人まで多くのお客さまに接することで得た知見をもとに、記事を読んでくださる方が抱えておられるお困りごとや知っておくべき知識について、なるべく平易な表現でお伝えします。

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